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【オランダ双子育児ログ#3】子供と楽しむMuseum_in Den Haag & Leiden

「文化」は、日常的に感じ、体験する中で育まれる。

子供たちが日常的に、文化や科学に触れることができる。
これは、オランダに来て嬉しいことの一つである。

オランダは世界有数の文化大国であり、著名な美術館・博物館が多数ある。
その中でも特筆すべきは、子供のための美術館・博物館が多数あるということだ!
絵画に限らず、児童書や科学、歴史、さらにはSDGsなどテーマは様々ではあるが、身体を使って自由に表現したり感じ考えたりすることができる展示・体験スポットが多い。

今回は、我が家が大変お世話になっている、デン・ハーグ周辺の子供向けミュージアムを紹介したい。


①児童書の世界で遊ぶ_Kinder Boeken Museum

赤ちゃんから楽しめる子供向けミュージアムといえば、Den Haag中央駅近くにある児童書博物館(Kinder Boeken Museum)だ。

冬場は天気が悪い日が多く、公園で遊べないため、自宅から徒歩圏内ということもあり、保育園に通い始めるまでの数か月間、週1回は通ったと思う。
オランダに来てから最もお世話になっている施設である。

フロアは主なターゲット年齢別に分かれており、さらに14歳以上向けのフロアは併設のLiteratuuMuseumにある。
我が家はよく2階と0階を利用させていただいている。

  • 2階…0~6歳児向けフロア:絵本の世界で身体を使って遊ぶ

  • 1階…エントランス、ギャラリー

  • 0階(グランドフロア)…7歳~13歳向けフロア:オランダ児童文学の世界で頭を使って遊ぶ

2階は、幼い子供たちにとって最高の遊び場である。
ミッフィー、腹ぺこあおむし、キッカー(日本だと「かえるくんはかえるくん」シリーズ)等、世界的に著名な作品をはじめとする、10ほどの絵本の空間が再現されている。
ミッフィーのお部屋でお絵描きをしたり、あおむしになりきってはいはいしたり、キッカーと一緒に魚釣りをしたり…等々。
絵本の世界が自分のものになり、登場人物になりきったり自分でストーリーを空想したりして、いっそう絵本が好きになる。
素晴らしい好循環を創出している。

ミッフィーのお部屋でお絵描き&アルファベットのお勉強
キッカーの世界で魚釣りしたりお料理したりお昼寝したり。キッカーたちの毎日を体験!

我が家では、午前中は2階で遊び、疲れたらグランドフロアにあるミュージアムカフェでランチをとり、その後グランドフロアで遊ぶのが定番である。
グランドフロアは、小学生ぐらいをメインターゲットにしているだけあり、言葉や絵を使ったクイズや体験ゲームが多数あるのだが、オランダ語と英語を選択できるので、とてもありがたい。
また、たくさんのオランダの絵本や児童書が置いてあるため、読めないながら、親子で絵からストーリーを空想して楽しませていただいている。

オランダ語の絵本を手に取って眺める2人(グランドフロアにて)
日本語も英語もオランダ語も、当時2歳なりたての子供たちにとっては大差なし!

幼いお子様連れのご家庭に、まっ先におすすめしたいスポットである。

②自然史に触れる_Naturalis Biodiversity Museum

デンハーグのお隣の都市ライデン(Leiden)にある、ナチュラリス自然史博物館(正確には、Naturalis Biodiversity Centerの中にMuseumがある)は、子供たちが、地球や人類の歴史を体験・学習するのに最適の場所である。

2歳児にはちょっと早いかもしれないと思っていたが、全く問題無し!
氷河期のミニチュア模型からマンモス、恐竜、ビッグバンまで、初めて見る展示たちに、子供たちは興味津々。
「これなんだろう~?」と一心不乱に観察したり。
「きれい~!」と眺めたり。
「これ、やりたい!」と体験展示にトライしたり。
マンモスや恐竜の化石等も、初見だと怖がるかしらと思いきや、デジタルアートも駆使して工夫された展示に、数時間、飽きることなく見て回ることができた。
(ちなみに、地震コーナーには日本の紹介も!)

地球のなりたちのフロアにて。子供も大人も大興奮のフォトスポットもたくさん!

グランドフロアには、子連れウェルカムのレストランもあり、ミュージアムフロアにカフェもあり。
特にこちらのレストランは、栄養バランスの良いメニューも豊富で、ハイチェアも多数完備、広々と清潔感もあり、近所ならばレストランだけの利用もしたいと思えるぐらい(笑)
家族皆楽しむことができる博物館である。

③SDGs課題に触れる_Museon Omniversum

子供の頃から、日常的に、遊びを通してSDGs(持続可能な開発目標)に触れることができるとは…!
SDGsを説明するには、地球の成り立ち、歴史、世界情勢等々複雑な背景をふまえた解釈が伴うため、その難しいテーマについて、子供向けに体験型ミュージアムを作ってしまうとは…と、シンプルに脱帽したのが、Museonである。
場所は、ハーグにある日本国大使館からバスで数分のところにある。

多くの展示が小学生ぐらいをメインターゲットとしているため、2歳児が学ぶにはちょっと高度ではあるが。
エネルギーの発生について体験したり、
木材という限られた資源の再利用について、おもちゃを通して触れたり、
生物の多様性に関する展示を興味津々で眺めたり。
対象年齢未満であっても、2歳児なりに、遊んだり展示を眺めたりして感じるものがあるようで。
いつも、あれこれ試行錯誤しながら楽しんでいる。

木端で作られた積木で街づくり
電気の発生を体験!手が届かない娘を手伝ってくれる、地元のお兄ちゃんたち
(オランダの保育園・幼稚園は多年齢クラスということもあってか、
子どもが自分よりも小さい子のお世話をすることに慣れている印象)

教科書の上でSDGsとか持続可能性とか言われてもイメージがわかないが。
「ああ、これ、ミュージアムで見たあれのことだ!」
という感覚があるだけで、お勉強が情報の暗記ではなく、身近な課題として自分の頭で考えるきっかけになるであろう。
いつ夫が本国帰任になるかはわからないが、子供たちがある程度物事の道理が分かるようになる年齢まで、定期的に通えたらいいなと思うミュージアムである。

必見!伝家の宝刀"Museumkaat"

オランダで文化を満喫するのに欠かせないのがMuseumkaatである。
国内にある500以上の美術館・博物館が対象の、年間パスである。

価格は、大人は€75、子供も€35なので、4~5箇所訪問すれば十分にペイできる金額である。
先述した①~③のミュージアムは全てMuseumkaatの対象なので、「お天気悪くて公園で外遊びできないし…。今日はXXXミュージアムに行こっか!」というような気軽さで、頻繁に訪れることができるのだ。
腕白双子ママとしては、本当に本当に、ありがたい限りである。

そして何より、Museumkaatは、子供も大人も、文化・科学・歴史等を身近に感じさせる、素晴らしい仕組みである。
日本にもあったらいいのにな…

Museumはみんなのもの!

日本では、一般的に、幼い子供を美術館や博物館に連れていくことは難しい。

しかし、オランダの美術館や博物館の多くは、子供ウェルカムである!
例えばマウリッツハイス美術館やアムステルダム国立美術館等、世界的に著名な文化的資産を誇るミュージアムであっても、だ。
エレベーターはもちろん完備、優しいスタッフの方々が困った時はサポートしてくれる等、小さな子供や赤ちゃんと一緒にミュージアムを訪れることを温かく歓迎してくれる雰囲気がある。
(そうは言っても、マウリッツハイス美術館等の著名Museumは旅行客が多いハイシーズンや休日は混雑するので、双子ベビーカーという通路を塞ぐリスクが高い我が家では、平日に行くか、混雑する時間帯を避けて行く等の工夫をしながらではあるが)

さらには、平日の午前中に美術館・博物館に行くと、学校の授業で訪れている団体客をよく見かける。
先日マウリッツハイス美術館を訪れた際にも、小学校低学年ぐらいの年齢の子供たち数十名が先生と一緒にやってきて、名画や素晴らしい建物を楽しんでいた。

文化は、学校の授業を通して系譜を暗記したりスキルを習得したりするだけでは育まれない。
実際に見たり触れたりして、その子なりに感じ取ることで、自然と培われていくものである。

子供たちにとって、幼少期にこのような文化的経験ができたことは非常にラッキーであると、とても感謝している。

それと同時に、日本にも素晴らしい美術館・博物館はたくさんあるので、帰国したら、子供たちと一緒に日本らしい美術館・博物館をいろいろ巡りたいなと想いを馳せる、今日この頃である。

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