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お小遣い稼ぎとしては割が良くない副業

副業・転職のキャリアSNSの会社の代表をやっていると、よく「やっぱり副業はオススメですか?」とか「日本人みんな副業したほうがいいと思いますか?」みたいなことを聞いていただくことがある。
私個人としての答えはNOだ。副業は万人のものではないし、全員が常にするべきものだとも全く思っていない。今回はそういう話をさせてもらおうと思う。

本文章では「副業」という言い方を一貫してするものの、これは単発で自分の名前を出さないような内職のようなものは対象とはしていない。中長期で特定の企業にコミットするようなものを想定しており、そういう意味では最近のパラレルワークを指すような「複業」についても包含する内容となっている。

副業という名の業務委託を受ける責任

「副業」と言われているが、厳密にはこれ自体は雇用ステータスでも契約形態でもない。実態は、業務委託契約という形で副業をしている場合が多い。

業務委託契約というのは、雇用関係にない企業から仕事の委託を受け、特定の業務を行ったり成果物を納品することで、その対価を得ることを指す。労働そのものへの対価ではなく、納品物や仕事の成果として対価をいただく。

アルバイトのように、最悪その時間だけ勤務していれば良い、というものではない。プロとして期待値かそれ以上の成果を発揮する必要があるし、企業はそれを期待して契約をする。

プロとしての契約において、期待の成果が出なかったときにどうなるかを想像してみてほしい。業務委託は育成対象ではもちろんないので、出来るようになるまで辛抱強く待ってもらえるということも原則ない。
端的にいえば、副業を通して人が本質的に大きく成長することは少なく(もちろん知識は広がることも多い)、基本は試されている場だと認識したほうが良いと私は考えている。成果を出せないと認識されたら契約はそこまでだ。

副業を志望する人は、今一度自分がプロとして何の成果を企業に提供できるかは考えたほうがよい。
それを認識した上で、まだプロとして成果にコミットできる領域に達していない人については、自分は口が裂けても「副業すべき!」なんて言えない。その場合は、フィードバックをくれるような上司や同僚がいる、育成環境のある本業に集中したほうがいいと考えている。

派生するレピュテーションリスク

突然だが、皆さんは噂話をしたことがあるだろうか。
ホモサピエンスがここまで繁栄した要因の一つは噂話が出来たからだ、という話まであるほどに、人間と噂話は切っても切り離せない。

急に何の話かというと、業務委託で期待された成果が出なかったとき、その事実は副業先の会社以外でも広まることがなぜだか非常に多い。他社での期待値を超えなかった仕事が、次のキャリアにネガティブな影響をもたらすのだ
例えば「あの人、期日過ぎても納品がなかったし、その後も連絡が取れなかったりで大変だったからもう契約はしないな…」なんて話は自分自身よく聞く話だ。これは極端な例ではあるが、多かれ少なかれこんな噂話を聞いたあとで「じゃあその人と契約しよう!」なんていう風変わりな人は滅多に現れない。

副業というと「ラクにお金が稼げる」なんてイメージがつきまとうが、実際は全く別物だ。きちんと期待値を超えられないなら、副業は自分の今後のキャリアのためにもしないほうがまだ良い。

だから副業は面白い

怖いことばかり書き連ねたが、逆に考えてみたらどうだろう。
社会人の皆さんはよく知っていると思うが、なぜだか仕事は責任が伴わないと面白くない。裁量があって責任がある仕事であればあるほどに、仕事は難易度を増し、面白さが増す。

今までは負の側面にフォーカスして話したが、もちろん期待値を超える仕事をしたときはその噂が広まり、次のキャリアに非常にポジティブに働くこともたくさんある。とにかく期待値を超えることにコミットするかどうかだと思う。

自分もかつて会社員だった頃に、友人に頼まれて、スタートアップの採用の副業をしたことがある。副業とはいえ、自分しか採用担当はいなかったので、自分のアウトプットがその会社の採用成果ひいては事業成長になるので、とても責任とやりがいを感じ興奮した記憶がある。本業ではなくても、自分の存在の必要性を感じ、貢献したい!という感情が湧き、非常に面白くやらせてもらった。

弊社の新卒社員に「普通の人生の3倍生きたい!」と言って入社してきたメンバーがいる。最初は「面白いことを言うな」くらいに思っていたのだが、最近は自分も同じように思うことがある。時間軸はいじれないにしても、人一倍濃度の高い人生を送りたい。できる限りたくさん自分が生きる意味を感じたい。そういう人には、副業が一般的になってきたこの社会は、とてもエキサイティングでより良い世界なのだと私は考えている。


(福岡市のような、積極的に新しい取り組みをする自治体も増えてきて、嬉しいばかりだ。)


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