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和を以て貴しと為す

「和を以て貴しと為す」の本当の意味をご存知だろうか。

私は聖徳太子が作った四天王寺というお寺の境内の中にある学校で育った。そこの学園訓の1つ目が「和を以て貴しと為す」だった。当時の私は全く本質を理解せず「友達と仲良くしろってことね」と理解していた。この歳になるまでそれが大間違いだとは知らずに。

違和感を感じたことを直接相手に伝えたか?

またまた回想の話をするが、岩崎は新卒1年目のとき、上司とのソリが本当に合わず、嫌いも嫌い大嫌いという感じでへそを曲げている時期があった。上司が言うこと為すこと「本当にこいつは何もわかっとらんな」と思っていた(ひどいシャニカマーなので本当に真似しないでほしい)。あまりにも言動が目に余るので、上司のさらに上司にその酷さを伝えに言ったときにズバッとこう言われたことは、いまだに思い出して胸が痛む。

「岩崎、それ、本人に言ったか?」

「いえ、言ってません」

「なんで?」

「多分、私から言ったところで変わらないので…」

「言ってないのにどうして勝手に決めつけるの?」

「たしかに…そうですね…」

「まずは自分で言って、何度も伝えて、それでもどうしようもなかったら私に相談しなさい。そもそもチームで仕事してるのに、意見を言わないやつのほうがチームのためになってないんだよ。もちろんあいつが全て正しいなんで俺だって思ってないよ。せっかく岩崎が違うって思ってるのに教えてあげないのは会社のためになってない。よろしく頼むよ」

非常に耳も心も痛い経験だったが、おかげで大切なことが刻まれたように思う。たしかNetflixも意見が対立がおきた際は徹底的に当事者たちだけで話し合いをさせるそうだ(かなり前に読んだので間違っていたら教えてほしい)。今の自分もそれはとても良い方法だなと思っている。

(ちなみにこの上司には直接岩崎からいろいろ言わせてもらう関係になった。二人で飲みに行って、盛り上がらないながらぎこちなく食べたお好み焼きの味は覚えていないが、未だにたまに連絡取るくらいの関係は築けたのかもしれない)

受け入れてもらえる信頼関係を作るのも自分の仕事

とはいえ人間とは非常に面倒な生き物で、全く信頼していない人に異なる意見を直接言われると「むっ!」としてしまうものだ。これは「むっ!」としてしまうよね仕方ないよね、という話ではなく、自分が言われたときは「言ってくれてありがとう!」くらいまで素直に受け入れられる人になる努力は怠ってはいけない。一方、自分が言う際は相手の度量に甘えるのではなく、「むっ!」とされないような関係を日頃から作っておくことが仕事だったりする。

例えば、極端な例だが自分の親友を想像してほしい。岩崎の場合は南先生なわけだが、これまで南先生とは喧嘩もしたし、距離をおいていた時期もあったが、今となっては何でも言える仲だ(最近、あまりにも履いているスリッパがダサすぎたので指摘したら「可愛いやろ!」と一蹴された)。さすがに同僚全てとそうなれ!という無茶は言わないが、一定あなたの意見を相手が受け入れてくれるくらいには信頼関係を作るのも仕事だと私は思う。

「私は言ったのに、あの人は全然やってくれません!」という愚痴も世間では度々聞くが、それはあなたの意見を受け止めてもらえる関係になっていないからなのかもしれない。

念の為に何度も言うが、受け入れる側としてのマインドは全く別だ。あなたが信頼していない人であっても意見は独立して受け入れたうえで吟味すべきだ。信頼していないから聞かなくていい、というのは終わりの始まりだ。

和を以て貴しと為す

さて、話は戻ってくる。「和を以て貴しと為す」の本質は、一人で決めるよりも複数の人間が協調し、意見を交わしあったうえで決めるべきである、というところにある。仲良くやれという安い言葉ではないのだ。一人の意見は間違っていることも多い、だからこそ多様性のあるチームで意見を喧々諤々交わしたうえで決めた結論であるべきだということだ。

今の私は「とにかく波風は立てないべきだ、仲良く、うまくやろう!」というのは弊社にとってはあまり必要がないと思っている。例えば、肥沃な土地に恵まれた盆地で何百年も農作をやっている村があるとしよう。毎年何をしてもしなくても同じくらいの農作物が取れる。そのような場合は村の中でいかに波風を立てずにいかに嫌われずにやっていくかが肝になる(村八分は御免だ)。そのような場合はうまくやろう精神は正しい戦略だ。
一方、我々はどうだろう。全裸の15人でマンモスを竹槍だけで狩ろうとしている感じに近い。そんな中で隣の人と波風立てずにやっている場合ではない。「バカヤロー!立て!!!とにかく走れ!!!」くらいは言ってもおかしくない状況にいるのが我々だ(例え話なのでバカヤロー!はやめてほしいが)。

スタートアップではあなたの意見や違和感を大事にしてほしい。そしてその意見は自分だけのものにしないで相手に直接伝えてほしい。お互いに意見をぶつけながら、研鑽していこう。



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