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ホールネスで働いているか?

たびたび私は「ホールネスで働く」という表現をするが、普段はあまり耳なじみにはない言葉だな、と言いながら思っている。この機会に、何がいいたいのかちゃんとお話しておこうと思う。

自分らしく働かないと人は成果がでない

そもそもはティール組織という本から来ている。非常に素晴らしい本で、なんでこれをもっと早く読まなかったんだろうと思ったほど、人事は一度は読むべき本だと思う(ちなみに辞書かってくらい分厚いので気合が必要)。

そのままのティール(役職や上下が一切ない、メンバー各人の意思に基づく組織運営)を採用して運用するのは非常に難しいが、その中で自分が感銘を受けたのは「ホールネス(全体性)を持って働かないと、人間は成果がでない」という話だった。ホールネス(全体性)ってなんやねん、というお話なのだが「自分の人生まるごと」をホールネスと言っているようだ。

「あなたは自分の人生まるごと持ち込んで働いてますか?」ということだ。もっと簡単にいうと「自分らしく働いてますか?」ということだと私は解釈している。

自分らしく働けていなかった新卒1年目

恥ずかしながら私は新卒でDeNAの新卒採用グループに入社した1年目、信じられないことに給料を下げられた。多分、同期の中でも私だけだったと思う。

その仕事ができなかった1年目、明確に覚えていることが一つある。ある日突然「目が見えなくなった」と感じたのだ。

自分は昔から目だけは良くて、だいたい1.5〜2.0だったのだが、働き始めてからどうしても視力が尋常じゃなく落ちたように感じた(ちなみにそのときは実際には落ちていなかった)。

初めての東京で初めての一人暮らしを始め、賢い先輩たちに囲まれてドギマギしながら初めて参加したミーティングの議事録を関西弁で書いてすごい怒られた(今思えば当然なんだけど)。
自分の喋り方も封印された気がして、知らない土地で働く自分が何者だったかを完全に忘れてしまった。自分ってこんな人間だったっけ…?と思いながら仕事に忙殺される日々が続いた。毎日オフィスのエレベーターに乗り込むと異常に緊張した。今日一日ちゃんとやれるか不安だった。自分としては毎日午前2〜3時まで18連勤したり、体力の限界まで働いていた。目が見えなくなってきた。全部空回りだった。評価は最悪で給料が下がった。

あのときの自分はまったく自分らしくなかった。仕事だからと、それ用の東京の自分を作っていて、自分の人生はどこかに置いてきてしまっていた。

友達ができたら成果が出た

あまりにも仕事ができなかったので隣の中途採用グループに異動になった(実際にはほぼクビだったところをボスに拾ってもらった)。

そこでは候補者さんとの日程調整をひたすらやれとのことだった。そういう区分けは好きではないけれど、当時それは派遣社員さんたちの仕事であって正社員がやる仕事ではなかった。ちなみに何も知らない私はそんな仕事の区別があるとも知らずに、日程調整の1件あたりにかかる時間を最小化することに心血を注いだ。

そこでは派遣社員のお姉さんたちに仕事を教わるのだが、彼女たちは毎日すごいプライベートのお話をしてくれるのである。月曜会社にいくと「ゆかちゃん、週末面白いことあった?何してたの?」なんて聞いてくるのだ。私は正直びっくりした。「ゆかちゃん?タメ語?週末の話?そんな事話す暇があったら働けよ」と正直最初は思った。

でも彼女たちとそうやってお話しているうちに、私に初めて会社で「友達」ができた。恋の相談もしていたし、年上だった彼女たちが子供がほしいと思っているが思うようにできなくて悩んでいる、というプライベートの話もいっぱいした。彼女たちと会えるのが楽しみで月曜も出社が苦じゃなかったし、気がつくとエレベーターに乗り込むのも緊張しなくなっていた。

その後、派遣社員の皆さんのマネジメントを任されたり、最終的には中途採用チームの組織のデザインをさせてもらったり、採用戦略の策定を任されたりして、おかげで高い評価をしてもらえた。お給料もグンとあげてもらい、下がったことがあるというとビックリされるくらいには社内でいろいろ任せてもらえるようになった。

肩の力を抜いて、あなたの人生まるごと会社に持ってきてね

経営学の実験で、雑談の多い、そして友達関係が多い組織のほうが、最終的な組織の成果が大きいという有名な話がある(ちなみに公式組織の非公式化とかいうらしい。興味ある人は是非)。なのでこの会社でも、是非みんなには仕事だからと別人格を作らず、自分らしくいてほしい。

一方で肩の力を抜くというのはとっても難しいスキルだと最近は思う。でもそれができるようになったあなたは必ずや良い成果が出せると思う。

そのためのコツがきっと「ホールネスで働く」なのだ。具体的にいうと、あなたの人生を会社に持ち込んでほしいと思っている。

あなたの人生、例えば

- 家族の面倒を見ないといけなくて、最近疲れていること
- 友達や恋人とうまくいかなくて凹んでいること
- 家族が増えて幸せいっぱいでやる気に満ちていること
- 大切にしているオタク活動でいいことがあって機嫌がいいこと…

世間では「仕事とのオンオフ」とか言うけれど、あなたの人生は一つで全てがつながっていて、仕事だけ切り出すことなんてできないと思う。この会社は、みんなが成果を出せる環境にしたい。だからこそ、みんなには人生そのままを会社に持ち込んでもらいたいと思っている。


※この文章は社内向けのものを再編集したものです

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