『RESKILLING』を読んでみた


これからの人生を生き抜くには「リスキリング」というスキルが必須

リスキリング=学びなおしではない

リスクリングは単なる学びでは終わらず、「新しいスキルを身に着けることによって、新しい業務や職業に就くこと」であり、目的が新規の仕事に就くことと明確にされている。特にテック分野での仕事に就くことに特化して本書では書かれている。

では、今まで行っていたスキルアップの学びとはどう違うのか。

  • リスキリング:新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、新しい業務や職業に就くこと。階段を上り、別の部屋にいくイメージ。

  • スキルアップ:現在の職務の専門性をさらに向上させるために新しいスキルを獲得すること。はしごで上にのぼるイメージ。

教育と就労を繰り返す「リカレント教育」との違いは何か。

なぜリスキリングが必要か。

技術的失業が増えるから

今後10年から20年の間に米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されて消失する可能性が高い

2013 The Future of Employment

10年前の論文だが、すでに自動化が始まっている職業もあるが、これから始まる職業もある。技術の進歩に人間のスキルが追い付かないと、技術的失業をしてしまう。

成長産業への労働移動の必要性から

今後5年間で、人間、機械、アルゴリズムの労働分担が進むことによって、8500万件の雇用が消失し、9700万件の新たな雇用が創出される

The Future of Jobs Report 2020

成長産業では新しい雇用が生まれるが、失業したすべての人がその新しい仕事に就けるわけではない。テクノロジー関連の仕事は人で不足なのにもかかわらず、多くの労働者がスキルを持っていない。

コロナ禍によるThe Great Resignationをきっかけに

The Great Resignationとは、新型コロナウイルス蔓延によるパンデミックをきっかけに、働き方を見直し、自発的に仕事を辞める人が続出したことを指す。
コロナにより以下のことが浮き彫りになった。

  • 価値観の変化

  • 職場環境への不満

  • 個人のキャリアに関する不満

ビジネスパーソンとして生き残っていけるスキルを持っていなければ、一度きり人生を満足のいくものにするため、自分の望む働き方を求めることができない。

リスキリングの仕方

リスキリングは国や企業主導でやっていくものであるが、その方向性と自分の希望が合わない場合や、企業にリスキリングを行う下地ができていない場合もある。その場合は、個人のレベルでもリスキリングをしていく必要がある。

現状評価

リスキリングに取り組む前に、自分自身の現状に対する評価を行う。

  • 自分の現在の興味関心

  • 自分の解決したい課題

  • 自分の強み、好き嫌い

  • 自分の今までのキャリア

  • 自分の持っているスキル

  • 組織における自分に対する評価

リスキリングを進めるうえで、自分の気持ちや関心を起点にできると、より「自分事」として取り組むことができる。

デジタルリテラシーの向上、情報収集

デジタル技術を使って何ができるのかを理解しておくことが最低限必要。専門用語に慣れ、継続的に情報収集していくことが重要。

1 on 1によるリスキリングの方向性の決定

企業によっては、オンライン講座など学習できる機会が整っている場合が多い。しかし、「自由に講座を受講してください」というだけでは、よほど自分のやりたいことやキャリアプランが明確な従業員でなければ、この運用はうまくいかない。
そのため、会社が望むリスキリングの方向性と、従業員が描くキャリアプランをすり合わせて、スキルギャップを特定する必要がある。

社内インターシップや副業制度を活用し実践

講座を受けても、それを業務の中で活用する機会がなければ、学んだことを忘れてしまう。なので、実際の業務の中で使っていく機会を作ることが大切。

勉強会や外部講師の招へい

部署やグループ単位での学び合いを実施する。外部講師を招へいして、レクチャーをしてもらうのも効果的。

リスキリングをしない未来

年齢を重ねると、自己評価とは裏腹に、転職市場での評価が下がっている人が多い。外部環境が激しく変化しているので、それに合わせて自分のスキルを変化させていく必要がある。
今までのスキルの高い低いは関係なく、今後の業務に必要とされるスキルを獲得することが重要。
リスキリングは、やりたい・やりたくないの議論ではなく、働き続けるためにマストである。

感想

従業員個人向けに書かれているのか、企業の経営者や人事担当者向けにかかれているのか、よく分からない構成であり、混乱しながら読んだ。
リスキリングのプロセスについては、実際のツールについての記載が盛りだくさんで、すぐに取り入れられる内容であった。

情報収集:ブログを読む、Facebookの活用、コンサルティングファームのレポートを読む、日経電子版を読む、Youtubeを活用する・・・など
学びのプラットフォーム:MS Vivaラーニング、LinkedIn、Udemy・・・など
お役立ちツール:DeepL、Otter、OneTab・・・など

この10年を振り返ってみても、セルフレジが増えたし、携帯電話は店舗ではなくネットで契約できるようになったし、人員削減は確実に起きている。
最近では、ヤマト運輸の3万人契約解除が世間を賑わわせている。

今行っている業務がなくなるというのは誰にでも起こるということを肝に銘じなければならない。
社会全体として雇用を守り、国力を高めたり、企業競争力を保つために、リスキリングは国や企業主導が望ましいとは思うが、個人レベルでも危機感を持つべきだと感じた。
そのためには、適切なインプットが欠かせない。デジタル関連が注目産業であるのは明らかであるが、分野は多岐にわたるのでまずは知っていることが最低限必要なこと。そうして、社会全体の動向を把握して、自分の仕事に落とし込んだ時、スキリングして新しいスキルを身につけ生き残っていけるのかを考えていかなければいけない。

・・・日経電子版でも読もうかな。。英語の勉強兼ねて、こんなのいいかもしれない。

ちなみに、案件ではない。

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