ズレ。

帰国して何に飢えていたか分かった。本である。小説。数ヶ月小説を読まないのは私には毒なのであることに気づいた。次は何か持っていこう。てか空港で買おう。

たまたまかもしれないし、気のせいかもしれないし、被害妄想かもしれないけど、私が読む小説というのは何かこう人同士の価値観のズレを描いていて、最後の最後でそのズレの大きさでドッカーンとなる感じが多い気がする。

価値観のズレなんて日常茶飯事で、職場の同僚(今のところ1人しか思い浮かばないけど)、仕事の外部関係者、友達、特に結婚・出産などのライフステージに変化があった人、もっと薄い関係の知人、などなど。話していて、え?と思う瞬間がいくらでもある。

私は自分自身が子どもの頃から、親との価値観のズレ及び価値観の押し付け(と私は感じている)があったことが多分大きく影響していると思っていて、家族というのは価値観の違いを尊重し合わない集合体だと思い込んでいた。今はそうは思わないが。

久々に読んだけど、完全に過去だな。今となるとあの時、大量のエネルギーを投入して母と対峙してことで、私は自分でかけていた呪いを解いたんだと思う。

で、まあ今日久々に読んだ小説もそんな感じだったのです。親プラス世間体。

Red / 島本理生

読む人によって受け取り方が違うと思うが、私は自分に重なる部分を主人公や脇役達に感じた。この本も、自分で自分にかけた呪いがキーになってると思う。

自分の人生を親のせいにするなとか言える人は正しいかもだけど、私は賛成できない。親のせいだけにするのは違うけど、幼少期の親の影響は計り知れないのも事実。そこで体験して得た処世術みたいなのはなかなか捨てられないと思う。ここに良い例がいるし。

おぅ、着地点がわからなくなってしまった。。

友達とズレが生じたら離れる、距離を取る。同僚とズレが生じたら必要以上に関わらない、事務的に対応。家族とズレが生じても同じだと思う。離れる、距離を取る、必要以上に関わらない、事務的に対応。これに限るなと実感。

なお、まったくもって後ろ向きな話ではなくて、私はここに辿り着いてからだいぶ生きるの楽になったし。

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