島ひるごはん Vol.1「海辺の一軒家にお引越しin小豆島」
都内のアパレル業界でパタンナーをしていたNamiさん。
「海の近くに住みたい」と小豆島に移住し、私も現在入居中の移住者限定シェアハウスに住んで1年以上過ぎた今年春、島内に素敵な一軒家を見つけました。
数ヶ月かけてさまざまなメンテナンスを行った末、6月の梅雨晴間(つゆはれま)ついにシェアハウスを出て、離れも縁側も神棚もある立派な一軒家に移る日を迎えました。
小物作家としての顔も持ち、都内のセレクトショップからのオファーもあるポーチなどの小物から陶芸にまでその活動の幅を広げはじめたNamiさんの荷物はかなり多め!
手伝いを申し出てくれたNamiさんの釣りの師匠でもあるSさんは、次々に玄関に積み上げられる荷物を見て、知人のKさんに応援を要請。その数分後、Namiさんとは全く面識のなかったKさんが軽トラで駆けつけ、挨拶もそこそこに作業に加わってくれました。
そんな地元の方々の飾らない優しさに感銘を受けている間にも、黙々と2階の部屋から車3台に運び込む作業は続けられます。
SさんKさんの手にかかれば、荷台の荷物の固定もあっという間。お陰で予定より早く荷出し作業が終わりました。
日陰での休憩もそこそこに、いよいよ出発です。
目指すは三都半島にあるこのビーチから徒歩で珈琲が冷めない距離の一軒家。
小豆島の人気観光スポット・寒霞渓に続く通りにあるシェアハウス周辺とはガラリと雰囲気が変わります。
一つの島で多様な地形を楽しめるのも小豆島の魅力の一つです。
ちなみにここ三都半島は2009年から「三都半島アートプロジェクト」が開催されたり、2010年からは3年に1度の国際イベント「瀬戸内国際芸術祭」で多くの作品が設置されるなどアート関連のイベントが盛んな地域でもあります。
さて、新居への運び込みもスムーズに終わり午前中に作業は完了。
SさんKさんの応援がなければ2往復する予定だったこの日の荷物運びが1度で終了。ほっと一息着く間もなく、急な応援要請に応じてくれたKさんはヒーローさながら爽やかに農作業の続きに戻っていかれました。
神棚にお参りと入居の挨拶を終え、残りのメンバーでお昼をとろうと向かったのは、草壁港にあるNamiさんお気に入りの「クッキング マーカス」さんでした。
その日のメニューから全員が日替わりランチを選び、のんびり雑談しながら待ちます。
この日の日替わりは小鉢3つとお味噌汁付きの「サバ味噌バター煮」定食でした。
どれも疲れた身体に沁みる優しい味で、皆の口から「美味しい!」が連発。
実はNamiさん「クッキング マーカス」さんが入るこの建物の別フロアで働いていたこともあり、お店のご夫婦と以前から顔馴染み。
お会計後レジ前で話にも花が咲きます。こんなお店の人と客との距離の近さも島ならではの光景と言えるかもしれません。
お店を出たNamiさんはSさんに改めてお礼を伝え、再びシェアハウスに戻りました。
すると、この日も朝から引っ越しを手伝っていたシェアハウス仲間のKimiさんからNamiさんに何やら手渡されました。
「夕飯に食べて」と。
開けて見ると、シェアハウスでNamiさんと最も多くの時間を共有してきたKimiさんだからこそ知るNamiさんの好物が詰められた色鮮やかなお弁当!
入居初日の新居では食事の準備も難しいだろうというKimiさんの心遣いでした。
引っ越し日が近くなるにつれ、シェアハウスを離れるのが「寂しい」と繰り返すNamiさんに「引越しやめてここに居たら?」とふざけつつ半分本気で返していたKimiさん。
関東からそれぞれ移住し、シェアハウスで出会った同年代2人の女の友情はこれからもこの島で育まれていくことでしょう。
この日の引越しに同行した私は小豆島の自然や人の奥深さに改めて感動しつつ、これからNamiさんのぬか漬けを分けてもらえなくなる事が気がかりなのでした。
元小豆島八十八ヶ所のお遍路宿という歴史があり、これまで多くの移住者を受け入れ、見送ってきたシェアハウスの一室が空きました。
ほんの少し海も望めるこの部屋に次はどんな移住者が住むことになるのでしょうか。
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