私立女子高生、満員電車のオアシスとなる。
【テーマ:満員電車での会話】
先日、
いつものように朝の満員電車に駆け込んだところ、
六人くらいの私立(と思う)女子高生が
入り口あたりで固まっていた。
その集団の対象のドア側にもたれていると、
なにやら女子高生たちはお上品な笑い方で
きゃっきゃとお話を始め、
私を挟んでドア側の男子校生二人もそれを横目に
女の子の話(どうしたらモテるか、誰が気になってるか的な話)
をしていた。
すると、女子高生たちは一人の子(Aちゃん)の髪をいじり始めた。
私はこの満員電車でするか!(迷惑ではなく恥ずかしくないのか)
という気持ちでその子たちを観察することにした。
最初に説明し忘れてしまったが、その女子高生たちは
私が「私立」というレッテルを勝手に張ったように
ギャルい感じもなくキャピッた感じもない、
ちょっとまだ中学生くらいの雰囲気でお上品でピュアな
空気を纏っていた。お顔も可愛い。
そしてその中でも一段とまだ垢抜けない子が
囲みの中心で髪を束ねられていた。
その様子をちょっと見学していると、
ちょっとお年頃な子に対しては高めのツインテールの
ハーフアップヘアにされようとしているのだ。
自分の経験上、その光景を見て
えっ、大丈夫?いじめられているわけじゃないよね??
と不安に思ったが、その完成形がなんともまあビフォーアフター。
本当に似合っていたのだ。本当に。
囲みの女の子たちは「え〜可愛い」など絶賛し、
私も心の中でLIKEを押しまくった。
すると、束ねていた子(Bちゃん)は「もうちょっとこうしてみようか。」と新たな技を宣言し、間髪なく束ね始めた。
もう目が離せなくなった私は、
こんなにガン見してるの変に思われないかな?と思ったが、
女子高生たちはもう自分の世界だし、
つり革につかまっているおじさんも携帯を見ていたり、
乗客は私の他にガン見している人はいなかったが、
電車にただ1つ目立つ女子高生たちの声に耳を傾け
微笑んでいるようだった。
そして繰り出されたB子の新技も、それはもうまた可愛くて
A子に似合っていた。
女子高生たちが迷惑な対象になるのでも消費されるのでもなく、
過剰ではない関心で見守るような、そんな空間と
ただ平穏に心を癒してくれるラジオのような時間が
早朝の電車で流れていた。
女子高生も、乗客も、全員キャストでまるっと平和だった。
女子高生たちよ、
君たちは忙しない日常に突然湧き出たオアシスだよ、
本当にありがとう。
わたしはきみたちの未来がすっごいキラキラしていることを
祈ってます。すくすく育ってね。
B子よ、ヘアメイクさんになりなさい。
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