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現実に追いかれるなら迎え撃つ ◆ 水曜日の湯葉74 [5/3-5/9]

新作おしらせ。5月23日に早川書房から発売する文庫アンソロジー『AIとSF』にて、僕の短編小説「Forget me, bot」が掲載されています。12,000字くらい。

「いまAIについて想像力を膨らませてもどうせすぐに現実に追いつかれるだろ」という観点から、チャットボットと VTuber をテーマにおもいっきり現実路線の話にしました。そのぶんSFとしての賞味期限は短いので、購入後はお早めにお読みください。

毎回聞かれるが、電子版が出るのかは僕も知らない。発売日になって Amazon のページを見ると「あ、出たんだ」と思ったりする。アンソロ本というのは著者が多いため電子版を出すと売上金の配分がやたら面倒らしいのだが、最近は徐々に出るようになって何よりである。僕が早川書房で書いたのでいうと『ポストコロナのSF』は出てないが『異常論文』は出ている。

Bluesky という分散型SNSにお誘いいただいたので、いちおうアカウントを作ってみた。いまのところ「イーロンマスクが合わないので来た」という人ばかりなので、あまり流行りそうな気配はない。Twitter 使ったことがない層が来るようになったら本格的に使おうと思う。

僕もイーロン体制下の Twitter は「明確に悪くなった」という印象だが、そもそも僕にとって Twitter は思考を排泄するトイレである。「自宅のトイレから悪臭がするようになった」という時に「2駅先に清潔なトイレがあります」と言われても特に魅力を感じないのだ。もちろん慢性的にトイレの水が詰まったり下水が逆流するレベルになったら引っ越すので、その場所の検討はつけておく。


5月3日 水

諸事情あってクレジットカードを更新し(盗難ではない)、あちこちに登録した番号を変更して回る。ついでに様々なアカウントを再設定する。使っていないサブスクの解約、二段階認証になってないサービスの二段階認証化など。こういう作業は定期的にリセットした方が無駄をなくせるし、いま自分が何に金を使っているのかを体感で把握することができる。

コーヒー1本買うのに iD → VISA → 銀行 といくつもの機関を経由して、そのたびに何らかの手数料が発生しているというのは不合理にしか見えないが、何かしら市場的な合理性があるからこうなのだろう。直感的には仲介業者は少ないほど良いはずなんだが、なぜか docomo の電波を借りている格安SIMが docomo より安かったりするし。

QuizKnock の動画を見ていたら「交喙いすかはし」ということわざを知った。イスカという鳥のクチバシが食い違っていることから「物事が食い違う」という意味らしい。名前も意味もすごく僕に似合う言葉じゃないか。就活するときに「自分を動物に喩えると?」と聞かれたら「イスカ」と答えよう。


5月4日 木

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