自作写ルンですレンズ、その3

第三回です。

今回は、理論とパーツ選びについてお話します。

前回の問題、わかりましたか?

正解はフランジバックの問題です。


富士のボディだからといってXマウント用のボディキャップを使ってもフランジバックの関係でピントは合いません。

なぜならセンサー面から、レンズのピントの合う面までの距離が近すぎるから。

ことばで説明するのが難しいので、もっと理解したいという方は「フランジバック ミラーレス」で検索をすれば詳しく出てきます。

これは富士でもソニーでもキャノンでもニコンでもパナでもオリでも、一緒です。




自作される方は自分のマウントに合うボディキャップを買わないように気をつけてください。

かならず、マウントアダプター経由でレンズの作成をしてください。




そこまでは私も考えて気が付いていたんです。


問題はそこから。


ある程度フランジバックが稼げていれば、マウントなんてなんでもいいだろ。


と思い込んでいました。

てじかにはM42のマウントアダプターがあったため、これを使用したことが悲劇の原因です。

画像1

M42は一眼レフのマウントの企画です。

M42のフランジバックは およそ45.5mm(正確には45.46mmと45.74mmの二つ規格があります。)


余談ですが

ミラーレスカメラでオールドレンズをお使いの方でM42なのに何度調整しても無限遠が出ないレンズがある場合、マウントアダプターの精確な規格が違う場合があります。

ただし現状はアダプターのほとんどが中国産で、そこまで精密に作られているメーカーはほぼないでしょうからマウントアダプターをご自身で加工するしかないかもしれません。



一方で富士のXマウントは17.7mmがフランジバック。

そして写ルンですのフランジバックは18~20mm程度です。

これではフランジバックは合わないですから当然ピントは合いませんよね。


ここに気が付かずにパーツを発注してしまったのでピントが手前すぎる「写ルンですマクロ」が失敗から誕生してしまったのです。

画像2


フランジバックが18~20mmくらいのマウントといえば有名なのがライカMマウント、L39マントあたりが近いです。

ですので今販売されているほとんどの写るんです改造レンズがMマウントもしくはL39マウントのアダプター経由で販売されているわけです。


結論を申しますと、マウントアダプターはMマウントもしくはL39マウントで自作なさらないと軟焦点、もしくはマクロ写ルンですレンズになってしまいます。

次回は、ようやっと作成編です。

次回、穴開けてレンズ接着、試写。

その次は焦点距離の測定とベンチマークです。

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