見出し画像

映画館にて、能楽で整う体験をした。

能楽をテーマにした映画『犬王』を観に行ってきた。世界最古の舞台芸術と呼ばれているように、映画を観ていたというよりも舞台を観ているような感覚だった。それも今の能楽とはちょっと違ったロックフェスのようなミュージカルのような舞台を。

それに人生初だったのが「映画館で整う」体験をしたことだ。映画を観ながら夢と現実を行き来していた時間が少しだけあった。流れては消えてさっていく一期一会みたいな映画に対して、集中するよりもリラックスして接することができたのだろうか。今でも不思議な感じだ。

実は以前、似たようなお話をYouTubeで聞いたことがあった。ライター,編集者の九龍ジョーさんからだ。

能楽は難しそうに見えて、ほとんど型が決まっているということ。何かを失った人(亡霊)の話を旅の僧侶が聞くというストーリーが大体らしく、観客である我々も一緒になって話を聞いてあげるみたいな感じであると。

話が難しくて寝てしまいそうなのが恐怖ではあったけど、寝ていても話は全然進まないのだと。うつらうつらしている間に自分自身の気掛かりだったことを思い出しては、亡霊の成仏とともに消え去って最後は晴れやかな気持ちになっていくらしい。

今回の映画では平家の亡霊を成仏させようとするシーンに触れて、自分の頭の中もちょっとスッキリしたのかもしれない。

これを機会にもっと触れたいと思ったので、原作である小説の「平家物語 犬王の巻」を早速購入して読んでいる。そして今度は実際の能楽をこの目で観てみたい。これからも伝統芸能を学び続けていくのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?