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【解説】デジタルツインの構築方法について

こんにちは、業務可視化・改善コンサルタントのスズキユウです。

デジタルツインという言葉が登場してから数年が経ちますが、用語の解説は多いものの、具体的にどのように構築したらよいかといった解説は少ないように感じます。

今回はデジタルツインについて、構築方法を中心に紹介したいと思います。


デジタルツイン(DTO)とは

デジタルツインとは、デジタル空間上に現実を模したモデルを構築し、現実世界に検討施策を適用する前にデジタル空間上でシミュレーションすることで施策適用時の影響や施策の効果を把握し、費用対効果の高い施策を実現するものです。現実世界の双子のようなモデルをデジタル空間上に構築するため、「デジタルツイン(Digital Twin of Object:DTO)」と呼びます。

製造業では似たような概念が古くから導入されていましたが、デジタル技術の発展により非製造業や事務作業においてもデジタルツインの概念が導入されるようになりました。

業務プロセスのような物理的に見えないものは、プロセスモデルの形式で表現することが一般的です。

近年では特に業務プロセスの最適化において、「組織のデジタルツイン(Digital Twin of Organization)」というモデル構築概念が議論されています。

デジタルツインについては下記のリンク先で詳細に解説がされていますので、ご参照ください。


デジタルツインが目指すもの

プロセス最適化において、デジタルツインを構築すべき理由は以下の通りです。

  • 変化する環境下において競争優位性を保つために、アジャイルな施策検討・実行が必要である。

  • アジャイルな施策実行のためには現実を模したモデル上でアイデアをシミュレーションし、最も効果の高い施策を検討することで施策実行のスピードを上げる必要がある。

  • 特にデジタル技術の導入には多額の予算と工数を必要とするため、デジタルツイン上での事前シミュレーションによって成功率を上げる必要がある。


デジタルツインの構築方法

デジタルツインの構築は、以下の要素を満たすツールを導入することで実現できます。

プロセスモデルの構築

デジタルツインのプロセスモデルは、BPMN等の業務プロセス表記法を使用して記述sることが一般的です。

近年はプロセスマイニング等の技術によってITシステムのプロセスを可視化することが可能になりましたが、プロセスマイニングでは非ITの作業を可視化することができないため、これだけでは不十分です。

プロセスモデルには非IT系の作業も可視化できる機能が必要です。

また、プロセスモデルには業務プロセスの情報に加えて、以下の情報が必要です。

  • 人・組織・IT等の企業資源

  • 書類・帳票・データ等のプロセス成果物

  • 法令や規制等の要求事項

企業の業務プロセスは上記の要素が絡み合って構成されているため、なるべく単純にモデル化できるツールが望ましいです。

データの収集

構築したプロセスモデルに、現実の業務指標データを反映することで「デジタルツイン」となります。プロセスマイニングはこのデータを収集し、可視化する上で非常に効果的なツールです。一般的に業務では複数の業務システム・ツールを使用していることが多いので、複数システム・ツールの情報を収集・可視化できるツールであることが望ましいです。

施策立案

一般的に、施策立案は企業の戦略と関連します。このためデジタルツイン上でも戦略目標やアクションプランから細分化した目標値を達成する施策の検討や、施策の効果測定を行う必要があります。

このためデジタルツイン上プロセスモデルだけではなく、戦略モデルの表現が可能であることが望ましいです。

シミュレーション

検討した施策をデジタルツイン上でシミュレーション実行することで、施策の有効性を事前検証することができます。

業務のデジタルツインではプロセスモデル上で業務プロセスをシミュレーションし、適正な人員配置や人件費、作業時間の検証、実施することによるボトルネックの発見を行えることが重要です。

モニタリング

業務改善やプロセス最適化では現実世界の施策実行結果をデジタルツイン上のモデルに反映し、事前の検討に対する評価を行う必要があります。

業務処理の実行結果を収集するにあたってプロセスマイニングは非常に有効なツールです。

施策の評価という観点では、企業の戦略目標に対して現在どのようなパフォーマンスが発揮されているかを評価する必要があります。このため収集したデータを戦略モデルと関連付けて補できることが望ましいです。


これらのデジタルツインを構築する要素をすべて満たすツールの代表格は、iGrafx Process360 Liveです。

iGrafxはプロセスモデル構築に優れた機能と操作性を有しており、プロセスマイニングや他システムとの連携やオーケストレーションが可能です。

iGrafx Process360 Liveについて、特徴や事例の紹介を下記の記事にて紹介しています。ぜひご覧ください。


いかがでしたでしょうか。特にDX推進においてはデジタルツインの構築は必須のものとされていますが、実現ハードルが低いものではありませんでした。今回ご紹介したiGrafxはデジタルツイン構築に必要な機能がすべて搭載されており、かつ操作性に優れているのが特徴です。

DX推進について課題を抱えられている方には、一度ご検討をされることをお勧めいたします。


用語解説に戻ります。


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