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ふぁぼ

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#イラスト

照明やら何やらの家の設備が次々と死んでいく中をそびえ立つ樹のようにぼんやりと見ている。
昔からちょっとの「自分に関する『困ったな』」はなんだかとてもどうでもよくて。困ったけど別に死ぬ訳じゃないし。弁当に自分だけ箸がなかったら弁当箱の蓋で食べるタイプ。十分すぎる筈の自己愛。事故愛。

「ぼくはもう 学校にも月にも帰りたくないんだ。」
という銀色夏生の詩を、何故かずっと覚えている。初読はもう遠い遠い昔。
たったそれだけの短い文字の集合に、しんと静まり返る心を見る。
その頃には帰れない自分を懐かしく見る。

「つまらない」って残酷な感情だなあと思う。
どうでもいいよって感じが。

しかし、「つまらない」は自由だ。
自由だけど、たまに不安が内側に芽吹く。
どうでもいいんじゃなくてどうしようもないんだ、多分。
無い袖は振れない。袖が無い。