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七人の侍を観てサムライになりたいと思った。

黒澤明「七人の侍」の感想です。

きっかけ

黒澤明監督の「七人の侍」ってなんかモノスゲーらしいと聞いていたが、白黒映画だし、観たことがなかった。
しかし、私は観るべき理由がある。なぜなら、私の愛する彼氏(二次元)は、日本男児でサムライだからである。(きりっ
彼氏のカッコよさをアップデートするため、私は日本男児というものを生涯をかけて理解を深めなければならない。
そのためにはやっぱり映画。世界最高峰と言われてる七人の侍である。これは観なければなるまい。というわけでレンタルをぽちっとした。

あらすじ

時は戦国時代。野武士の略奪に苦しむとある農村があった。村人は略奪に耐えかね、「侍を用心棒として雇い、野武士を打倒せん」と奮い立つ。しかし身分の壁を越えて引き受けてくれる武士など見つかるのか。野武士に対抗できるのか・・・戦いの物語。

感想

小分けしてダラダラ語ります。
正直1回観ただけじゃよく分からなかったので、ウィキペディアとか巷の考察記事に助けていただきました。ありがたい。

うまく説明できないけど、目が離せない!なぜだ!
1954年の映画です。50年以上前の映画なんですね。白黒映画だし、セリフが聞き取れない(私の耳が悪い)し、何をやっているのか理解できないこともありました。でも・・・
3.5時間の映画、するすると観れてしまいました。私は見始めて5分でつまらなければ切るタイプなんです。でも、私は興味をそそられ続けた。
そりゃそうだよね、世界に誇る映画だから、私ですらも注意を惹きつけてしまうのだ。
ところでこの映画、でかい文字で「休憩」とでてくる。(待機時間)
あと独特のリズムのBGMが伝統を感じますね。

戦国時代に生まれなくてよかったと心底思った。
戦国時代の日本、ほんとうにヤバイです。村が盗賊や野党に襲われても、警察が機能してないので、泣き寝入りするしかないんですよね。自分の家は自分たちで守るしかない。守れなかったら死ぬだけ。
ぼんやりいきていられない。油断したら死んでしまうか、売られるかもしれない。
そんな世の中ですから、日本人同士、信頼しあって生活していません。侍は普段威張っていますが、農民に落ち武者狩りに遭うこともあります。敗北した野武士は、捕虜になると農民たちに袋叩きの制裁に逢います。身内しか大事にしない。人間同士殺しあう。血も涙もない。ひ、ひどい・・

アスファルトがないので風が吹けば土埃がワーッと舞い、雨が降れば地面がぐちゃぐちゃ。宿屋ではほぼ裸のおじさんが汗水油まみれでたむろっている。清潔がモットーとされるこの令和の感覚をもってると若干きついです。正直にいえば、生々しい、不潔であります。それは写実的な描写としてGoodだと思います。

なぜかどこでも花火大会のような人だかり。これが昔の日本?
この映画あるあるで、メインキャラクターがなんかしてると、群衆が形成されて、見世物やライブのような風景になる。というシーンがよくあります。村で立てこもり事件が起きたとか、武士同士の決闘やるときとか、そういうイベントがあるとすーぐ人が100人くらい集まる。
アニメだとあんまり違和感がないですが、実写だと慣れないうちはビックリしますね。現代だって、路上ライブや大道芸やっても100人以上も集まってる場面なんか、なかなかおめにかかれないですし(個人の体験

イケメンがちらほらいる
この映画は真面目なので、あんまりイケメンや美女を表に出してキラキラはさせてないです。私もまったく期待しておりませんでした。
でもよく見ると、農民や侍の中になかなかのイケメンがいます。えへへ・・(何を言っている
みんなから、「子供だ」と言われる若侍の勝四郎が好きですね。森の中の花畑で寝転がって、花の匂いにウットリするシーンあるんです。歯が白い。侍って戦うだけじゃない。ちゃんと人間である。かわいい。

潤いの恋愛要素
若侍の勝四郎と、村娘の志乃の、ほんのひとときの、恋愛要素がございます。偶然、森の中で出会ってしまったことから、生活の合間をぬって2人で密会し、いけないと分かってながらも結ばれる・・
侍と農民。身分も育った環境も異なる2人で何を話したか気になります。
話が合うかもわからないけど、ただ偶然出会って、この人といるとなんとなく幸せだから、一緒にいる・・みたいな素朴で自然な恋の形がよかった。

現代のマッチングアプリなどで、プロフやLINEで策を練って恋を進める我々を思うと、なんかこういうのいいなあ・・と思うのでした。

え、そうなの?と思う戦闘シーン
私この映画、侍7人が無双して100人斬りするアクションシーンを期待していました。でも違った。
侍7人は指揮官であって、農民たちが竹槍を持ってメインで戦います。みんなで戦います。無双はゲームの中だけの話だよ。
私竹槍の本来の使い方をこの映画で知りました。

まさかのキャラが退場してしまう結末
声がでかく、一見ならず者な侍、菊千代。侍リーダーに憧れてもどう声を掛けていいか分からなかったり、他人の手柄に嫉妬して勝手に行動したり面白いところがある彼。侍の仲間たち、村人たちから愛されている彼。

まさか彼が終盤、散ってしまうなんて。あんまりだあーっ!
どうみても生き残りそうなキャラをしているのに・・・・看板にもなっているのに悲しすぎる。

印象に残ったシーン①:身寄りをなくした婆様
野武士に家族を殺されて天涯孤独になってしまった村のおばあさんが出てきて、「息子家族は殺されてひとりぼっち。生きていても仕方がない。早く死にたい」と話すシーンがあります。
このおばあさんだけ、雰囲気が異様でした。調べたらこのおばあさん、女優でもなんでもない一般の方で、戦争で身寄りをなくしていた方でした。本物でした。ああ・・・
私も希死念慮があり、このおばあさんと同じ感想を漏らすときがあるのでちょっと共感しました。だけど私なんかと一緒にするには重さが違いすぎますね、、

印象に残ったシーン②:志乃の嘆き
志乃が勝四郎と勢いで関係をもってしまって、父親に怒られていつまでも泣いているシーンは耳に残りましたね。
彼が好き。でも侍とは結ばれない。明日彼も自分も死ぬかもしれない。結ばれてしまったら、村で恥ともに生きなければならない。どうしようもない状況で、気持ちは理解できるので分かります。リアリティが凄かった。

昔の日本人って、こんなに明るく笑うんだ?
侍たちの前に村人たちが寄り集まって、目の前の出来事に対して歯を見せて笑い転げる。
村の子供たちも集団になって、大人たちに寄り付いて甘え、構ってもらえると笑う。
お笑いでも、大道芸やってるわけでもないのに、こんなに楽しそうに笑うんだ。彼らの純粋な笑顔に心が洗われました。

終盤の田植えシーンで、本当に嬉しそうに太鼓を鳴らして歌う農民、今でいうと歌手のような晴れやかな歌声を披露してました。

当時はテレビとかの娯楽がないので、人々は日常の人間関係の中に楽しみを見出していたのかもしれません。娯楽にあふれた現代ではもうそれは難しい。日本人の古来の姿って、こんな風景だったのかもなと失われた暮らしを見たような気がしました。でも戦国時代には生まれたくない。

結び:日本男児かっこいい。サムライになりたい。

期待通りに、かっこいい日本男児、侍を堪能することができました。

侍ってかっこいいよね。己の信念を持ち、手柄を誇らず、時には何の利益もないような仕事を命がけでこなす。孤高に美しい世界を完成させているその美がいいなぁと思います。他人に影響されない、常に自分との戦いなのです。
彼らのまっすぐで熱いまなざし、なんと素敵なのでしょうか。すこ。

侍に憧れた。私は女性で、別に武道したいとか男性になりたいとかそっちの意欲はありませんが、その魂の方向や生き様は真似ることはできると信じています。かっこいいし憧れたので、あーしが侍になるよ。

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