植物のお引越しの話

八ヶ岳の麓から海の側に越してきて最初のメルマガです。(2020,3,24に書きました)


今日は、植物のお引越しについてのお話です。

一つ目は、ラベンダー。

ラベンダーグロッソ+クリーピングタイム



ラベンダーにはいくつか系統がありますが、我が家にいたのはラヴァンディン系の「グロッソ」という品種です。

9年前に八ヶ岳に移住して、最初に購入したハーブ苗のうちの一つで、とても強くて毎年大きくなっていたのですが、植えて5年目くらいに団地のおじさんに刈り払い機で切られてしまって、かろうじて生き延びていた苗です。

苗の植え替えにはスタンダードな方法があります。

植え替えというのは、人間のお引越しと同じで、生きる環境が変わることは植物にとってとてもストレスがかかるものです。

植物は環境が違う場所に来た時に最初に何をするかというと、まず安定して生きていくために根を張ることにエネルギーを使います。光合成などは二の次です。

そのため、植物が根を張りやすい環境を整えることが大切で、肥料などはあげる必要はありません。

植物は「蒸散」と言って、葉から蒸発した水分を、根から水を吸収することで補っています。

たくさん蒸散するとたくさん根からの水分吸収が必要となります。

植え替えによって強いストレスがかかっている植物に、なるべく根からの水分吸収に使うエネルギーを少なくしてあげるために、大きく伸びている茎や葉は敢えて切ることで蒸散を抑えます。

そして、根が張りやすいように、硬い土は避けます。

ここまでがスタンダードな植え替えの方法。

だけど、植物はそれぞれ個性があるので、この通りやってもうまくいかないこともあります。

経験上大切だと思うことは、スタンダードを踏まえたうえで、植物に聞いてみることです。

八ヶ岳の我が家だった場所の庭の土はとても硬い粘土質の土で、植物にとっては根を張りやすい環境とは言えないのですが、このラベンダーは、元の家の庭の土がよいと言っているようです。

なので、敢えて硬い庭の土を鉢に入れて、そのまま植えました。

そして、このラベンダーは他の植物と一緒に植えてほしいと言っているようです。(通常、植え替えの時に寄せ植えはしません)

一緒に植えたのは同じく庭にいたクリーピングタイム。

クリーピングタイム


ラベンダーに比べてタイムはさらに乾いた土が好きなのですが、このタイムはとても丈夫で、ラベンダーと一緒に植えられることをあまり気にしていないというか、ラベンダーのことを気にかけているようです。

なので一緒に植えました。

他にも色々連れてきたのですが、一番心配していたラベンダーが一番元気にやっています。

ラベンダーグロッソ 刺し芽


こちらは、葉からの蒸散を少なくするために切ったラベンダーの葉先を挿し木にしているところ。

こちらの土には庭の土は使わず、挿し木用の市販の土を使って、少し過保護にしました。

元気なので、順調に根が伸びているのではないでしょうか。

他に連れてきた苗

セントジョーンズワート


セントジョーンズワート。この方はもう、どこに行っても元気にやっていくとわかっていました。


ローズマリー全体2

ローズマリー。前の家の庭でとても元気に育っていました。

背が高いので、植え替えて上の葉まで水分が行くかどうかわからなかったのですが(というか、通常は植え替えの時は上まで水を回すのは植物としては疲れてしまうので、ハサミを入れて丈を詰めるものなのですが)、元気だしこのまま様子を見てみようと思い、今のところはラベンダーのように切ったりしていません。

葉の先は


ローズマリー穂先垂れてる3

こちらは水分が上まで行かずに頭を垂れていますが

同じ株でも

ローズマリー穂先真っすぐ


こちらの葉の先は上まで水分が届いています。




ローズマリー穂先垂れてる


ローズマリーとしては今は戸惑っている感じもしますが、まだ様子を見ていても大丈夫な気もします。

このように、植物をよく見て対話することが大切だと思います。

ちなみに、植物をよく見て対話して種を蒔いたときのお話はこちら

https://www.reservestock.jp/randing_pages/backnumber/NjNiMmQ1YzgwZ?topic_id=1093193


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