ぴよりーの育児奮闘記「抱きしめられたい」
0歳最後の日が終わった。
次に目を覚ますと、ぴよりーのは1歳になっている。
1年前、ふにゃふにゃだったぴよりーのは、今となっては数歩ではあるけれど歩けるようになった。
ものすごい進化だと思う。
一方そのころ母は…
何も進化していない気がする。
めまぐるしい息子の成長に、母は心も体もついていけていない。
昨日こうだったじゃん!が、通用しないのだ。脳の老化だろうか。
1年ぴよりーのと一緒に過ごし、ミニ人間を育てると言うのは、想像以上に過酷なことだと知った。
想像以上に不安で、想像以上に体力勝負で、想像以上にイライラして、想像以上に涙を流す。
幸せ!楽しい!!るんるんるん!!!
と、手放しで感じられたことが果たしてあっただろうか。
あまりなかった。
ずっと白目をむいていた。
そんなことよりこの子をちゃんと育てなければ。
そればかり考えていた。
余裕のない母。振り返ると反省ばかり。あらゆるものが足りていない母。
次の1年はもっと楽しく考えたい。できるだけ。
ぴよりーの。まもなく1歳。
ありがとう。おめでとう。いくら言っても足りない。
それでも母にはそれしかできない。
足りないけれど、たくさん言おう。
ありがとう。おめでとう。
母ちゃんもっと頑張るよ。
ぴよりーのが1歳ということは、母も1歳。
と、そう考えると誕生日ということになる。
今、何が欲しいだろうか。
物欲が湧いてこないので物はいらない。
けれど、誰かに抱きしめてほしい。
夫さんではちょっと違う。もっと、広く薄く平らな気持ちで誰かに抱きしめられたい。
そんなよくわからない精神状態の母。
早く寝なさい。