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【夢を持つことの大切さ】Eps.2

一週間後,僕は合格発表の日があったため,毎日どきどきしながら結果を待ち望んでいた.そして当日,親は学校へ先に行き僕は学校があったため,あとで知ることなった.

『受験番号5090』の番号を貼り出された紙に見つけ,僕は喜んだ.同じ中学校の友達も何人か受かっていたが,当時の僕のクラスは,僕だけが受かったそうだった.その友人は学力試験を通して入学することができたため,僕は彼にお祝いをした.

推薦入試が通るとその数日後に,入学までにしておく課題のようなものを課された.いくつかの選択があり好きなものをすればよいということだったので,僕は『割りばしを使った橋をつくろう』という課題を選択した.早速作ってみようと割りばしを用意してボンドを使って接合していった.ただ,うまくボンドが乗らなかったり,固定がうまくできておらず歪んだ橋になってしまったり,やり直すこと3回目.ようやく完成した橋は4時間にしてはなかなかのものだった.課題はその橋に錘を吊るし,何 g まで耐えることができるかというものであったが,吊るす錘で適当なものがなかった僕は,鉛筆をいくつも束にして量りで測って調節した.

何度やっても壊れる気配がない橋は,コップの重さまでなると破壊した.さすが高専,なぜ壊れたかであったりどういった考察ができるかを問い,考察をかかせてきた.僕はボンドがはがれているのに気付いたため,それについて妥当性のありそうなことを説明した.

2月の半ばで結果が分かった高専組(僕の中学校ではなぜか学校が決まるとその人たちをまとめて○○組と呼んでいた)は気さくに遊んでいる人もいれば,学校の授業をまじめに聞いてちゃんと勉強している人もいればと様々だった.僕はといえば相変わらず真面目でクラスでも目立つような人間ではなかったため,受験が終わってから高専で取り残されないように高校数学ではおなじみのチャート式数学(の白)を買って進めた.はじめはすごく難しい問題だと思っていたが徐々に分かってくるようになり,応用もできるようになってきた.ここで一旦,学年末試験に向けて勉強を再開だ.この時もまだ塾には通っていたため,勉強する環境は整っていた.

僕の学校では学年末考査とよばれるそれが始まって,一週間.テストが返却された.いつも通りのテストの結果だろうと思っていたがその結果はダメだった.英語が65点と過去最低点をたたき出した.過去分詞とよばれるよくわからない文法を習ってから,英語が嫌いになってきた.その結果もあってか,テストでも勘に頼っていた問題が多かったのだろう.なにはともあれ中学校最後のテストも終わったしあとは無事,卒業するだけ…のはずだった.

そう,得体のしれないウィルスが出てくるまでは.(Eps.3へ)

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