【北欧建築旅】Day3-4_アアルト巡り②_ユヴァスキュラ

Day3_ ユヴァスキュラ

　バスが行ってしまった......ヨーロッパのバスは、日本とは違い、手を挙げなければ止まってくれない。田舎町、誰もいない道路にひとり、1時間に1本しかないバスを待っていた私は、バスが目の前を通り過ぎるたった5秒間の間で、手を挙げることを忘れてしまった。バスは爆速で通り過ぎた。しかたがないので、歩いて駅まで向かうことにする。北欧は自然が豊かだ。ちょっと大通りを外れれば、そこらじゅうに森が広がっている。

　今日は2箇所のアアルト建築を予約してあり、1つめの建築は12:30からの予約になっている。アアルトのセイナッツァロ町役場・実験住宅は、ユヴァスキュラ駅から1時間ほどバスで南下した所の島にある。このバスも、1時間に1本くらいしかないという情報を得ていたので間に合うかだいぶ不安だったのだが、Googleを信じてなんとか辿り着いた。

　セイナッツァロ町役場。開始の30分ほど前だが、ちらほらとツアー参加者らしき人々が建築の周りをうろうろしている。その中に、日本人も1組いるようだ。外は自由に見学できそうだったので、写真を撮るなどしていた。中庭に入れば、住宅のようなスケールで、その地形に登る経験と合わさって、とても良かった。あっという間に集合時間になった。

　英語での解説にありがたみを感じながら、人生2作目のアアルト建築に再び感動する。後にアアルト大学などの大きな建築を見ることになるが、アアルトはこのくらいの規模が個人的には好きだ。この建築は、この旅のなかで上位に入るくらいには良かった。

　ツアーが終わると、次のバスまであと30分ほどしかない。ツアー後は自由に見学可能とのことで、議会場に戻る。大きな扉を閉めると、一気に暗くなり、この空間にもたらされる様々な光を感じられる。この空間に感じる大きさと、中庭に感じるちいささが、ひとつの建築で同時にあることに驚きを感じる。

　しかし、感動に浸っている時間はない。スケッチしたかったのをあきらめ、バスが来たので慌てて乗り込む。バス停で待っていたのは、私の他に先ほどの日本人夫婦が1組のみ。梯子する人はあんまりいないのか...と思っていたら、その後の停車駅で、続々とさっきいた人たちが乗り込んできた。

　実験住宅に到着。こちらの方は住宅なので、ツアー開始までは門の前で待つことになる。　
　まだ時間があったため、先ほどから一緒に移動していた日本人夫婦に話しかけてみた。やはり彼らもアアルト巡りをしているらしく、ここに来る前はセイナヨキという街に行っていたらしい。そこにもアアルトが手がけた都市計画があるとのこと。当初の計画ではタンペレを1日観光しようとしていたのだが、そこから1時間ほどで行けることがわかったので、急遽計画を変更することにした。いつもなら詰め詰めのスケジュールにしているので、予定を変更できる余地なんてないのに、本当にたまたま、アアルトの見学スケジュール的に1日空いていたのだ。ラッキー。そして、出会いに感謝。

　そして、実験住宅の見学をする。小屋はサウナ。

　その後、実験住宅を見学し、帰路につく。今日もスーパーのご飯です。ニシンのハンバーグが下に入っていました。

Day4_ ユヴァスキュラ

　午前中はアアルトミュージアムへ。この建築もアアルトによるものだが、建築に対する感動は正直いうとなかった。模型や図面、スタディ過程などを見ることができたのが良かった。

　その後、ユヴァスキュラ大学に向かう。めちゃくちゃ感動したかといえば、昨日の方が良かった。とはいえやはりアアルト。良い。

　恐らくプール（外観のみ）

　めちゃくちゃ感動したものはといえば、学食である。恐らくフィンランドでは、学食がとてつもなく安い。学生であればたったの3€で、バイキング形式のランチを楽しめる。私は今回、ここでしか学食を食べる機会がなかったけれど、ユヴァスキュラ大学だけではなく恐らく色々な所で同じ価格でやっていると思われる。フィンランドの物価を考えたら破格だ。素晴らしいと思う。（そして聞いた話によれば、その他の面でも学生への金銭的環境的待遇がかなり良いそうだ）
　ここの所昼食を抜いたりなどしていたのもあり、お皿に盛れる限りたくさん盛った。大満足。なぜか照明が紫色なのが気になるところではあるけど。

　電車に乗り、タンペレに戻る。

　まだ時間があったので、フィンランドで一番美味しいと噂を目にしたドーナツ屋さんに向かう。ただし、またしてもお金がないので、40分かけて歩いた。シナモンロールのドーナツ版、と言ったら良いだろうか。カルダモンとシナモンが美味しい。

　40分かけてまた戻り、タンペレ名物のブラックソーセージを食べる。あまり好みの味ではなかった、ような気もするし、美味しかった、ような気もする。とりあえず食べたことのない味だった。マッシュポテトとリンゴンベリージャムが美味しかった。お昼の学食の５倍くらい美味しい。この組み合わせ、最強。今日はけっこう食べたな。

つづく