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本【学力の経済学】から学んだ3つのこと


ほいくえんでは保育所保育指針
ようちえんでは幼児教育指導要領をもとに
保育をしています。

その指針や指導要領の根拠って
なんだろうと考えたことはありますか。

根拠って言われてると、
言葉につまるところがあるのでは…
(私も自信がありません…涙)

経験論や昔からやってるからなどで
語られることが多い印象があります。

いまいち胸を張れない保育や教育の根拠を
この本は科学的根拠に基づく教育の大切さを
教えてくれました。

「学力」の経済学

著者 中室 牧子(教育経済学者)

子育て中の方は
親や子育ての先輩たちから
「子育てって〇〇よ〜」「〇〇した方がいいよ」などと教えてもらう機会も多いと思います。

これも「なぜ?」となると
経験上理由は圧倒的に多い。
経験上の理由といわれれば
たしかに信頼できる。

けれど本当に正しいのかは分からない。

子育てや教育に
正解が必ず存在しないのかもしれないけど
その根拠は何だろう。
根拠なく子育てや保育教育をしていくことで
その子どもたちの未来は幸せなのか。

そんな思いになった。

それらの疑問に科学的根拠を
もって教えてくれる心強い本でした。


前置き長くなりました。
本の内容から3つのことに絞ってまとめました。
(私自身の意見感想も入れてます)

=====

◎褒める
◎教育(人的資本への投資)
◎なぜ科学的根拠が必要か

◎褒める

子どもを褒めると良いというのは
色々なところで聞きますが
 褒め方が大事 とのこと。

何でもかんでも褒めるのは逆効果。
根拠のない自信をもった人になりやすい。

《 能力よりも努力を褒める
具体的に子どもの達成した内容を褒める 》

「何かを学ぶこと」「努力をすること」
「挑戦しようとすること」へつなげるために
行動を褒めることは重要だとあります。
それによって子どもの良い行動が増えて
良い結果に結びつきやすくなる。

能力を褒めてしまうと、
これらはゴールにならない。

私はついつい「いい頭だね」なんて
子どもを褒めてしまうことがありますが、
具体的にどんな努力は良いのか、
何に対してどのように良かったかを伝えると、
子ども自身も分かりやすいですね!


◎教育(人的資本への投資)

教育には収益率を考える現実感覚をもつ。

これはどういうことか。

子どもへの教育を投資と考えると、
子どもの将来の収入は、
自立した生活を送るためのものになる。
それはどれくらい高くなるのかを
教育の収益率として数値化するとのこと。

それなら
子どもにとってどんな教育がいい?

実は学齢が高くなるほど、
人的資本の収益率は下がるいっぽうだけど
就学前の収益率はもっとも高い。
人的資本への投資は就学前の子どもたちに
おこなうべきとあります。

※人的資本…人格形成、体力、勉強など人間が持つ知識や技能の総称。
人的資本の収益には「教育を受ける喜び」などの非金銭的なものも含めて考える。


就学前教育を受けた子どもはIQが高くなり、
その後の人生に続く効果がある。
それは 社会全体にもよい影響がある ということ。

それなら、
読み書き計算をやらせたり、
学習塾に通わせたりして
認知能力を身つけるためにお金や時間を
使えばいいのかというと、
そうではなく…

非認知能力を身につけることに
お金や時間を使うことが重要になる。

認知能力…IQや学力テストで計測される能力。
長期的に継続するものではない。

非認知能力…気質や性格的な特徴ようなもので「やり抜く力」「自尊心」「自制心」などの目に見えない能力。人生の成功において極めて重要であることが研究で分かっている。

就学前教育に
非認知能力を身につけることで
人的資本投資の収益率が高くなる。

教育を 人的資本への投資 として考える。


◎なぜ科学的根拠が必要か

日本の教育には科学的根拠が必要という考えは
ほとんど浸透していないようです。

アメリカの科学的根拠に基づく教育政策では
「どういう教育が成功する子どもを育てるのか」ということを科学的にはっきりさせる試みになっているとのこと。
その内容を以外3つ書きました。

・教育の効果を数字にする
・原因→結果という因果関係をはっきりさせる
・因果関係や効果をはっきりするために実験する

人によって見方が変わる主観や
経験に基づいた考えではなく、
科学的根拠をもって教育の政策を
考えようと提案しています。
教育以外の政策では、
数字によって効果をはっきりとさせている
政策もあります。
教育もその必要性があることを示しています。

経済学者が教育における実験について
本の中に詳しく書いてありますので、
ぜひ読んでみてください。

結論

◎褒める
褒め方が重要。能力より努力や行動を褒める。
◎教育(人的資本への投資)
就学前教育に非認知能力を身につけることで、その後人生において持続する良い効果がある。
教育を 人的資本への投資 として考える。
◎なぜ科学的根拠が必要か
単なる主観や経験だけではその効果は保証されない。客観的な数字や因果関係を明らかにするための実験を行うなどして、その規則性を重視する。


無理やり3つにまとめてみました…
自分なりの解釈もけっこうあります。
興味深い内容が多かったので
(ゲーム、ご褒美、教員の質、勉強 etc )
まとめることが少し難しかったですが、
大事なことがたくさん書いてあるある…
なので、ぜひ読んでみてください。

保育教育に携わる方や子育て中の方に
おすすめします^^















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