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【短期集中連載】落ちないための二回試験対策

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【短期集中連載第12回】落ちないための二回試験対策 刑裁(ライト版)

 短期集中連載として始めたnoteもひとまず今回で最後です。今回も時期が時期なのでライト版でご容赦いただければと思います。

1 出題傾向と基本対策 刑裁起案は①事実認定or法的評価起案と②公判前整理手続や公判における手続関連の小問2~3個程度が出題されている傾向にあるといってよいかと思われます。

⑴ ①について

 刑裁のメインとなる起案は,❶犯人性・盗品知情性・故意などの事実認定を問う起案と

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【短期集中連載第11回】落ちないための二回試験対策 刑弁(ライト版)

 二回試験前半戦が終わりました。大雑把な感想としては,書き方の作法と時間配分だけきっちり管理しておけば,(成績はどうあれ)不合格回避はよっぽど大丈夫だろうなという印象を抱きました。骨組みは比較的やさしめなものが多いですが,肉付けを具体的に構成,認定していこうとするとよくわからない…というような事実関係,証拠関係であったように感じます。

 雑感終わり。刑弁編です。

 刑裁・刑弁については検察対策

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【短期集中連載第10回】落ちないための二回試験対策 民弁② 具体的戦略(例)

 民弁2回目です。今回も参考までに個人的な戦略を書き連ねていきます。だいたい検察や民裁に重複してくるのでだんだん説明が簡素になっていきます…。

1 時間配分 民弁も例に漏れずまずは小問をさっさと終わらせ,主張書面起案の時間を確保することになります。言い忘れましたが起案は設問ごとにページを改めることができるため(刑弁などは設問ごとにページ変えろと指示している場合もあります),小問が後の設問であって

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【短期集中連載第9回】落ちないための二回試験対策 民弁① 主張書面の構成

 検察・民裁の豊富な資料を使って刑事系・民事系の基本を押さえてしまえば,他の科目はそこまで苦労しなくて済むはずですので,第9回以降はかなりあっさりめになると思われます。あらかじめご了承ください。

 第9回,第10回で民弁をさらっと確認していきます。民弁はおそらくもっとも楽な科目といえますが,主張の構成に手間取るとあっという間に時間を浪費してしまう点が個人的に怖いです。

1 出題傾向と基本対

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【短期集中連載第8回】落ちないための二回試験対策 民裁③ 具体的戦略(例)

 民裁ラストは参考になるかわからない個人的な戦略を載せていきます。何かの参考になれば幸いです。

1 時間配分 当日の時間配分については,民裁はこれまで確認してきたように主張整理問題と事実認定問題が半々くらいで分かれているうえ,主張整理問題は第2分類に入る前段階,第1分類の主張書面だけで解答することができるため,要件事実で沼らない限り時間の目安はつけやすいように思います。具体的には,

①午前中(

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【短期集中連載第7回】落ちないための二回試験対策 民裁② 事実認定

 さて,民裁の一番の難関?と思われる事実認定をなるべく簡潔に確認していきます。
 民裁の事実認定は書き方の枠をしっかり頭に入れておくことと,記録中からなるべく多く事実を拾ってきて上手に並べることが重要です。

1 書き方解説② 事実認定 民裁起案では指定された争点に対して事実認定を行います。争点が複数ある場合には,起案要領が何らかの絞り込みをしていなか改めて注意しましょう。だいたいのケースでは検討

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【短期集中連載第6回】落ちないための二回試験対策 民裁① 主張整理

 今回から民裁3連発です。試験的には2日目の民弁が先にあるのですが,第1回で触れたように民裁を先に押さえた方が応用が利くと思っているので,先に民裁から触れていきます。民弁間に合うかしら…。

 何度も触れていますが直前期であるため内容はわりとざっくり必要最小限です。細かい詰めの部分は試験後にぼちぼち更新していくことになるかと。まあ,「落ちないための」というタイトルをつけることによって,高度な解説を

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【短期集中連載第5回】落ちないための二回試験対策 検察③ 具体的戦略(例)

 一日に何本更新するんだという感じですが第5回です。これまでは検察起案の書き方について一般的な部分に多少(?)個人的な発想を交えながら簡潔に記載してきましたが,今回は検察起案当日の流れ,動きについて個人的にこういう方針でやっていこうと考えているものを提示していきます。これまで以上に多分に個人的な見解を含むものになるため,あくまで1つの例として参考までに読んでいただけたらと思います。

1 時間配分

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【短期集中連載第4回】落ちないための二回試験対策 検察② 供述の信用性ほか

 引き続き怒涛の各論ラッシュです。今回は供述の信用性以下を取り上げます。

1 書き方解説② 供述の信用性 事実認定の際に誰かの供述を引用して認定した場合には,基本的に供述の信用性の検討作業が必要です。信用性検討については『検察終局処分起案の考え方』や『刑事事実認定ガイド』などに詳しい説明があり,全要素検討しなければならないのかと思いがちですが,講評を見ている限り,検察起案においてはポイントになる

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【短期集中連載第3回】落ちないための二回試験対策 検察① 間接事実の組み立て方

 今回から怒涛の各論ラッシュです。まずは74期二回試験の1日目にある検察から。第1回でも触れましたが,刑事系科目全般の対策としても検察起案のマスターは必須です。



1 出題傾向と基本対策 検察起案の出題形式はほぼほぼ①終局処分,②思考過程,③刑事手続小問で固まっています。

⑴ ①終局処分

 記録を読んで起訴相当と考えた場合には公訴事実,罪名,罰条を,不起訴相当と考えた場合には記載すべき事

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【短期集中連載第2回】落ちないための二回試験対策 総論② 致命傷を避けるための基本戦略

※前回の投稿から大幅に日数が経過してしまいすみません。なんとか二回試験に間に合わせます…笑。



1 第1回の訂正前回の記事で二回試験不合格の際の流れについて,こちらから退職願を出すらしい旨記載しておりました。確かに過去にはそのような運用になっていたらしいのですが(参照:https://www.snowstarinstitute.org/mail/ など),現在はそのような運用ではなく,不合格

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【短期集中連載第1回】落ちないための二回試験対策 総論① データでみる二回試験と基本戦略

1 本連載について本連載は司法修習の最後に行われる二回試験を確実にクリアするための対策について,修習中に筆者が周囲から得た情報などをもとに編成し(,自身の学習の偏りや少なさを正当化しようと試み)たものです。表題としては二回試験対策ですが,中身は各科目の起案対策が主であり,それぞれ最低限の書き方や対策(として筆者がまとめ,実施したもの)を示していきますので,修習の各段階で行われる起案の対策にもなると

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