ブックレビュー『女子と貧困 乗り越え、助け合うために』

日本はこんなに貧困世帯に冷たい国なのか。

原発事故母子避難、シングルマザー、キャバ嬢、生活保護世帯の女性といった貧困問題を抱える20~60代の8人への取材をもとにした書下ろし本。政治活動家でもある著者のユーモアと鋭い視点で女性たちの生き様を読み取れる。


生活保護世帯は貯金や高等教育への進学が推奨されない、たとえ子どもがアルバイトで稼いだとしても収入として没収される…その実態に衝撃を受けた。

OECD加盟34か国中17か国で大学の学費が無償、その他16か国で公的な給付型奨学金があるなか、日本だけがどちらも実現されていない。

日本はまさに「教育は自己責任」のスタンスだ。この考えを根本から変えなければ、貧困の連鎖は断ち切れない。

17年度国家予算で防衛費が過去最大と聞いたが、もっと予算を確保すべきところがあるのではないか。


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