東大英語4Aの攻略(確率編)

 まず最初に、何もしないで得点を稼げるほど入試は甘くないです。でもその中でも得点は最大化できるはずです。
 4A対策を放置している人は多いと思います。私もその一人ですが、今回は4Aについての私の見解と、どのような順列(選択肢の答え方)が最適なのか、4Aをできないなりに考えてみたので、同じような境遇にある方にはぜひ参考にして欲しいです。
 以下の①から⑤に分けて話をしようと思います。(結論だけ見たい方は④の最後を見てください)
①4Aを捨てるメリット・デメリット
②過去問、模試等にみる選択肢割合
③割合と問題作成者側の心理の考察
④最適な順列
⑤注意事項及び補足

そして以下は私が過去に書いた記事です。よければこちらもご覧下さい。

①  
 まず捨てるメリットについては明白で、時間的切迫性の高い東大英語において真剣に4Aを解いた場合と比べ、10分ほど余裕が生まれます。この時間で他の問題を解いたり、より推敲をしたりと10点以上の点数を取れる可能性は大いにあります。さらには4Aを勉強する時間も省けると考えれば、他の教科で点数も稼げる可能性までできます。
 しかし世の中いいことばかりではなくデメリットもあります。1点幅に30人ほどいると言われる入試において、4Aを丸ごと捨てるというのは、たとえ、上記のようなメリットを把握した上でも、精神的負担にかかる可能性があります。さらには捨てるという行為自体が東大入試の要求してることを拒否していることになりかねず、実際4Aから学べることもあり、自分書いた英作の点検にも役立ちます。
 このようにかなり悩みどころがあるので、捨てるかどうかは個人の判断によると思います。以下は捨てる人向けに書いています。(もしくは解いてて迷った時)



 次に選択肢割合を示します。より分析を正確にするため、東大本試、東大実戦、東大オープン、河合塾東大英語テストゼミの4つで調べました。(最近の4Aの形式のもののみ対象としました)
駿台はサンプルを2つしか取れなかったので、塾というカテゴリーで河合塾とまとめました。

塾(サンプル数8、東大実戦+東大オープン+河合塾テストゼミ)
a 17.5%
b 17.5%
c 30.0%
d 17.5%
e 17.5%

東大本試験(サンプル数7)
a 14.2%
b 20.0%
c 20.0%
d 25.7%
e 20.0%
(割り切れないものは四捨五入値)

総合
a 16.0%
b 18.7%
c 25.3%
d 21.3%
e 18.7%


 まず塾の方はcが他に大差をつけて、他は同じ割合となっています。一方、東大本試ではdの多さが目立っており、さらにaの少なさが目立ちます。総合では、cとdが強くその中でもcが強いです。
 ここからは推論の域になりますが、まず4Aの作成手順としては教授または塾講師が文章を読んで問題を作れれそうなとこをピックアップしていきその上で文を分けて5つの問いになっていると想像できます。その際人間心理として最初のaに答えは置きたくない。最後もちょっと違う。その結果c,dが多くなる構図かと思われます。
 では塾と本試験の違いはなぜ生まれるのか考えると、おそらくそれは選択肢の不均一さの修正を行なっているかによるのではないでしょうか。いわゆる冠模試は一年前もしくはそれより前から作られものであると聞いたことがあります。少なくとも出題ミスなどに出会ったことはなく(共テは本番でさえそれなりにあったのにもかかわらず)、かなり力を入れているはずです。
 一方東大では不均一さが残されています。これは東大教授が問題作成を優先し、修正をあまり行なっていないからだと思われます。 



 では最適解について考えていきます。まず並べ方の種類を限定したいと思います。
I 全て同じ文字
II 複数の文字
結論から言うと私はIが優れていると思います。Iの場合簡単に例えると、おみくじ機が5個(5個の設問に対応)あって、ともかくどれでも特定の同じ文字を引けばいいと言った感じです。一方ここに他の文字を含める、すなわちIIでは、並べ方の差異が生じます。こうなると、ともかくある同じ文字を引けばいいと言うのではなく、ある文字をあるおみくじ機で引かなければいけなくなり、Iよりも困難であるのが定性的に分かるはずです。以下Iで考えます。さらに東大本試のみのデータを参考にします。
 以下東大本試の選択肢パターンおよび全部同じ文字をマークしたと仮定した東大本試での点数です。

 選択肢パターン
2023 d a d b b
2022 c e b d a
2021 e d c c d
2020 c c b e b
2019 a d c e e
 仮想点数
a 2点3回、0点2回 平均1.2点
b 4点2回、2点1回、0点2回 平均2点
c 4点1回、2点3回、0点1回 平均2点 
d 4点2回、2点2回、0点1回 平均2.4点
e 2点4回、0点1回 平均1,6点

 大前提として6点以上を望むなら勉強した方がいいです。(第一、全く頭を使わずに10秒で2,4点取れるならかなりいいはず) 上に問題の修正をしていないと書きましたが、さすがに3個同じは自然に避けられているように思います。(今までやった4Aの中で同じのが3個あったのは、第一回東大実戦のc3個しかなく基本ないと思うべき)そこで2点ないし4点(できれば4点)を今年確実に取れる順列を考えます。
 まず0点の可能性が高いa,b(去年はa1個b2個なので尚更)は論外。そして重要なのが去年dが2個あること。いくら過去の傾向から強いと言っても、2年連続2個以上はどの文字もなく、避けた方が無難。残るはcとeですが、人間の心理として、中盤あたりに出会ったものを最もいいと感じがちです、つまり教授が作った場合cが自然と多くなるのではないかということです。さらにeが多に理由については、最大2点しか取ったこたがないのを見ても、一個ぐらいe入れとくか、くらいの心理で入れているのではないでしょうか。

〈結論〉
 従って私は今年0点の確率が低く、得点の爆発力もあるcccccが良いと思います。

 ですが、これでは得点の上限がどうしてもあります。世の中甘くないと言うことなのです。しかし正直渋い感が否めません。私も6点くらいはいけるのでは、と考えていたので物足りないです。そこで4Aに10分は避けないけれど、6点以上は取りたい人向けの折衷案的なのを考えてみました。これに物足りなさを感じる人はそっちを参照して下さい。(そっちでは4Aに対する正当な分析を含むので、捨てようと思っている人もみることをすすめます)

⑤注意事項及び補足
申し訳ないですが、私はTLPが欲しいのと、普通に得点不足の窮状にあるので、腹を括って4Aをしっかり対策します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?