東大英語4Aの攻略(実力+確率編)

 今回は以下の3つに分けて話します。(4Aが得意な人からみたら、笑われたそうな内容かもしれないですが許してください。あと過去問が含まれてるのでその点も注意)

①4Aに対する誤解と真実
②設問分析
③実戦的解法
④最後に



 前回ので確率にあまり希望がないことは判明したので、ここからは私も含め10分はかけれないけど6点は欲しい人向けの策を考えます。これを考えるにあたって、これまで受けた東大実戦・オープン計4回と東大本試3回を時間無制限で試しに解いてみました。(大体11分くらい?)それにより分かった自分の抱いていた誤解と実際とは以下の通りです。

 〈誤解〉
些末な知識が要求されるだけで得点効率が悪く、いくら勉強してもきりがないのではないか。

 〈実際〉
解答に必要な知識は特別高級なものではなく、普通の受験生ならば持っているはずのもので、しかも割と同じネタもでる。

 じゃあ得点はどうだったのかと言うとほぼ全て6点です。(例外としては、東大本試2016は10点だったが自信を持てたのは6点なので実質6点、第一回東大実戦はなぜか4Aを一度復習していたため8点)
 ではこの6点分は何かというと、後述しますが典型題で知識がそこまで必要ないものです。逆に落としてる部分は全て、気づきにくかったり言われればそうだけど、みたいな(やはり高級な知識はいらないものの)難しい問題です。裏を返せばほぼ全ての4Aで適切な方法で解けば解ける問題が含まれていると言うことなのです。
 しかしじゃあ本番も6点ゲットかと言うとそうはいきません。まず10分くらいかかってますし、何より自分の得点できる設問が前半の設問になっているとも限りません。そこで以外設問分析と前章のデータと適切な解き方とを組み合わせて6点あわよくば8点以上を取りに行く作戦を考えます。


 まず出題意図について考えます。単に文法を問いたいなら、よくある4択の穴埋め問題にすれば済みます。しかしそもそも文法問題のために作られている訳ではない普通の英文から出すのは、東大が受験生に英文を校閲する能力を求めているのではないでしょうか。例えば入学後の英語で論文を書く作業などを想定しているのかもしれません。これで取るに足らない些末な知識を問わない理由も説明がつきます。普通の英文で人間がしうるミスを指摘しろと言うことです。

 次にあまり気にしなくていいのですが、どういう種類の誤りがあるのかを確認します。
①余分、関係代名詞とか
②不足、三単現のsとか
③形がちがう、副詞と形容詞、現在分詞と過去分詞
④順序が変、否定による強制倒置を考慮していない
⑤文法的には正しいが文脈に沿わない 
etc

 次が1番重要で、よく問われる間違いです。あまり分類しすぎると運用が非現実的になるので、品詞などのレベルで分けました。解いてみて感じた重要度が高いやつほど★をつけています。(★〜★★★)あと分かりやすよう例も付してあります。下線の前あたりからざっと読んで貰えばいいと思います。

〈文構造における誤り〉★★★
そもそも文型が破綻している場合です。特に関係代名詞関連で破綻してる場合が多くみられます。読んでて強烈な違和感を覚えるので見つけやすいのですが、やはり関係代名詞でカモフラージュされていて急いでいると見落としやすいです。

東大本試2017

これは分かりやすい。itのせいで壊れています。並列関係でもあるので見抜きやすい。

 〈動詞の誤り〉★★★
死ぬほど出ます。毎年必ず一個はあります。第一回東大実戦では作問チーフが狂っているのか同じようなのが一つの4Aで2つ出ていました。動詞関連はその中でも種類があるので番号で分けます。

①三単現のs
基本中の基本ですがやはり見落とします。sを抜くならまだしも付ける場合はかなりきついです。下の例なんかは急いで確認すると100%間違えます。

東大本試2023

直前だけ見てandで繋がれてる→createだと思うと引っかかります。私も引っかかりました。あくまでも主語はThe coexistenceですのでcreate”s”です。

②受動態・能動態
これは本当に本当に飽きるほど出ます。東大はまだ控えめにしてますが、それでも一年に一個は出ます。まず動詞が出てきた時点でそれが分詞であろうと通常の動詞であろうと、意味上の主語は何か、能動態か受動態か他動詞なのか自動詞なのかを考えます。基本それで済みます。これは意識するだけで、すぐ見つけられる。


第一回東大実戦
第一回東大実戦

まず上ですが過去分詞ということになっていますが、意味上の主語のan intellectual legacyはguideする側なので現在分詞の誤り。
下はsufferは自動詞でSheはsufferするので誤り。このsufferは結構擦られそう。
またよく出るのが次の3題。

第一回東大オープン
第二回東大実戦
東大本試2017

1番上は意味上の主語がweでloseする側なのでHaving lostが正しい。これは文章中にあったら絶対引かれるタイプ。完了形が絡むと過去分詞の形になっていても不思議さが減るため間違え確率かを上がるので注意。

真ん中は文章中にあったら間違いなく下線を引かれる。ぜひ経験しておきたい。refer to A as Bを受け身にしたらA is referred to as B となる。to asが連続するのが肝で、なんとなくOKそうと思いがち。真ん中のはasが抜けている。ちなみにThe a ideaはreferされる側で受け身でOK。

1番下もよく見る。apply A to B でAをBに適用する。apply for A でAに応募する、との違いに要注意。あとA apply to B でAがBに当てはまる適用される、もあり本当に注意。1番下はtermがworkに当てはまるのではなく、termをworkに適用するのだからby applying “it” to a workにしなきゃだめ。

他で今後出題を個人的に予想しているのはused系で
A is used to do〜 Aは〜するのに使われる。
A is used to 名詞(doing) Aは〜するのに慣れている。
A used to do Aは(今はしていないが)かつて〜していた
などかなりありそう。

他は紛らわしい以下のような自動詞と他動詞など 
(公開していいのか分からないけど非営利目的だから多分大丈夫)

動詞の語法

③仮定法・直説法、完了形
仮定法とかは帰結節になってるところが普通に直説法になっているなど今後の出題があるかもしれません。なお完了形については以下。

東大本試2022

時関連のsince と過去形の組み合わせは気持ち悪いですね。have beenが正しい。

以上動詞です。どれだけ重要かこの内容の多さで分かってもらえたと思います。

〈名詞の誤り〉★
こいつは曲者、難問率が高い印象。まず名詞には単数形と複数形、可算名詞と不可算名詞、さらには冠詞まで。なので以下では今後も出題されそうなものをさらっておきます。
まず可算不可算

東大本試2022
第一回東大実戦


上は時代という意味でのtimeなので可算になるのでtimes。当然私は間違えました。思いつかなくはないけどー、と言った感じです。この年は他にこれ以外で、3個取りやすいのがあるので、これは分からなくても実戦上はしょうがないですかね。

下のやつはof複数形なので正解したい。頭に意識してないとかなりの確率で見落とすが、これは頑張って正解したい。


東大本番プレテスト2023

これは私は読んでて、ん?、と違和感を覚えたが、どうでしょうか。前の内容からdisciplineかを特定のものに定まるので、theが入ります。正直この手の問題は明らかにtheじゃなきゃダメだよね、というくらい解釈の余地を残さないレベルじゃないと出題できないので、逆にわかりやすくなっているのかもしれません。

 〈副詞の誤り〉★★
もうこれは形容詞と副詞の判別で思っていいのではないかと思います。結構でるし簡単なので穴場かも。

第二回東大オープン
東大本試2023

上ですが最初見た時少しどきっとしました。冷静に考えればimperfectという形容詞があるのだからimperfectlyは副詞以外ありえないので上はimperfectにしなきゃダメです。私がここで思い出したのはlyをつけた場合形容詞と副詞になる2パターンがあることです。通則は以下
名詞+ly=形容詞、orderly、friendly
形容詞+ly=復習、beatifully
しかしこれは通則で例外もあるそうですが、調べてみましたが、キリがなさそうです。(kindlyは形容詞など)なので自分で副詞か形容詞かの判別がつかないものには上の通則を適用。正直このくだらない例外を東大が出すとは思えないので、それをする時間があるなら反応式一つでも覚えた方がマシかなと思います。

〈前置詞の誤り〉★
これも面倒です。なぜならbe disappointed atのように色々な前置詞が付ける場合があるからです。これは4A全般に言えることですが、誤りでない選択肢をこれは絶対正しい!と思えることが少ないです。つまり消去法では解きにくいということでもあります。しかし正解の選択肢には明確な根拠があります。見たことないけど存在するかもしれないなー的な選択肢は何かのマークでも付けといて、その設問で他に候補がなさそうならそれかなー、と言ったふうにするのが実戦的かと思います。あとは正直難解な知識は要求されないので、例えば動詞loadの目的語にどういう種類のものが来るかとは聞かれないので、もし下線かをあっても、先述のようにマークつけるくらいでいいかなと思います。
 ですが誰でも知ってる名詞の基本コロケーションとかは覚えておいた方がいいです。これはともかく英文を読むとか鉄壁読むとかで身につくはず。5の総合問題でもかなり役に立つはず。

東大本試2023


これはimpact はonだよなーって思いながら他を見てくと、他が無さそうなのでこれかなと言った感じです。
 それではいよいよ実戦でどうするか考えていきます。


 説明の都合上まず私の東大英語の4A以外の解く順番を説明します。()ないは所要時間
2Aのテーマだけ見る→4B(10)→2B(3)→2A(9)→1A(16)→3下読み(7)→3(30)→5(25)→1B(20)
ご覧の通りキツキツです。私は2Aを3分、5と1B合わせて7分は削れるはずと思っています。

 これを読んでいる人は4Aを捨てていると思うのですが、6分はください。そしてその6分はまとまってなくていいし、むしろ分散している方がいいです。おすすめとしてはリスニングの前と後に2分ずつ4Aに割き、最後の2分も割くと言った感じです。割ければ割けるだけいいのですが無理に割いて他の大問の質が下がるのは避けたいです。
 なぜ分割する方がいいと思うかというと、正直個人的に一気に5人の相手をするのはキツイ気がします。2分で10行の中から誤りを指摘する方が気が楽な気がしませんか。そして目標は、難問を解くことではなく回収すべき問題を回収することなので、2分を超過した時点で、難しい設問だったのだと割り切ってcを塗りましょう。(確率編参照)
 さらに先ほど述べたように、正しいことを確認しながら進めていくという意識だと時間がかかるので、どちらかというと誤りを見つける姿勢で、②で紹介したような箇所に反応しながら確認していくと良いと思います。目標としては取るべきものを2,3回収し確率で2点を得て、6点から8点を狙うあたりでしょう。 
 あと一日一回30分1Aを解いて解説確認というだけでも十分演習は積めますし、文章も割と言語学など東大が他の設問であまり出さない堅い文章が多く、面白いです。オススメは今まで受けた東大模試4回分くらいの4Aを解いて頭の動かし方を確認して、過去問を実際にやってみるという感じです。


 実際上の解法のもと、2分ずつ区切り10分で4Aの演習を五回ほどやったのですが、やるだけ伸びている感じがします。いい時だと動詞で3完してあと頑張ってちょっときつめので1完すると言った感じです。あと初めて10点も取れてやはり勉強と分析は裏切らないのだと実感させられました。2/26の夜皆さんからの4Aの得点報告を待っています。長文読んでいただきありがとうございました。

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