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東大理三面接体験記

 先日、東京大学理科三類の面接を受けてきました。かなり謎に包まれている試験で私自身も少ない情報を頼りにやっていくしかなかったので、これからの理三受験生に少しでも役に立てばと思って自分の面接記録を残そうと思います。

 まず面接は3日目に行われるのですが、受験番号順、つまり名前順に午前午後に振り分けられ、さらにその中で2グループに分かれます。そして私は午前の部でした。注意点としては1,2日目と会場が違うことです。(私の場合は1,2日目が農学部キャンパス、3日目の面接が医学部の建物でした)1,2日目と違い誘導員はおらず、少し奥まったところにあって分かりにくいので、時間があれば下見することを勧めます。(まあ電車降りた勢いで群衆と一緒に行けば多分着きますが*1)

*1 東大には普通の大学生、子供、中国人旅行客がおり、ついていくならしっかりと受験生か見極めること

 服装はスーツで革靴。革靴慣れていないと靴擦れするので注意。建物の前で受験票を見せると、中の小講堂に案内されます。私の教室は小講堂ということで、小さめの講義室といったところです。階段状の教室ですね。長机の真ん中に座らせられ、いささか不快感を覚えました。椅子が固かったので、いやな方はクッションなどを持っていくとよいと思います。

 教室の前のスクリーンでは注意事項が流されていました。そんな大したことはなかったですが、挙げておくと以下のような感じです。
・面接中の録音禁止
・電子機器禁止
・私語禁止
・トイレ行きたいときは申し出る(誰かが申し出るとその都度行きたい人を集めていく感じ)
・書籍は読んでもいい   等

まあ当たり前のことですね。
あとは教室内で受験番号順に7人1組で呼ばれていくのですがその時刻表も流れていました。1組目が9:05でそこから間隔約12分でそれ以降の組も呼ばれて行きます。ただし、真ん中の間隔だけ約24分間隔でした。面接官休憩時間ですかね。ちなみに最後の組は11:20に呼ばれるので2時間くらい待たされることになります。

 教室内は結構面接対策本読んでる人いました。私としては、理三の面接は医学的な知識は要求されないので、超典型質問の回答を用意しておけば十分だと思っていて、面接のブログなどで質問を漁りそれに対する回答を用意していました。(とういうか医師の適正を測るという医学部の面接ですが、別に適正ない人でも、予備校などの対策本で回答丸暗記すれば済むわけですから、面接の意義が揺らいでいるのでは??)私の想定していた質問を挙げると以下です。

・医師、医学部、理三志望理由
・理想の医師像
・高校生活について
・臨床or研究医
・大学でやりたいこと
・自分の長所、短所
これくらいで十分でしょう。

 そしていよいよ、係員(なぜかほぼ女性*2)からの説明が始まり、1組目が連れていかれました。私は本*3を読んで時間をつぶしていました。その後自分の組が呼ばれる前あたりにトイレに行く機会があったので、トイレはそこで済ませました。1,2日目と相変わらず、大のほうは1機しかなく回転が遅そうでした。

*2 学力試験ではほぼ男性でした。面接の日だけ女性多めにして男女平等感出しても遅えよ

*3 星新一の『妄想銀行』を読んでいました。待機途中話が面白すぎて、少し笑いだしてしまい恥ずかしかったです。

 呼ばれて小講堂を出たあたりで少し待ち、出発しました。客員教授室、連携調整室など意味不明な部屋を通り過ぎつつ地下へ。上にパイプが通っているような空間に面接室はありました。演習室という名前の小部屋でした。受験票以外の荷物を前のパイプ椅子に置き、注意書きの紙を読むよう言われて、また別のパイプ椅子に座って待たされました。録音、メモ禁止部屋で面接をしていた受験生が出てきて、いよいよ私の番。待機中、中から教授の笑い声が聞こえ、勝利を確信。ドアは中にいる教授のほうから開けてくれました。中に入り椅子に座るよう言われ、腰かける。ふかふかでテンションが上がる。

 面接官は3名横並びで、真ん中の人が偉い人っぽかったです。まず最初に受験番号と氏名を聞かれたので、受験票を見て答えました。以下面接官を左、真ん中、右で表します。

真ん中「答えにくい質問があったら言ってください」

いやいやお前たちほとんどの質問に分かりませんって答えたやつ落としたやん。このご時世色々面倒だなーと思いながら、面接開始。

真ん中「なぜ医学に興味を持ったのですか?」

まあ典型題。これは医師志望理由とほぼ等価なので用意していた回答で瞬殺。

真ん中「なるほど、ではどのような医師を目指しますか?」

これも典型題。「漠然としたものではありますが、」と付言して落ち着いてゆっくり喋った。

真ん中「大学に入ってからやりたいことはありますか?」

これも想定内。「漢文と地理の授業をとってみたいです。」と答えると、

真ん中「つまり、色々学んでみたいと。」

いやわざわざ地理と漢文って答えたんだから深ぼれよ、と不完全燃焼感を残しつつ終わる。*4

*4 面接官の人が私の言ったことをよく聞き取れていなかった可能性がある。高2のとき友人から「お前は喋るのが速いから、半分くらい適当に返答している。」と言われるほど早口なので、早口の方は意識的に遅めに喋ることを心掛けたい。

真ん中「私からは以上です。」

3人で順にやっていくらしい。

右「では私から、高校生で1番熱を注いだことを教えてください。」

くると思ってました。勉強と答えてもいいだろうが、その後の質問の広がりを考えると、何か別なものにして、自分のフィールドに持ち込めると有利。なので私は自分の話せることの多いAQLというクイズ大会と回答しました。その後3分ほどその説明をしました。少しやりすぎたかも。

右「では次に、1番挫折した経験を教えてください。」

うわ、準備してないのきた。しかし、持ち前の失敗の多さから、「夏休みの勉強計画です。」と回答。

右「では失敗した原因を教えてください。」

おいおい原因まで聞くのかよ。なんとか捻り出して「1日単位の計画に落とし込めなかったことです。」と回答。

右「では私からは以上です。」

左「では私から。とてもクイズ熱が伝わってきたのですが(苦笑)、大学入ってからも続けるつとりはありますか?」

やば、皮肉なのか褒められてるのか分からないけど、AD◯Dはお互い様だと自分を落ち着かせて、「クイズは高校で散々したので、大学では何か別のスポーツなどをしようと思っています。」と回答。

左「では外科、内科などで色々な分野がありますが、将来どの分野に進みたいなどはありますか。」

はいはい典型題。当然準備しているので、「まだ、詳しく学習していないので、これから変わる可能性もありますが、今のところは心臓血管外科に興味があります。」と淀みなく回答。

左「外科!?、分かりました。」

何かめっちゃ驚かれました。まあ激務、訴訟あり、睡眠4時間との噂なので、外科不人気もしょうがないでしょうね。私としては手術というものにとても興味があるので、やってみたいのですが。

左「では、理想の医師像というのはありますか?」

さっき同じこと真ん中から聞かれてんだけど…、俺より面接舐めてるやん。と言えるはずもなく渋々さっき言えなかった分を適当に答えた。

左「私からこれで以上なのですが、(他の面接官に対して)何かありますか?」

真ん中、右「これでいいですかね。」

真ん中「では面接は以上です。」

席を立ち一礼し、また扉を開けて出る際も一礼し終了。

 その後は椅子が5,6個並んでるところに誘導され同じグループの方が終わるのを待ち、全員揃ったところで医学部棟の入り口付近まで行き解散。

 結論として、私の場合はかなり緩い面接で、圧迫面接とは程遠いものでした。勿論、理三の全ての面接でこれが当てはまるとは限らないです。(実際、再受験の方がかなり厳しい質問をされた例もある)しかし一般的な受験生の場合、私の面接と大きく離れた面接をされるとは考えづらいので、普通によくある質問の答えだけ用意しておけば十分でしょう。私は2次試験、3日前くらいから、面接が頭によぎり始めて、少々鬱陶しかったので、1時間くらいのまとまった時間をとり、一通り回答を考えました。正直、2次2日目の夜でもいいかと思いましたが、準備しなきゃ、と2日目に面接が頭によぎるのが嫌だったので、(私にとって)早めにやりました。本当に面接で落とされのは悔やんでも悔やみきれないと思うので、舐めすぎることはなく、しかし時間をかけすぎることなく上手くやっていただければと思います。

以上3500字の駄文を読んでいただきありがとうございます。皆様の理三受験に少しでもお役に立てば、著者として嬉しい限りです。

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