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『フランス座』読みました。

『フランス座』
著:ビートたけし


内容紹介
これまで語られることのなかった、芸人たけしが生まれた街と唯一無二の師匠の物語。

『フランス座』といえば浅草の伝説的ストリップ劇場、そしてビートたけしさんが修業時
代を過ごしたことでも有名です。が、芸人を志すきっかけとなった師匠の名は浅草の外に広く知られることはありませんでした。師匠との出会いと別れを、自伝小説に昇華させたのが本作です。
大学をドロップアウト、特に夢もなく浅草フランス座でエレベーター番のアルバイトを始めた主人公・北野武を、劇場で働くからにはコメディアン志望だろうと決め付けて「タケ」と呼んで可愛がり、仕事と住居を与えたのは浅草で誰もが〝師匠〟と呼ぶ芸人・深見千三郎。時は七〇年代、お笑いの中心がテレビやラジオに移りつつある中で、舞台でのコントを極める師匠に導かれながらも、「売れてみたい」という気持ちを抑えられないタケはやがて漫才という別の道を選び――。尊敬しながらも超えてゆかねばならない師弟の姿を笑いと切なさで描く傑作青春小説。

ビートたけし、と言えば、日本で知らない人を探すのが難しいんじゃないだろうか?
と思えるほど知っている人物であろう。

Amazonレビューには、『知っている話が多かった』だの、『これまで語られなかったなんてことはない』だの、『たけしマニアにとっては知っている話』だの書かれていたけど、俺は知らないビートたけしの物語、だと思った。

よくよく考えてみると、世代的な問題だろう、テレビタレントとして、芸人ビートたけしは知っているが、ツービートのビートたけしは知らない。

そりゃ確かに、ビートたけしに深見千三郎という師匠がいたことも、フランス座でエレベータボーイをやっていたというコトも知っている。

しかし、なんとなく流されるようにフランス座に流れ着き、芸人志望ではなかった、という部分は知らなかった。

俺は、芸人になりたいという強い志の元にのし上がったのだとばかり思っていたので、その辺りはかなり意外であった。

ビートきよしがラジオ出演したときに、
「こんなぶっとんだ人だったんだ」
と思ったもんだが、この小説でもいいキャラをしている。

師匠とのコントを文字起こししていたがそれほど笑えなかった。
けど、ツービートの漫才の部分は笑えた。

なんとなく芸人になった男の心に、徐々に芽生える志。
きっかけは問題じゃないんだよ。と再認識させてくれる。

問題はどこで本気になるかだろ。

しかし、この本、自伝的小説だと聞いていたのに、読んでみると他の自伝本のそれとあまり変わらないので、どう認識していいのか、ちょっぴり困った。

まあ、なんでもいいんですけど、ここで終わるのはもったいないので勝手に続編を待ちたい。

なんて読了後に思いながらページをめくると、

この物語は、著者が体験した事実を基づくフィクションです。

とあった。

どの辺りがフィクションなのだろうか?
著者は照れ屋さんでそういう逃げをうっているだけじゃないのか?

こういうところに使うのが想像力ってもんでしょ?




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