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誰かのための物語

昨日までコートを着ないと肌寒かったのに今日はパーカー1枚でも汗ばむ陽気で、いよいよ春も本番だという気持ちになりました。
3月は花粉症やら季節の変わり目やらでどうも調子が悪いのですが、4月の中旬くらいから梅雨入りまでは1年のうちでも最も調子の良い時期です。

みなさんこんにちは。村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

桜の花が散って若葉が見えはじめ、花壇の花や近所のハナミズキの街路樹が花をつけ始めると、Coccoの明るい曲が聴きたくなります。「ザンサイアン」とかあの辺のアルバムの曲。流星群とかもそうだ。あとSINGER SONGERのときの曲とか。

高校生のころ、何がわからないのかすらわからない数学の授業を受けながら、いつも先生にバレないように小説のネタをメモしていました。頭の中にはいつもCoccoや鬼束ちひろや椎名林檎の曲が流れていて、たった5人の友達に見せるためだけに、わたしは小説を書いていた。

たぶん、一番小説を書くのが好きだったころの話です。本当に楽しいという気持ちだけで、好きだという気持ちだけで書いていたころのこと。

小説を書くのが嫌いになった理由をときどき真剣に考えるのですが、上手くなりたいと思うようになったからだろうという結論に最近至りました。読み手に認められたい、面白いと思ってほしい、というのはもちろん大きいのだけど、自分が本当に良いと思うものを書こうとするとめちゃめちゃ憂鬱になる。
理想と現実のギャップというやつです。

高校生のころは「誰かのため」をひとつの免罪符にしていたのかもしれません。わたしが良いと思っても思わなくても、相手が喜んでくれたらそれで良かった。美しい甘い世界だったし、本当は今も、そうやって書くのが一番向いている気がする。

大学生のころまで、いつか出会う自分の子どものためだけに物語を書く人間になりたいと思っていた。それが夢だった。

でも、まあ、もう戻れない場所なんだろうと思います。

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