かずぴさん

統合医療を土台にした教育で、人を絶対に諦めない、Como-do代表 高崎和美さん

すべての子どもたちに幸せな未来を届けるための医療教育「メデュケーションプロジェクト」で第11回ドリームプラン・プレゼンテーション世界大会の感動大賞を受賞するなど、溢れる思いで精力的に活動されている高崎和美さんにお話を伺いました。

高崎和美(たかさき かずみ)さんのプロフィール
como-do代表 健康コンシェルジュ
17年の精神科の訪問看護師の経験から、幼い頃の体験や体感が大人になった時の精神にいかに影響があるかを痛感。五感を使い感じたことをそのまま表現できるこども達を育みたいと、親子の絆を深めながら楽しく学べる体感イベントを開催。また、三次救急やICU、内科の救急、脳外科での学びから、「こころとからだは両方が健康であることでこそ、その人らしく生きられる」と体をつくる食に注目し「あなたは誰と、どんな雰囲気で、何を食べますか」を大切にする食卓カウンセラーとしても活動。さらに在宅医療、在宅介護の向上に取り組み、健康回復行動プラン(WRAP)のファシリテーターや、希望・夢実現技法の宝地図マスターとして、思春期のこどもや発達障害と呼ばれているこども達、癌で頑張っている方々への支援も行う。

記者 高崎さんが、母と子の関係性で人生が変わってしまうお話をドリームプランプレゼンテーションでされていましたが、よろしければ簡単にお話いただけますか?
高崎和美さん(以下、敬称略)私の母は、統合失調症で大変なヒステリック状態でした。周囲の人達から「お母さんみたいになったらあかん」とよく言われて、私は「お母さんを好きになったらあかんのや」と思う反面、本心では、お母さんを嫌いになることは絶対できないジレンマがあって、とても苦しい気持ちがありました。

でも、その自分の気持ちと母の心に気が付いてからは「お母さんも苦しかったよね」と母を許すことができたんです。
母の生い立ちをみたとき、幼い頃から体が弱い妹に祖母が付きっきりで、甘えたくても甘えられず、祖父も早くに亡くなってしまい、自分の思っていることも言えずに苦しかったんじゃないかと思うんです。だから自分に目を向けてもらうために、結果的にヒステリックになって問題を起こすという思考、行動になってしまった。でも本当は構ってほしくて淋しかったんだと思います。

私自身も、看護士になってから「良い人でいなければいけない」「ダークな部分を出したらいけない」という思いが出てきて、自分を出せなくなりどんどん苦しくなっていったことがありました。
まずお母さんに「生んでくれてありがとう」と言えることで、初めて心のブロックが解放されていくんです。例えば「仲良くしたい」「思いやりたい」「愛したい」とか、今この瞬間の素直な感情にまず自分自身が気付いて声に出していくことを伝えていきたいです。

記者 人生で人間関係の基本ともいえる「母と子の関係性」を私達1人1人がどう捉えているのかを知ることが重要なんですね。それが無意識の感情とつながってるんですね。

高崎 そうなんです。感情が激しく出ることに対して、薬を増やしたり入院することでは解決できないんです。以前こんなことがあったんですが、問題児といわれている子のお母さんが「うちの子、何もできなくてすみません、あかんたれで・・・」と申し訳なさそうに話されていて、私は「息子さん、本当に頑張ってくれてて、本当にすごいですよ!」「私が良い息子さんだといってるんですから、ただ黙ってありがとうと言ってください」と返したことがあります。すると、お母さんは「うちの子、優しかったんです。小さい頃は私が忙しそうにしていると、色んなこと手伝ってくれて・・・」とぶっちゃけてくれて、空気が変わる瞬間がありました。周囲から問題児として扱われてしまうから、お母さんも「なんとかしないと」と思ってしまう。「いい子だ」と本心で思っていてもそれを言えなくなってしまうんです。褒めたくても褒められなくなってしまうんです。

私は、みんなに自分の本音の奥にある愛の本心にたどり着こうねって言ってます。「建前→本音→本心」まで諦めず寄り添うことを大事にしてます。

”私は人を諦めません”

記者 長年の精神科医としての経験、自分と相手の心に向き合いながら感じた一番大切なことを教えてください。
高崎 お互いに覚悟を決めて人と向き合うことですね。私は人を諦めません人の原理原則の仕組み、メンタルをトータル的にみていくことで、人はどんな状況でも変わる。マニュアルはなく、その時の直観でどうしたら一番その人が緩むのかを考えてやってきました。統合医療のメンバーと、生命として、生物として、何が優先なのかを考え、予防医療から取り組んでいます。でも現在の医療教育は、知識に偏っていて、自ら考えず、ルーティンとして言われたことだけをやることを教えられます。例えば、乳がんの患者さんに接する時に「乳がんですよ、切除します」と流れ作業になってしまう。実際に切除した患者さんの中には、突然の喪失感に心のバランスを崩し、パニック障害をおこしてしまい、電車に乗れなくなってしまったという方もいます。そうならないために、体の一部にちゃんと感謝して別れられるように心に寄り添っていくことは大切です。医療現場に従事する者として、患者の生い立ちからくる感情をみて、人として重要なことを教える活動もしています。

記者 高崎さんの夢や、これからの計画を教えてください。
高崎 「病院を療院に、障害を個性に」というビジョンを掲げています。ビジョンとしては、幼稚園、保育園、各学校、企業に医師、看護師が在駐して地域に入っていき、月1回の問診などを通して、『心と体の仕組みの授業-統合医療-』を体感してもらい、全員が自分の体と心の仕組みをわかって生きていけるようにしたいんです。まず「健康を教える人たち」を育成して、ゆくゆくは医療費が削減されていくことで、健康でいることを国が喜んでくれて、健康でいることがポイント化されて、ポイントを溜めて家族旅行に行けたりする。そして家族の絆、関係性が深まっていく。例えばですが、こんな感じでみんなが元気になる仕組みを常に考えています。

記者 今までにない枠を超えたアイデアですね!高齢者の方も多いですし、実現したら、日本社会全体ががらっと変わりそうです。

高崎 全体で日本を変えていかない限り何も変わらないと思ってます。
今、精神科の予備軍って本当に多いんです。子どもの自殺率が高いのは、子ども達が自由な表現をしにくい、発想力を広げるチャンスを制限されていると思って「天才キッズクラブ保育園」をつくりました。どう生きたらいいのか、人との関係性を育む保育園をつくりたいと思っています。子ども達と地元の人が交流して、自分の生活する地域を好きになって、日本が好きになれる社会を創っていきたいです。

これからは子どもから大人が学ぶ時代になります。子どもの素直さ、ピュアさから教わるものがたくさんあります。大人も子どもも対等な関係で、お互いの愛を伝えあって、私は彼らの表現の代弁者として一緒に寄り添っていく保育園をつくっていきたいです。人間の可能性を信じられるから関わっていける、常に真剣勝負です。

記者 高崎さんの本心から人間の可能性を信じられることがとても素晴らしいと感じました。貴重なお話をありがとうございました。

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高崎和美さんの詳細はコチラ↓↓
☆como-do  https://como-do.info/
☆天才キッズクラブ http://tensaikids.jp/
☆夢を語る「ドリームプラン・プレゼンテーション世界大会」映像
https://www.youtube.com/channel/UCRB7ognCFqqcFcrAU598pww
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<編集後記>
本日、インタビューを担当しました泊、山本です。高崎さんの太陽のような母の愛と包容力、安心感がエネルギッシュでハンパなかったです。病院から療院と仰っていましたが、在り方そのもので療院を実践されている素晴らしい方でした。当日は沢山お話いただきありがとうございました。益々のご活躍を祈念しております。

この記事は、記事掲載サイト「リライズ・ニュースマガジン」にも掲載されています。