機械学習エンジニアにとっての「使われないものを作らない」 ーー LayerXに入社しました


はじめに

はじめまして。2024年4月に株式会社LayerXに入社しました上川(@ykam1kawa)と申します。
バクラク事業部の機械学習チームで、バクラクシリーズのコア機能であるAI-OCRの精度改善を中心に行なっています。

タイトルの一部となっている「使われないものを作らない」という言葉は、LayerX社内向けの開発速度が速い #とはという資料からの引用であり、LayerXの行動指針である羅針盤の一つでもあります。
資料は社外へ公開されており入社前に読んだのですが、当時の自分に刺さった言葉であり、入社のきっかけの一つになったことと、入社してからも刺さり続けているのでタイトルに使わせていただきました。

このnoteでは、なぜ自分がLayerXに入社することになったのか、そして機械学習エンジニアにとっての「使われないものを作らない」とはなにか、を現在の自分なりの解釈でお伝えできればと思います。

経歴

LayerXに入社するまでの経歴を簡単にご紹介します。
学生時代は、コンピュータビジョン系の研究室で研究をする傍ら企業でのインターンやアルバイトに積極的に参加していました。
大学院卒業後は、株式会社Preferred Networksに機械学習エンジニアとして入社し、機械学習を用いたシステムの開発に携わりました。
業務内容としては、スポーツや医療などの様々な業界向けに機械学習を用いた応用の提案や開発などを行なってました。
2019年から5年ほど働かせていただいたのですが、優秀な上司やメンバーからたくさんのことを学ばせていただきました。

なぜ転職したのか

前職は居心地の良い環境で不満はありませんでしたが、何かを成し遂げられたわけでもないのに、居心地の良い環境に長期間いることになんとなくもやもやしていました。
とはいえ居心地が良いがゆえに、もやもやの正体を言語化したり、重い腰を上げて何かアクションを起こすまでには至ってませんでした。

一旦話は逸れますが、私はK-POP系のオーディション番組を観るのが好きです。番組の内容としては、同じ夢を持つ若者たちが、デビューという目標に向かって、切磋琢磨し合うというものになります。番組を観てるとただただ元気をもらえますし、刺激をもらえます。
そして話を戻すと、もやもやを抱えていたそんな中、当時観ていたオーディション番組にとても感動し刺激を受け、番組を観終わると同時にLayerXのカジュアル面談に応募しました。今考えるとこれが転職活動における最初のアクションです。ウソのようなホントの話です。(オーディション番組めちゃくちゃ良いのでおすすめです)

じゃあなぜLayerXだったのかという話をします。
まず代表の福島さんのnoteをたまたま読んだことがあって、これから機械学習に力を入れていく会社として、頭の片隅にLayerXの存在がありました。

そして当時カジュアル面談に応募した段階では、転職に対する温度感はそれほど高くなく、とりあえず何かアクションを起こすことが目的だったので、一番に最初に思い浮かんだLayerXのカジュアル面談に直感的に応募しました。
カジュアル面談では、LayerXの事業やその中で機械学習がどのように活用されているのか、という話を聞きました。

その中で、顧客体験へのこだわりプロダクトのコア技術として機械学習をやっていくぞという強い意志にとても魅力を感じました。
その日のうちにLayerXの色々な資料を読み、冒頭でも述べましたが、開発速度が速い #とはという資料がきっかけで、LayerXの選考にエントリーすることを決めました。(割と直感で動くタイプ)
この資料が私にそれほどまでに刺さった理由は、以下の3点です。

  • 今までお客様に価値を届けられたという感覚あまりなかった

  • 優秀なエンジニアがいても、いいものが作れるわけではなかった

  • 頑張って作ったものが、使われないことが多かった

これらがまさに何となく抱えていたもやもやの正体でした。
転職せずとも当時の環境で自分を磨くという選択肢もあったのですが、「使われないものを作らない」というカルチャーが根付いた環境で働くことに大きな魅力を感じましたし、自分自身成長できそうだなと考えました。実際に入社してからも社内の共通認識となっていることを実感しています。
このような背景があり、転職活動に際してLayerX以外の会社とはほとんど接点を持つことはありませんでした。(知人とカジュアル面談を一回したくらい)

機械学習エンジニアにとっての「使われないものを作らない」

とはいえ「使われないものを作らない」を言葉にし認識するだけでなく、それ体現し続けることはかなり難易度高いと思っています。というか日々実感しております。
また機械学習プロジェクトは不確実性が高く、やってみないとわからないこともあります。そのため、使われるかわからないが探索的に手を動かさなければならないジレンマがあったりします。
それに最近はLLMが盛り上がってますが、機械学習エンジニアとしては最新の技術を使っていろんなものを作れると楽しいですよね。(知的好奇心は大事)
ということで、機械学習エンジニアにとって「使われないものを作らない」を体現するということはどういうことなのか、を語りたいのですが筆が進まず正直困っております。笑
そもそもそこに課題感を持ってLayerXに入社したので、これからチームメンバーと共に色々模索し、正解を見つけていく段階ということです。
ただ、少なくとも今の私が言えるのは、

  • 仮説の精度の高さ

  • 仮説検証をスピード感高く進めるための工夫

は必要不可欠だと思っています。
複数の選択肢から正解に辿り着くために仮説の精度高くする、試行回数を増やすためにスピードを上げる、こういうところが機械学習エンジニアの腕の見せ所であり、面白さであるといった感じでしょうか。

LayerXではAIを前提とした理想のUXをAI-UX、そのAI-UXを通じて、ユーザの体験を再構築していくことをAX(AI Transformation)と呼んでおります。

AIを知り尽くした上で、何のタスクを、どう解くかをデザインし、体験に落とし込む。どこでAIを使い、どこであえてAIを使わないか、全体の体験としてどう落とし込むかが鍵です。体験改善のモニタリングやアップデート基盤をどう構築していくか、というソフトウェアとデザインの総合格闘技戦になります。

AI-UXとAX(AI Transformation)というLayerXの挑戦より

AI-UXを洗練し、人がシステムに合わせる時代からシステムが人に合わせる時代へとユーザーの体験をAX(再構築)するために、機械学習エンジニアとしてAIを知り尽くすのはもちろんのこと、ユーザー、ドメイン、デザインのことまで幅広く理解する必要があります。

最後に

入社して3ヶ月が経過し、まだまだ未熟な部分はありますが、「使われないものを作らない」ために、そしてお客様に価値を届けるために、入社前の想像通り着実に進んでいると感じています。
いつか開発速度が速い #とは Ver. 機械学習を作りたいですね…!
一緒に解像度上げて作りたい人いませんか。笑

最後になりますが、機械学習チームでは一緒に働く仲間を積極採用中です!
少しでも興味を持ってくださった方!ご応募をお待ちしております!

この記事が参加している募集

#入社エントリ

2,980件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?