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熟成肉を活用したビジネススキーム【全貌】

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トップシェフからお墨付きを頂いた我々の熟成肉。
これ、試食として半分焼いたので、残り半分が余ってました。

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そのまま僕らで焼いて食べるのもアリですが、もったいないので誰かに振る舞えないかなということで探していたところ、幸運にも「是非うちのオフィスでお披露目会をしようよ」と、何度かご挨拶させていただいているPR会社の社長さんからお声がけして頂けました。

初陣は非常にアットホームな環境ですので、願ってもないチャンス到来です。骨付き熟成肉、フライパン、ガスコンロ、調理道具一式等など、出張シェフのごとく、かなりの大荷物を担いでオフィスに向かいました。

下記3点を準備しました。

・和牛生ハム    ~佐賀牛のウチモモ112日間乾燥~
・熟成肉の脂身 ~カリッカリに香ばしく焼き上げてチーズと合える~
・骨付き熟成肉 ~国産ホルスタイン60日熟成~


前菜として、こちらも自家製の和牛生ハム(塩漬けにした肉製品、佐賀牛のウチモモ肉を使用)も持参しました。結果的に、この和牛生ハムも絶賛されます。ちなみにこれもLA訪問時に見つけたレシピです。

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和牛を使った生ハム

ホームパーティの風景

先ずは、乾杯からスタート。今回場所を提供してくれた社長さんがシャンパンを差し入れして下さいました。我々、熟成兄弟はあまりお酒が飲めませんが、ドリンクも非常に大事なアイテムなので、少しずつトライしていきます。知り合いの方にお勧めしてもらったワインの味見をしながら、またはLAの師匠に教えてもらったCA(カリフォルニア)のワイン等を考えています。


シャンパン

和牛生ハムはこの日のために、2019年5月から仕込みを開始してました。一口食べると、和牛特有の脂の旨味ががつんと口の中に広がります。あまり普段食べる機会もない手法なので、反応もかなり良かったです。ワインにも合いそうな芳醇な味わいでした。

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熟成肉の焼き方

まず、骨を外して熟成肉の塊を焼きます。肉の厚みは指四本くらいとかなり厚めです。焼き方ですが、我々は熟練した焼き手でも何でもありません。なので職人の感覚ではなく、あくまで数値を頼りに焼くことにしています。

①焼き方は片面ずつ1分30秒ずつ焼く。
②両面焼き終えると5分間寝かす。
③5分寝かした後、また片面を1分30ずつ焼いて5分寝かせる

というのを繰り返します。3セットを終えたあたりから温度計を肉に差し、芯温をチェックします。

肉の最適な温度は、何度なのか??

私たちは芯温を何℃にするのが理想なのか模索しているところです。LAの師匠のレストランでは、炭火で状態で焼き上げて芯温が37~38℃(かなり低いです)で提供しています。炭火焼は、火加減のコントロールが難しいのと、調理環境の準備も困難なので、現時点では、ガスコンロを使用しています。我々も練習で37~38℃で焼いたのですが、レアどころか生肉のような状態でした。恐らく炭火の遠赤外線でじっくりと熱を内部まで伝えた37℃とガスコンロで直線的に辿り着いた37℃には違いがあるんだと思います。また、安全性を考えて、有害な菌が死滅するのが55℃付近なので55℃を目指す焼き方もあります。今回は芯温50℃で焼き上げました。1分30秒ずつ焼くこと5セットでした。これは肉の厚さにもよるので芯温計は必須アイテムです。数値で細かくなってしまいましたが、要するに外側はカリッと香ばしく、内側はレアの状態で提供することを目指しています。

30分かけて熟成肉を焼き上げる

30分と時間はかかりますが、熟成兄弟の今までのストーリーを皆さんに説明するには足りないくらいです。熟成肉にたどり着いた話をツマミにお酒を進めて頂きました。

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見た目は赤いですが、火が入っているのでアツアツです。

5,000円の会費制を逆提案受ける。

一言でいえばメンバーに恵まれました。
「仕事終わりのオフィスで継続的にホームパーティをしよう! 次回からは会費制で一人5,000円にしても人が集まると思う」と、その場で参加メンバーが、食に興味のある知り合いに連絡してくれました。

当日の肉料理の写真を添付して、単刀直入に「めちゃくちゃ美味しかった!5,000円の会費制だけど、次回があれば参加する?」「是非、参加したい!」トップシェフにも褒めて頂いたので、自信はありましたが、喜んでもらえて素直に嬉しかったです。もちろん初回は会費を頂くわけもなく、ただただ試食してもらえてラッキーという感じでした。

次回からは食材原価もオープンにして、会費5,000円の期待値を超える内容で臨む予定です。提供する食材原価を5,000円程度にします。

食材原価をオープンにする試み

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食材原価をオープンにする理由は、2つあります。
1つは、プロでもない私たちが会費とはいえお金を出してもらうので、食材原価だけ出してもらっていることを明確にすること。もうひとつは、‟食材原価だけでこれぐらい費用がかかる″ということを知ってもらうためです。本来なら食材原価に加えて、食材を購入するための人件費や、場所代、熟成加工費、シェフやウェイトレスの人件費、調味料、etc...とコストがかかります。

一般的にレストランで支払う金額の30%程度が食材費と言われています。単純計算ですが、5,000円の食材原価ということは、レストランであれば15,000円相当にあたります。私たちが将来、正式に商品を出すとき、今の価格では到底成り立ちません。そのこともちゃんと伝えていくつもりです。値段というのは、需要と供給のバランスで決まるので、あくまでも目安の話です。風のうわさで、ある有名な熟成肉の卸価格を聞いてビックリしました。50,000円/Kgです。5,000円/100gです。これレストランの仕入れ値です。

生産量でも限りがあるので、常に在庫待ちですぐには買えないそうです。在庫待ちは受注生産と一緒なので理想的です。ビジネスをやる上で、値段設定は非常に大切です。私たちも値段に意味を込めながら最適価格を模索していきます。現時点では、先ずは安定して美味しい熟成肉が提供できるようにチャレンジしていきます。

なぜホームパーティなのか?

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なぜホームパーティか?熟成肉の事業を進めていくとき、どこから始めるかを考えたときホームパーティからスタートすることにしました。その前に、我々のゴールから説明した方がしっくりくると思います。

現時点でのゴールは、「地産地消×体験サービス事業」です。

より具体的なアイディアとしては、移動式ホテルを活用し、顧客が場所を自由に選べる宿泊先で、シェフが目の前で調理し料理を提供するという体験サービスです。移動式ホテルの宿泊先でシェフが調理する食材の一つに熟成肉を使う計画です。色々な方と協業する必要があるのですが、相手が私たちと組む理由作りが必要です。‟熟成肉という食材”と‟移動式ホテル”を武器として準備しようと考えました。単純にLAで食べた熟成肉に魅了されたというのが最大の原動力ですが、ただ単に熟成肉を流通させることをゴールに設定しているわけではありません。熟成肉を通して‟何か楽しいこと”を体験してもらいたいのです。

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移動式ホテルの準備には単純に資金が必要です。最初の1台は自己資金で準備する計画です。食材としての熟成肉に目をつけたとき、私たちが作る熟成肉は本当に美味しいのか?これを検証して突破しない限りは先に進めません。牛肉の加工食材を提供してビジネスをするには許可証が必要です。許可書を取るには、設備費用等の費用が必要です。もちろん、食材仕入れ費用(在庫扱い)が発生し、販売先を獲得する必要があります。在庫ビジネスはビジネスの天敵です。基本的に熟成肉ビジネスは受注生産方式をとる予定です。見込み顧客を獲得するための第一歩して、認知度をあげる必要があるのです。認知度の上げ方で拘ったのは、出来る限り身近な人たちから応援してもらう方法です。出来るだけ費用をかけずに、身近な人へ伝えるにはホームパーティという流れでした。逆に言うと身近な人さえも魅了出来なければ、商品として魅力はないということです。

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