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そこに炎あり

炎は形を成し龍になる

それは名を持たず
自由に流れ
自由に炎を広げた

時に、人の情熱の種火となり
時に、浄化の炎となり
時に、愛の炎となり

名を持たず
形を持たず
気まぐれに燃える

永き時に
多くの人々ともいた

それの中には
燃える炎とともに
孤独があった

消えぬ孤独

その孤独は
自らを焼き
人さえも焼く

大切な人も焼いた

自らの炎を恐れ
闇に身をおく
闇を照らす
闇を焼く

期待と不安

古き友は、ときに闇を訪れる
いっとき、恐れは消える

少しずつ
少しずつ

癒やされる

ある時

闇に炎が見えた

自分のものではない炎

自らも焼き
炎さえ焼いてしまう
自らを信じられず

その炎は
焼かれながらも

一滴の炎
優しき炎となった

龍は自らの闇に染み込んでくる
その一滴を感じた

声が聴こえ
あたたかさを感じた

焼き尽くさぬ炎

龍の闇に
灯火が
ひとつ

消えぬ炎
優しき炎


龍は、周り見回す

周りには、多くの笑顔があった
自分は、一人ではなかった

龍の瞳には
透明の一滴が
消えずに流れていた

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