【モンゴル中央部】トゥブのノマドファミリーライフ
起きて耳栓を外したら家畜の声が聞こえる。
使われてるの見た事ないけど、ゲルにはテレビもある。
電気はソーラーパネルで発電。
暖を取るためじゃなくても、料理のためいつもどこかで何かを燃やしていて、常に涙が出る。
馬に乗った。
気性は荒いし鞍は硬いけど、体高がサラブレッドより低くて乗りやすい。
鎧は深く履き、手綱は主に片手で持つのがモンゴル流らしい。
デールを脱いだらポケットがなくなるから本を置いていったと思ったのに持って行っていたようで、おじいちゃんがバイクで取りに連れてってくれた。
馬より早くて気持ちよかった。
オフロードをバイクでも走ってみたかったので、貴重な体験ができて嬉しい。
昼はボウズを食べた。美味しい。
「少しかじり、肉汁を啜ってから食べる」とチンギスが教えてくれた。
肉を出してスーテーツァイを入れ、スープにもするらしい。
子ども達と遊んだ。
体力ありすぎ。
追いかけっこやレースはキツイ。
中で遊びたくて「日本語で名前を書く」と提案した。
最初は当て字で漢字を使っていたけど、キリがなくて大変になり、カタカナに変えた。
その方が自分も覚えやすいし、もし次の村で同じ事になったらカタカタにしようと思った。
ファミリーは2頭の羊を解体してくれた。
子どもに「見に行ってはいけない」と言われたが、ゲルの中には普通に羊の頭が転がっていて、内臓や肉もぶら下がっていたりベッドの下に置かれたりしていた。
子どもが面倒を見てくれる。
言葉を教えてくれたり家事を教えてくれたり。
汚れても気にしないから、大人は子どもが何かしようとしても止めないし失敗を叱らない。
だから3歳の子も赤ちゃんの面倒をみるし、生活に必要な事は自分で何でもできる。
大人は何も子どもに教えなくて、大きい子が小さい子に教えたり気にかけている。
「日本人は黙っている事が多くて何を考えてるのか心配される」と思い出して、でもモンゴル語はもちろん英語を話し続けるのも辛すぎるから、なるべく日本語でも良いから話すようにした。
普段そんなに話す性格じゃないからしんどいけど、意外と通じ合える!
馬で散歩している途中に立ち寄った家で質問をされて「いいえ」と返事したつもりが全員に笑われた。
不思議に思っていたらチンギスが「それ"バカ"って意味だよ」と教えてくれた。
どうやら子ども達は正しい言葉も間違った悪い言葉も教えてくれていたらしい…
ありがちなパターンに、自分も引っかかる時が来るとは思わなかった!
牛の乳搾りでは子ども達と牛の毛から毛束を作って、人にくっつけて遊んだ。
最後は糞の投げ合いが始まって逃げるのに必死だった。
日本にいたら一生をかけてでも踏めないくらい、たくさんの糞を踏んだ…
草食動物の糞はほぼ、食べている草。
乾いた牛の糞はストーブに入れる良い燃料になる。
日本でその事を知っていなかったら、糞は自分たち雑食や肉食の動物と同じただの糞だと思ってしまうから、この環境は無理だったと思う。
夜はまた麺のスープ。
ノマドファミリーはケチャップを入れて食べていた。
絶対に合わない!
ヤンジッドルマさんが言っていた通り、2日連続で同じ食事。
かよさんがオーストラリアでのホームステイ体験を話してくれた通り、外国の人って美味しさより手間が優先なのかもしれない。
夜は星が綺麗に見えた。
日本のどこでも、こんなたくさんの星は見た事がない!
でも星がどんなに明るくても、iPhoneのカメラでは写して持って帰る事はできない。
北斗七星は世界中どこでも見えるから「seven gods」と言うらしい。
モンゴル語では日本と同じく、違う呼称があるらしいけど。
家に入ったらシティボーイ・チンギスが火起こしを頑張った。
昼は2人で試行錯誤してもできなかったので、おばあちゃんや現地の女の子が簡単にやっている様子を観察した。
しかし私達には牛の糞がなかった。
それでもチンギスはゲルの中を自分の家のように知っていて、いろんな所からいろんな物を取ってくる。
きっと貴重なのに、たくさんのトイレットペーパーを使って火起こしに成功した。
途中でおばあちゃんが様子を見に来て「扉を閉めないと燃えない」とシンプルな正解を教えてくれたおかげ!
だけど嬉しかったのか彼はその後も頑張りすぎてしまって、ゲルの煙突が火を吹いて、おじいちゃん夫婦が慌ててまた飛び込んできた。
今日は留守の家に勝手に入ったヤギがパンを食べてしまったり、たくさん事件が起こった日だった。