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2017年のヴェネツィア アート巡り その一

「コロナ」の影響でヴェネツィアの水がきれいになったとニュースでやっていましたが、2021年6月観光客が戻り始めている今、いつまでその透明度は保たれるのでしょうか。あるいは観光にも「ニューノーマル」が取り入れられ、適度な訪問客数を目指すのでしょうか。

2017年6月、アートの国際展ヴェネツィア・ビエンナーレを見にヴェネツィアを旅していました。

水の都は、どこを切り取っても絵になりますね。

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ビエンナーレに並行していろんな企画が期間中(6月〜11月)に行われます。

目立っていたインスタレーションは、ロレンツォ・クインの作品《SUPPORT》。地球温暖化で水面上昇するのを「支える」巨大な手。しかし、ヴェネツィアの海をきれいに蘇らせたのがウイルスとは皮肉なことです。

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注目されていたのはフォルトゥニー宮で行われていた「INTUITION(直感)展」。

ファッションデザイナーのマリアーノ・フォルトゥニー(1871-1949)が工房として使っていた建物を活かし、ベルギー人アート・ディーラー兼デザイナーのアクセル・ヴェルヴォールト(1947-)がキュレーションを担当する、6回目にして集大成となる最後の展覧会でした。

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地味な建物の外観からは想像できないヴォリューム(記憶が確かなら5階まであった)とヴァラエティに富んだ古今東西の美術品。

古代彫刻、ジャコメッティ、バスキア、テキスタイル、井上有一、カンディンスキー、マッタ、トゥオンブリー、樂雅臣、カプーア、写真、具体、インスタレーション・・・これだけ多様なのにごちゃごちゃしていると感じないのは、キュレーターヴェルヴォールトのセンスでしょうか。彼は『wabi inspirations』という本を出すほど禅や侘び寂び、茶の湯を研究しています。どおりで日本人にしっくりくるわけです。

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ヴェネツィア アート巡り その二に続きます。