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今日気持ちよかった音楽: Amaro Freitas - Ayeye

Twitterをぼんやり眺めていたら来日情報を知り、何気なく聴き始めた最新アルバムの2曲目「Ayeye」。彼の弾くピアノの小気味よい高速フレーズは、流麗に零れ落ちる無数の水滴のように美しい。さらにそのループには絶妙のモタりがあって心地よく、中盤以降、徐々に熱を帯びて高まっていく超絶プレイの数々で、気づけば脳汁まみれに。

下記ライブテイクはさらに強烈なプレイの連続で、ドラム、ベースを含む3人のプレイが頂点まで達した直後、会場中から大歓声が贈られるシーン(21:30~)は鳥肌モノだ。



貧しい家庭で働きながら学び1stAL制作

Amaro Freitasはブラジル北東部ペルナンブコ州レシフェのスラムに生まれ、教会のバンドのリーダーだった父の指導の下、12歳の頃から教会でピアノを弾き始めると、すぐに才能は開花。音楽院での優勝なども果たした。

しかし貧しい家庭だったため、自身も家計を助けなければならず、朝7時から大学で授業を受けて、昼から15時までレストランで演奏。その後はビーチで時間を潰して、再び深夜までレストランで演奏をしてお金を稼ぎ、翌朝からまた大学へ
……というタフな生活の中で、2016年に1stアルバム『Sangue Negro』を制作。タイトルは"黒い血"を意味し、自身で"人生を変えたアルバム"と称するこの作品が、ブラジル全土で高い評価を獲得する。



作を追うごとに評価は高まり、その名は世界へ

2年後には2ndアルバム『Rasif』を発表。ジャズを基調に、ブラジルご当地の様々なリズムを用いた作風は、より顕著なものになっていった。

これらについては、海外のインタビュー記事の翻訳よりも柳樂光隆氏のインタビューが詳しく、記事内の大量のリファレンスを聴いてるだけでも耳が楽しく、多くの学びがある。

ともあれ『Rasif』で世界からの称賛を集めた彼は、ブラジルの大御所シンガーソングライター Lenineとのコラボなども果たしながら、2021年に3作目として冒頭の『Sankofa』を発表する。当作は2023年4月現在もSpotify上での再生数が最も高く、より広く世界に響き渡ったことが伺い知れる。



FESTIVAL FRUEZINHO 2023で7月に初来日

その後もSandyManu Gavassiといった自国のスターとの共演や、最新シングル「Melanina」のリリースなど、精力的な活動が続いているAmaro Freitas。そんな彼の初来日が、冒頭で紹介した【FESTIVAL FRUEZINHO 2023】だ。

……ということで、早割チケットを購入して観に行くことにしました。立川公演は、上記で紹介した音源やライブ映像にも参加していたJean Elton、Hugo Medeirosとのトリオ編成になるようで、今からオギオギしております。WWWのソロも楽しそう。

FESTIVAL FRUEZINHO 2023 flier


余談

ジャズは特に詳しくないこともあって、文章がススッとまとまったので余談を少し。

見た目が三柴理
筋肉少女帯特撮参加時の三柴理みたいなビジュアルも良い。大きくて奇抜なピアニストが大好きです。

特撮(三柴理は右端)


オフィシャルYouTubeチャンネルがいまいち

これだけ世界的な評価を受けているアーティストなのに、オフィシャルYouTubeアカウントにアップされている動画が少なく、ミュージックビデオと銘打たれているのは「Sankofa」のみ。クオリティもいまいちで悲しい。
すんごいプレイのライブ映像が多いだけに、本当に勿体ない。


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