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019_好きこそ物の上手なれ?
大学の先輩、後輩と三人で飲む機会があった。
ひとりはメガバンク、もうひとりは地銀を辞め、それぞれ別の業界で働いているという。そのうちのひとりが航空機リース関連の仕事をしているらしく、突如聞かれた。
「飛行機に興味を持つにはどうしたらいいの?」と。
曰く、転職したものの航空業界自体にそんなに興味があったわけではなく、今からでも好きになったほうが仕事をやりやすいと思うけど、どうやったら僕みたいに関心を持てるようになるのか、と。
考えたことなかった。好きになる過程を人に説明するのはなかなか難しいし、そもそも自然と好きになったものは、こうすれば無理やり好きになれるよ、という押しつけも出来ない気がするし。
そもそも、一概に飛行機好きといってもいろんな観点がある。ぱっと挙げただけでも、
・飛行機の写真を撮るのが好き。
・空港の館内アナウンスが好き。
・空港ラウンジで過ごす時間が好き。
・機内食やアルコールを嗜んでいる時間が好き。
・離陸時のエンジンがフルスロットルで頑張っている音を聴くのが好き。
・CAさんとのちょっとした会話が好き。
・窓から見える夜景を見るのが好き。
とかとか。
例の仕事に役立つポイントで行くと、こことここの都市にはどの航空会社が既に就航していて、機材はこれで、今は一日〇便飛んでいる。搭乗率は大体〇〇%で、だから今度別の会社がボーイング〇〇〇型機をリースしてデイリー運航したとしても十分に採算が合う、とか。
飛行機好きというか旅好きな人だったら自然と頭に入っている知識。そんなのがバックグラウンドにあると確かに仕事はやりやすいかも。
でもそんなのは別に飛行機が好きでなくっても、ビジネスの観点で統計データを分析したりすればなんなりできる。例えばボーイング737型機の定員は何名で、競合するのはエアバスA320型機で、なんていうカタログスペックは調べればすぐにわかる。
だから大事なのは、どうやって既存の情報を分析して精度の高い予測を立ててビジネス成功の可否を見極めるかの目利き力で、それは場数を踏んで磨きをかけていくしかないというのがお酒を飲みながらのその場で出た結論だった気がする。
とは言っても、好きなことを仕事にするほうが実は楽しいのかもしれないな。僕がそんな仕事をこれからやることになったら、毎日ワクワクしそう。そんなことを思いながら10年振りの再会を楽しんだ平日の夜だった。
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