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ユニーク~なりすましと真似るとコピー

”ユニーク”と聞くと、ぼくは「唯一」とイメージすることが多いです。
これはシステム関連、特にデータベースに触れた事がある方ならご共感いただけるのではないでしょうか。

また、”ユニーク”とは『ユニークな発想』というように独特な考え方を表す意味合いや、『面白い』というニュアンスで使われる時もあるかと思います。

▼Instagramに現れたファーファの偽物。

柔軟剤、洗濯洗剤などのブランド、「NSファーファ・ジャパン株式会社」のキャラクターマスコットにファーファというテディベアが居ます。

このファーファはInstagramにアカウントがあるのですが、ここ数日にこのアカウントの偽物が現れたそうなのです。

ファーファの本物アカウントが注意喚起の画像をInstagramにて発表しておりました。

この発表が出る前に実はぼくのInstagramのアカウントに”偽物”からフォローされた経緯がありましたが、偽物だろうなと感じ、フォローをせずにおりました。

▼なりすましと真似するとコピー

ぼくは仕事でもプライベートも服装やライフスタイル、言動などを「好きな人」や「目標とする人」の真似やコピーは良いと思っています。

ただ、なりすましだとか、過度な所有感覚というのは良いとは思っていません。

なりすましに関しては許せないとまで感じております。
こと仕事に関しては、”なりすまし”というのはなんとも中途半端であり、たとえ成果があったとしても…それはやはり本物でないどころか、自身の実にはならないと考えています。

しかしながら、先輩や先生、他の人の「真似」をすることや「コピー」をすることは非常に大事だと考えています。

お芝居に関して言えば、先生や先輩の喋り方、演じ方、身体の動かし方、考え方を真似する事はお芝居をする上において、”うまくなる”第一歩だと考えています。

現に―――お芝居に限った話ではなく、―――ぼくが今まで仕事をしてきた様々な事は真似から始まり、コピーをしたりしながら覚えてきた事が多いです。

▼真似することの大切さ

どんな仕事でもそうだと思うのですが・・・
先輩や先生がたくさんいます。その方々がやってきたことは、その方々の先輩や先生方が培ってきて、且つ、熟成・進化を続けてきた方法であったり、考え方であります。

自分にとって新しい事を始める時にその方々のやり方や考え方を模倣し、試す事は、仕事を覚える近道だとも言えます。

ただ。
真似すること、コピーだけで終わっては…自身の実にならないと考えています。

何故かというと、どんな仕事でもそうですが、プロになればなるほど・・・その道のプロは『独自の理論』を持っています。
これは万人に共通するところもあれば、その人だけに通用する部分もあります。
その人の仕事にはその『独自の理論』が現れていますし、その理論の中には先人たちの思考ももちろん含まれているのです。

これは、ぼくの仕事柄、色々な職業の方にインタビューして感じた結果でもありますが、この『独自の理論』がある方ほど、ものすごいプロの仕事人であります。

▼独自の理論

この『独自の理論』というのは別に紙に残されているわけではありませんし、その人の頭の中だけにある場合も多いです。
また、けしてその『独自の理論』を明かさない方もいらっしゃいます。

そうした中でもその方々の『仕事』には『独自の理論』が現れていると感じています。

紙に書いてあるわけでもなく、その人の頭の中だけかもしれない、ましてや、自分に適応するかどうかわからない方法や見た目…その『仕事』の方法や見た目を真似するだけでは『独自の理論』にたどり着くことはできないと考えています。

もちろん、先に書きましたように、その仕事に慣れる、覚えるのは、そうした『仕事』の方法や見た目を真似することは非常に大事です。
何故ならば、その方々と同じように出来なくても、仕事の順序や『行うべき仕事』の手順、方法を真似することで、仕事の概要を理解することが出来、自分にあっているかどうかを判断できるよになるからです。

その上で、自分に合わない方法は自分なりに改修し、自分に合ったようにしていく。
手順や方法も自分なりに作り替えていく、というのが仕事をしていく上で大事だと思いますし、そうした進化・熟成は時間がかかるかもしれませんが、自分なりの『独自の理論』になっていき、”その道のプロ”になっていく道筋だと考えています。

▼なりすまし、パクリではなく

冒頭でも申しました、ファーファの偽物。
これにはぼくは『独自の理論』は感じませんし、仕事ではないと感じています。
先ほども申しましたように見た目や方法のコピーだけでは『独自の理論』に行きつくわけはなく、ましてや、なりすましやパクリというのは非常に中途半端な状態だ、と言わざるを得ません。

何故ならば、なりすましやパクリで、一時は目的を達成するかもしれません。しかし、永遠にオリジナルと同化することはなく、独自の理論は構築されません。また、オリジナルと超越することは難しいでしょう。
自分なりの方法や考え方を混ぜて行かなくては、それは『自分の仕事』にはならず、常に何かをパクらなければならなくなるからです。

誤解を恐れずに言えば、パクることや真似すること、コピーすることはけして悪い事ではないと考えています
もちろん、色々な作品、コード、文字、意匠などなどには著作権や肖像権、知的財産権などがありますから、それらを犯すことはできません。
しかしながら、憧れている人の仕事や外見、方法を真似すること、コピーすること、パクることは自分の仕事を進化させる上での方法の一つだと考えています。
しかし、そこから・・・自分なりの解釈、自分なりの方法、自分なりの思想・思考をつくっていかなければ、『自分の仕事』、『独自の理論』にはならないと考えています。

▼ユニーク、UNIQUE

そもそも、人間はユニークな存在です。
誰一人として、同じ人間はいません。
人類が生まれてきて何万年経ったかしりませんし、これから、人類がどれだけ生きていくかしりません。
知りませんが・・・ぼく、という人間はぼくだけの存在であり、この文章を読んで頂いている皆さんも、過去を遡っても未来に時を進めても・・・ユニークな存在です。

ですので、色々な仕事、考え、方法、心、気持ち、感性、身体、頭の中・・・人間はユニークだと感じています。

誰一人として同じ人間はいませんし、考え方や方法、心や頭の中が同じではそれこそ、恐ろしい世界になってしまいます。

ファーファの偽物の報せから感じた事があります。
それは『独自の理論』を持つ者は本物であり、ユニークである我々は全て本物であるということです。
なりすましやコピー、パクりだけで終わっては・・・せっかくユニークな存在であるぼくたちは中途半端は不完全な存在になってしまうのではないか、と今日の報せを聞いて感じました。



舞台演出家の武藤と申します。お気に召しましたら、サポートのほど、よろしくお願いいたします!