SLA「第二言語習得」とはなんぞや。

SLAとはSecond Language Acquisitionの略で、日本語では第二言語習得と訳される言語学の一分野です。平たく言うと、英語や中国語勉強したいなー、でもどうやって勉強するのが効率的なんだろうか、という問いに科学的に証明された解を出すのがSLAです。ということで今回は導入だけですが、このnoteでは英語などの語学の勉強をしている人向けに、科学的に証明されている誰にでも効果のある言語習得のメソッドをお伝えしていくような内容になります。

個人的に新しい物事を始めるときにはどういうやり方でやるのが一番効率的で科学的裏付けがあるのかなどを気にするのですが、こと第二言語習得の話になると意外とネットで検索しても出てこないことに気づきました。「TOEIC〇〇点伸ばした方法!」とか「留学無しでも洋画字幕なしで見れるようになった○○勉強法」なるものはいっぱいあるんですけど、結局個人の成功体験なので再現性があるのかどうかは検証してみないと分からないですよね。そしてそれがどれくらい効率的なやり方なのかも正直分からない。

一方で最近趣味ではまっている筋トレなんかになるとYoutuberが余るほどいてその中に論文の内容をもってきて解説する人や解剖学的見地からトレーニング方法を解説するいわゆる理論派の方が結構いらっしゃる。

言語習得需要なんて今も昔も熱いのになんでこういうやり方自体にフォーカスを当てて解説する人がいないのだろうか、そう思って色々調べてみたところSLAに行きついた、という話です。

SLAでは、言語学習における成功ケースと失敗ケースをたくさん調査し、こういう学習方法は人によって効果が異なるなーとかこういう学習方法はすべての学習者に効果的で再現性があるなーといったことを検証します。どういう学習方法が属人的なもので、どういう学習がみんなに適用可能な原則的なものかはかなりの程度明らかになっているとのこと。例えば、2006年のとある論文で、「先生が教室の中で学生の誤りにフィードバックをしても、不安度の高い学生には効果はなく、不安度の低い学生のみに効果が出た」と示すものがあり、要するにこの論文では、ある人にとってうまくいく学習方法が必ずしも全員にあてはまるわけではない、ということを表しています。これを聞くとネットに転がっている経験則に基づく学習方法はその人だから効果があったのかもしれない、ということになりますね。したがって、SLAをベースにした汎用的に効果のある学習方法が王道のやり方としてあるべきですし、何事でもやり方なんて調べたらいくらでも出てくる時代なので、こうした科学的アプローチへの声が大きくなっていくのではないか、と思っています。

SLAについては日本語で調べてもそれほど情報は出てこず、日本ではあまり取り上げられていないようです。言語習得については外国の方が研究が盛んにおこなわれており、SLAも英語で検索するといっぱい出てきます。ありがたいことに白井恭弘さんというアメリカのピッツバーグ大学の言語学の教授の方がいくつかSLAについての著書を日本語で出されていて、やる気があればそれを読むことで概要とそれに沿った勉強法については学べます。しかし現状は認知度が低く、それを読んだところで自分でどういう学習方法が良いかを考えて実際に組み込むことまでやる人はかなり少数派と考えられるし、そこまで言語習得に情熱がある人はそもそもSLAで重要視されている動機付けをクリアしている確率が高いので基本的にうまく学習が進むはずです。なので、英語や中国語など、言語習得のモチベーションがはあって、さすがにこういう本を何冊か読んだりやり方考えたりするのはめんどくさいけど正統派の勉強方法があるならやりたいなーと思うような方に向けて、より実践的な内容を整理したり、同時に自分でもこのやり方を実践してみて実践者してのコメントなんかも残していったりしたい所存です。

『英語はもっと科学的に学習しよう』 著:白井恭弘https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00QRL8ATY/ref=ppx_yo_dt_b_d_asin_title_o02?ie=UTF8&psc=1

今回は最初の記事ということで簡単な導入だけなのですが、このようにSLAについて自分が勉強したことについて発信して、もっと効率よく科学的な外国語習得のアプローチが広まれば有益なんじゃないかと思っています。いったん媒体はnoteにしましたが、例えば自分がSLAのやり方に沿ったメソッドを使用してその学習成果の過程なんかも見せられたら面白いかなと思うので、音声や動画も上げていくことになるかと思いますので、乞うご期待!



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