見出し画像

第4回:生みの苦しみは直前に。難産の末に爆誕したバリューを使い倒す

ysksai

「Just for Funな組織のバリューを決める旅」連載 第4回目(最終)!

ここまでの連載でお伝えしてきた通り、全社を巻き込んだバリュー策定プロセスは、超特急なスピードながらワクワクを伴って順調に進み、何とか出口が見えました。みんなの意思と熱量は集約され、あとは最終言語化して完成させるだけ。しかし、生みの苦しみはここに潜んでいました。全社ワークショップから完成までにかかった期間は5ヶ月。時間をあけすぎることは熱量の低下を招く悪手ともなりうる中、なぜ当初予定を超えて多くの時間をかけたのか。そしてこれからどうしていくのか。ミッション実現に向けて、バリューを使い倒してみんなで成長していく。そんなストーリーの序章を締めくくります。

1.最終化フェーズでの足踏み

10月の全社ワークショップを終えて、最終確定版は、順調にいけば11月のレビュー会(毎月開催する全社イベント)で発表予定となっていましたが、議論する中で延期することを決めました。
当初予定から時間を置けば置くほど、全社ワークショップでの熱量は低下していくことが予想されたので、正直言えばプロジェクトメンバーもヤキモキしていた部分もあります。
しかし、議論を重ねる過程で経営としての葛藤と並々ならぬ意思も感じたゆえ、腹を括りました。意思を込め切れるまでとことんやろう、と。(キリッ)

2.背景にあった経営としての2つの懸念

延長の背景には、経営として感じていた2つの懸念が影響していました。
一つは言語化によって削ぎ落とされるコンテクスト、もう一つは既に予兆が出始めていた経済環境の変化です。

「言語化によって削ぎ落とされるコンテクスト」
これまでのheyは、ある意味でのハイコンテクストな組織運営を志向してきました。ミッションとして掲げている「Just for Fun」という言葉は、共通のものでありつつ人それぞれの文脈や価値観によって解釈にゆらぎのあるものでもあります。また、オフィス内にはアート作品が置いてあったり、デザインにこだわったheyグッズを商品化してみたり、言葉以外で”heyらしさ”を感じることも多くありました。それらは解釈のゆらぎを生じやすいものであり、組織運営上では一見非効率な面もあるのですが、それ以上に「ハマる人にはハマる」という不思議な魅力がありました。それがheyとしてのユニークさを生み出していたのです。
しかし、企画編でも言及した通り、組織も拡大してきたことを受けてバリューの具体化は経営として必要だと判断して進めてきました。
それなら迷うこともないではないか、と思われるかもしれませんが、最も悩ましかったのはハイコンテクストからローコンテクストへの変化度合いでした。
読めばわかるレベルのシンプルなローコンテクスト化は、効率性という観点では一見正しそうなのですが、自社ならではのユニークな価値を生み出す創造性という観点では必ずしも良いわけではありません。0−100では無く、今回の言語化で目指すべきちょうど良い塩梅はどのあたりなのか、という感触を言語化してみてはボツにしてを繰り返しながら探っていたのです。

「既に予兆が出始めていた経済環境の変化」
もう一つは経済環境の変化です。詳細は割愛しますが、米国での金利上昇やインフレによる影響が株式マーケットに現れ始め、活況だったベンチャー投資にも徐々に変化が出始めていました。
どこまでの大きな変化が見込まれ、それによって経営として変えていくべきことは何か。それを冷静に見極めた上で言葉に反映していかないと、決めたはいいけどすぐに陳腐化してしまうリスクを感じていたのです。

3.最終確定、そして満を持しての全社発表

そうした懸念を払拭するように、シンプルな言葉に集約するのは一旦保留し、heyのファウンダーである佐藤と佐俣の間で議論に議論を重ね(時に寝かせ…)、大事にしたいことを言葉に尽くした長文を完成させたのです。パッケージング前の剥き出し状態でしたが、全ての基点になるものとして説得力のあるものでした。
そこから先は、発表する日程を決め、そこに向けて佐俣とデザイナーTakamasa Matsumotoを中心に千本ノックのような言葉の磨き込みが行われ、ようやくバリューとして最終化したのは発表前日。全社ワークショップから5ヶ月後の2022年3月でした。

4.いよいよ浸透・実践フェーズ

紆余曲折ありながらも、いよいよバリューの浸透・実践フェーズに入るスタートラインに立ちました。
バリューの浸透・実践とはなんなのか。その本質は組織変革だと考えています。
戦略推進に必要な組織変革をブーストする道具としてバリューを使っていく。それが今後の浸透・実践で実現したいことです。

余談ですが、組織変革は大きく原点回帰型と変革創造型に分けられ、どちらに比重を置くのかで施策のアプローチは微妙に異なります。昨年夏頃においては、人員増加に伴う自社らしさの薄まりを補強する原点回帰の要素が一定ありましたが、急激な経営環境の変化を受けて変革創造の色合いがより濃くなったのが今回のバリューです。
その場合のアプローチとしては、歴史と紐づけて落とし込んでいくよりも、実践の中から良い変化の兆しを見出して伝播させていくアプローチに厚みを置いていくことが有効です。

そして、いずれにしても最重要なのが一人ひとりが実践者であるという「自分ごと化」。
一般的に、策定時点で全社員巻き込み型でやるケースは、そのプロセスにおいて自分ごと化が一定進んでいます。hey社においても当初はそれを狙っていましたが、時間があいたことでその効果は薄まっているだろうことは懸念材料でした。
しかし蓋を開けてみれば、現場での自発的なワークショップやSlackスタンプの積極的な活用など「自分ごと化」の兆しはそこかしらで生まれており、あらためてheyに集っている人たちは素敵だなと誇らしく感じています。(身内自慢)

デザイン部門でのワークショップの様子


もちろん現場任せばかりではなく、全社視点での施策全体像を整理した上で、関係各所と連携しながら順次施策を展開しています。

バリュー浸透企画を担っているPX部門・山口を中心にプランニング


社内のいたるところにバリューのグラフィックを使ったポスターが掲示されています。
エントランスにもあるので社外からの来客者の方もご覧いただくことができます。


全社レビュー会の様子
heyで活用しているピアボーナスを使い、
バリューのハッシュタグを用いた投稿から経営陣が「推しポス」を選びます。
どんなところがバリューを体現していて素晴らしいかを毎月の全社会議でシェアしています。


佐藤、佐俣が毎回ゲストの人となりを紹介しながらバリューについて語る
「バリューラジオ」を隔週で開催。
ゲストは次のゲストをサプライズで指名することになっており、
毎回お楽しみとなっています。

5.Just for Fun実現に向けて

今回のバリュー浸透・実践はスタートしたばかりであり、やりたいこと、やるべきことは盛り沢山。まずはしっかりと使い倒していくことに注力していきます。
一方で、今回策定したバリューは未来永劫使い続ける類のものではなく、ある種の賞味期限があるものと置いています。このバリューが当たり前になったら、次なる変化に向けてバリューをアップデートする時です。

Just for Funな社会の実現は決して簡単なことではなく、その長い旅路をお客さんによろこばれ続けながら歩んでいきたいと思っています。そのために、バリューも含めて私たち自身が変化・進化しながらたのしくあり続けることが原動力になると信じています。

その長い旅路における取り組み詳細などは、今後も発信していきたいと思いますので、
これからも応援のほどよろしくお願いいたします!
Just for Fun!


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ysksai
お商売のデジタル化をまるっと支援する「STORES プラットフォーム」を展開するヘイ株式会社にて、ミッション実現に向けた人・組織づくりに取り組んでいます。