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大切なレストラン

良いレストラン知ってる?と聞かれたらいつも答えるところ。すると多くの友人がその場で調べ始めて、出てくる記事や画像を見て、キャンプのような体験ができるレストラン?自然を楽しめるところ?と聞いてくれます。聞いてくれるのだけど、どうも返事に戸惑ってしまう。僕の自然やキャンプ好きなパーソナリティも相まって、いわゆるコンセプトが尖っている、ただ珍しい体験ができる場所として、陳腐に伝わってしまうことが、なんとなく悔しいから。

ウェルカムドリンク
庭でいただく

昨年先輩に連れて来てもらってから殆ど1年が経ったつい先日、再びMarutaを訪れました。変わらず素敵なお店に料理。緑豊かな庭と大きな暖炉があり、庭の草木や地元で採れた食材やお店と縁のある生産者さんの食材を、暖炉の薪で焼いてもらう。野性と繊細さを同時に感じられる素晴らしい時間を過ごしました。庭先でウェルカムドリンクを飲んだり、暖炉でデザートを自ら焼いたり、アイコニックな体験がいくつもあり、本当に驚きの連続。料理が絶品なのは言うまでもないですね。


はじめて飲むドリンク
裏にはお店を象徴する暖炉

でもここには、もっとこう、物質的ではない、言葉にしがたい不思議な心地よさがあるなあと感じていた最中、印象的な場面がありました。それは食事の話ではないのですが、来ていた小さな子供たちが、庭のどこかで採れた草木を楽しげにスタッフの方に見せたとき。彼は子供の目線に姿勢を落として、「へー!それ見たことないな、どこで採れたか教えてよ」と。嬉しそうな子供達に手を取られ、一緒に庭先へ繰り出していきました。何気ない瞬間でしたが、この店の不思議な魅力の源泉を少しだけ理解したような気がします。


デザート

あらゆることの物質的な差がなくなる中、とにかくコンセプトを尖らせて、尖らせすぎて実が伴わず、一瞬で消費されてしまう。なんてモノゴトが溢れすぎている世の中な気がしてます。Marutaでの体験はあまりに特別で、だからこそ、ネットで見かける記事にはやっぱりそんな表の特別さやコンセプトに焦点が当たっているものが多い。でも一度訪れれば、ここは世の中の多くとは一線を画する場所だと、感じると思います。尖ってるのではない、磨き抜かれてるのだと。なぜなら、この店の真ん中には、Marutaの考えに共鳴し、信じて、楽しんでいる魅力的な人たちが居るのだから。

大事な人と、大事な日にでも何気ない1日にでも、
ぜひ訪れて欲しいなと、心から思います。


Maruta

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