日誌「毎度お馴染み、流浪の番組」 #735
「春は出会いと別れの季節」などと云う。卒業式があれば入学式もある。特に学生は感情が揺れ動く時期だろう。今夜、その中で『タモリ倶楽部』が最終回を迎える。自分が生まれる10年程前に開始された番組が令和になっても続いていることがまず凄い。自分の中では空耳アワーはもちろんのこと“タモリ電車クラブ”シリーズが特に好きだった。東京メトロ副都心線が開業した際の回は、見ていて興奮したのを覚えている。何より電車の知識を知らない自分としては、出演している方々の並じゃない“熱”が伝わってきて面白かったのかもしれない。
どんな分野にも熱を持って取り組む人がいる。大多数の視聴者には役に立たない事物だとしても、真剣に取り上げていた番組だったと思う。誰がオーディオのための“マイ電柱”を見て「買おう!」と思うだろうか。つまり、そこはどうでも良かったのだと思う。そして、どんな内容でもタモリさんの知識の広さが端々で炸裂する。最終回は“タモリ流レシピを訂正しよう”だそう。名場面を振り返るわけでも、縁のゲストが総出演するでもない。きっと、いつも通り喋りながらタモリさんが料理を作っては皆んなで食べるのだろう。それが毎度お馴染み、流浪の番組。