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こまかいこと

▼4年前,ニューヨークを訪れた時,途中のミネアポリス空港で飛行機を乗り継いだのですが,待ち時間があったので何か食べようと思い,SMACK SHACK でシュリンプサンドを注文しました。

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▼実はこの時,人生二度目の海外旅行で,おまけに初のアメリカ+初の一人旅ということで,緊張感の中,目にするものすべてが新鮮で,あらゆるものに違和感を覚えるような心持ちだったので特にそうだったのかもしれませんが,この店で,軽いカルチャーショックを受けたのです。

▼店には恰幅の良い中年の女性店員が二人いて,カウンターの中で大声で談笑していました。それを目にした瞬間,「ああ,日本だったらきっとクレームが入っただろうな」と思いました。たとえ気軽に入れるファストフード店でも,日本の空港に入っている店舗では,店員が客に聞こえるような大声で談笑している風景なんて,全く想像できません。もちろん,これはどちらかが正しくてどちらかが間違っている,という問題ではありません。文化や社会が異なる以上,考え方が異なるのは当然のことですから。ただ,こうした「おおらかさ」を目の当たりにすると,日本の「こまかさ」が嫌でも目についてしまうのも確かですし,その「こまかさ」が「息苦しさ」「生きづらさ」にもつながっているのだろう,と思わずにはいられませんでした。

▼ニューヨークに到着し,老舗の有名なステーキハウス「ピータールーガー」を訪れた時も,こうした「おおらかさ」を感じることがありました。私はカウンター席に案内されたのですが,カウンターの中では,恰幅のいい高齢の男性店員が木箱の上に片足を乗せ,まるで「波止場でビットに片足を乗せてポーズをとる石原裕次郎」のような格好で客を眺めていたのです。すごくカッコよかったのですが,これも日本じゃまず見かけないなぁ,と思い,なんだか可笑しくなりました。

▼一昨年,マカオに行った時もそうでした。空港に到着し,到着ロビーに出ると,レンタカーやホテルのカウンターが並んでいたのですが,その店員たちがやはりにこやかに談笑し,中には,カウンターの外でタイトスカートをはいた係員の女性たちがカウンター脇の壁の出っ張った部分に足を組んで座り,スマホを操作しているのを見かけました。これも日本の空港ではまずありえない風景だなぁ,と思ったのです。

▼もちろん,全ての日本人が同じようにこまかいことを気にするわけではないでしょうから,「日本人はこまかいことにこだわりすぎる」と一般化するのは性急かもしれません。ただ,これらのような些細なことであっても,私にとっては大きな違和感を感じる出来事であり,日本の「こまかさ」「息苦しさ」に気づかせてくれたのは確かです。

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