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「学ぶわくわく感と、人とつながる楽しさがある」野菜ソムリエになって得たもの〜山﨑ゆりかさん〜

野菜ソムリエインターナショナル部によるインタビュー企画の2回目は、野菜ソムリエプロ山﨑ゆりかさんです。
コミュニティの副代表を務めあげ、多くの野菜ソムリエ仲間とつながる山﨑さんに、資格を取得したきっかけやこれまでの経緯を伺いました。

夫の転職をきっかけに資格取得を決意


−野菜ソムリエに興味をもったきっかけを教えてください。

「夫が転職したことがきっかけです。結婚後夫が鰻屋に転職し、店を出すために、家でも魚を捌く練習をしていた時期がありました。夫婦で店をやるならどんな店がいいかなと考えていたときに、テレビ番組でロンドンブーツの淳さんが野菜の目利きをやっていたのを観て、「鰻と野菜って面白いかも」と思い、野菜ソムリエを受講することにしました。

2010年にジュニア野菜ソムリエ(当時)になってから2年後に野菜ソムリエになるまで、5回受験に挑戦しました。途中諦めようとも思いましたが、一緒に通学していた同期が励ましてくれたことで、なんとか合格できましたね。

ただ紆余曲折あって結局店を出すことはなくなってしまい…このままではもったいない!(笑)と思って、さまざまな野菜ソムリエイベントに参加しました。」

−なるほど。はじめはイベント参加が中心だったんですね。

「そうです。協会のイベントや企画に参加していました。思えば社会人になってから学ぶ機会ってほとんどなかったんですが、イベントで『知らない』ことを『知る』ことで、自分がわくわくしているのを実感しましたね。野菜ソムリエって楽しいな、と思いました。」

参加する側から発信する側へ


「そうしていろんなイベントに参加しているうちに、だんだん私も人に伝えてみたいなと思うようになりました。そしたら、2015年に協会から野菜教室のイベントに登壇してみませんか、とお声がけをいただいたんです。これまでそういう経験がなかったので、不安はあったけど、挑戦することにしました。」

−最初のイベントはどんな内容だったんですか?

「れんこんをテーマにした教室でした。アシスタントとして他の野菜ソムリエさんに入ってもらい、座学形式でれんこんを学びながらみんなで試食する、という流れです。
初めて人前で話したときは上手く喋れなくて恥ずかしさもありましたが、私の言葉に『うんうん』と頷いてくれたり、『講座に参加して発見があった』と言ってもらえました。反応がもらえて楽しかったですね。

また協会のイベントに参加し他の野菜ソムリエさんとつながりが増えたことで、『宮崎野菜の販売をやりませんか』とお声がけをいただきました。」

マルシェ販売の様子

宮崎野菜の生産者とのつながり


−宮崎の生産者さんとのつながりや仕事内容についても聞かせてください。

「私が関わっているのは、都内で宮崎県野菜の販売をお手伝いする仕事です。お声がけをいただいてから実際に現地をまわりましたが、とても楽しかったです。先方の都合でストップした時期もありましたが、今も長くお付き合いさせていただき、新宿駅からすぐにある「新宿みやざき館KONNE」で、月に1回野菜販売をしています。
もともと宮崎県に縁があったわけではありませんでしたが、マルシェやアンテナショップの販売を通して、宮崎のいろいろな方とつながりを持つことができました。」

新宿みやざき館KONNEの店内

−宮崎の野菜はどんな特徴がありますか。


「宮崎県は、気候や地理を上手に活かして農業をしているのが特徴です。
例えば冬でも気候が暖かいため、ナス、ピーマン、トマト、ズッキーニなどの夏野菜が採れます。また宮崎県は台風の影響を受けやすい位置にあるため、7月末にはお米が収穫できるように早い時期から稲作をしています。だから、宮崎は全国でもっとも早く新米が食べられる地域なんです。

このほかにも、暑い時期に唐辛子の露地栽培に挑戦したり、採れた野菜をイタリアンレストランや火鍋料理店へのサブスク販売を計画するなどさまざまなことにチャレンジをしています。生産者さんたちに倣って、私も東京で飛び込み営業する予定です(笑)」

野菜ソムリエコミュニティTOKYOとの出会い


−山﨑さんといえば、コミュニティTOKYOとの関わりも深いですよね。参加したきっかけはなんですか?

「初めてコミュニティTOKYOに参加したのは、2013年6月の総会でした。まだ立ち上げたばかりで、当時は協会の会場で開催していましたね。

そこで同い年の子供がいる杉山さんと意気投合し、オブザーバーとして定例会に参加するようになりました。そうして何度か参加していたところ、翌年にコミュニティ役員として、さらに2016年には副代表としてお声がけいただき、6年間務めました。

私は副代表として何かができたわけではないけれど、在任中の2017年に野菜ソムリエアワードに登壇して、コミュニティ部門で銀賞をいただけたのは嬉しかったです。登壇をきっかけに、当時のメンバーと深くつながることができました。」

−アワード受賞はこれまでの人とのつながりと活動の集大成ですね!登壇するまでの様子を聞かせてください。

「コミュニティ役員の中からアワードチームを作ってから、練習ではとにかく原稿を覚えて、心を込めて話すように努力しました。限られた時間の中で登壇するので、つまずいてしまったら時間オーバーになるというプレッシャーがありました。身振り手振りもこっちの方がいい、いややっぱりこっちがいい、とどうしたらコミュニティTOKYOの活動を知ってもらえるかとメンバーと試行錯誤しながら作り上げました。

また、本番直前は、カラオケボックスで練習していたこともあります。当時は娘が小学生だったので、夜の練習の時は夫には早く帰ってきてもらってバトンタッチするなど、家族にも協力・応援してもらいました。

チーム力で獲得したアワード銀賞

当日のプレゼンの後は、その場にいた投票者の方々から『もちろん投票したよ!』と声をかけてもらえたのが、とにかく嬉しかったですね。まさか受賞できると思っていなかったので、『プレゼンを聞いて、コミュニティTOKYOが受賞すると思ったよ!』と言ってもらえて本当にびっくりしましたが、それ以上に、伝わったという嬉しさの方が勝りました。だから、コミュニティメンバーみんなで勝ち取った銀賞には、メンバーや家族と協力したことや、伝えたいことが伝わった嬉しさなど、色々な想いが詰まっています。」

野菜ソムリエだから感じる「つながり」と「日常」


−山﨑さんにとって、野菜ソムリエとはどんな資格ですか?

「大きく2つあります。一つは人とのつながりを実感できる資格です。アワードでのつながりも得がたい経験ですが、野菜ソムリエにはいろんな方がいますよね。野菜だけでなく、お酒が好きな方やチーズが好きな方など「食」が好きな方が多いです。食べることを通して人とつながれるのは楽しいですね。

宮崎野菜の販売に立つ山﨑さん

もう一つは、日常に密着した資格だと思います。資格の知識が、仕事だけでなくスーパーの目利きにも活かせますよね。また旅先に行くと直売所をのぞくのが楽しみになりました。その土地の野菜のことや食べ方がチラシに書かれていて、わくわくします。くらしに密接しながら、知らなかったことが知れる資格だと思います。」


コミュニティTOKYOだけでなく、ママ野菜ソムリエサークルやインターナショナル部、協会の方々ともつながりながら自分らしく活動している山﨑さん。お話を聞いて「やってみたい!」と思えることに参加しながら、少しずつ挑戦を重ねてきた結果が現在につながっていると感じました。ありがとうございました!

山﨑さんのFacebook:https://www.facebook.com/yurika.yamazaki.14
インタビュー&文:みつはしさなこ


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