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新書執筆日記

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現在執筆中の新書にまつわる日記です。
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#鶴見俊輔

新書執筆日記20240305

新書執筆日記20240305

昨年始めに新書の企画が通り、今年出版するために原稿を書いています。
そのメモを。

今日はこれまで書いた原稿をまとめて章の構成を作成して字数も計算する。いい感じで書いていて、これからも良いのが書けそう。

鶴見俊輔と音楽文化
鶴見と音楽文化については『限界芸術論』に収録された「流行歌の歴史」があり、ここでテーマとして取り上げられている「替え歌」は、1960年代後半に展開されたフォークソング運動にお

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新書執筆日記20240216

鶴見俊輔が関係する資料を読んでいて、鶴見の大衆文化論は漫画が代表的ではあるが、音楽についてもさまざまな場面で語っていることを発見した。音楽と限界芸術論としては、ルソーのコミュニケーション論を媒介にして展開されていたのだが(粟谷、博士論文、2018,2023)、フォークソングへの関心以前にも行進曲の歌を作ったということを語っている。 #新書 #研究

新書執筆日記:鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」を読む

新書執筆日記:鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」を読む

今日の研究。
鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」

・ソローの引用(ソローの市民的抵抗についても文献を読むこと。)
・市民と非暴力抵抗運動。

鶴見によると、1960年5月22日に大相撲の千秋楽を見に行った帰り、夕刊で竹内好の辞任の記事を読む。

それから5月30日に東京工業大学に辞表を提出し、6月1日教授会で最後の挨拶をする。

そして61年

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鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

ノート
鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ コミュニケーションとコミュニティーについて
著書『限界芸術論からの文化研究』第1章 限界芸術論の文化社会学 3節 鶴見と文化研究 4大衆文化と日常を考えるために より

鶴見のコミュニケーション論は、例えば市井三郎によれば記号や言語とまとめられるものであり、ウィリアムズのような「コミュニティ」とのつながりは強調されていない。しかし鶴見はロバート

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新書執筆日記20240129

新書執筆日記20240129

現在執筆中の新書で、その中の一章となる「鶴見俊輔と音楽文化論」では、『限界芸術論』に収録の「流行歌の歴史」が「ルソーのコミュニケイション論」につながることを改めて取り上げています。これは、2016年の博士論文とその書籍化である『限界芸術論と現代文化研究』(ハーベスト社)で書いていたことです。

フォークソング運動関係のインタビューを聞く。資料では書かれていないこともわかるのがインタビューの良さの一

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新書執筆日記20240123その2

新書執筆日記20240123その2

『思想の科学』における、mass,common men,ordinary peopleについて英語圏で研究されている。
『思想の科学』では「大衆」というワードを避けていたという記述がある。言わんとすることはわからないでもないが、字義通り受け取ってしまうと間違う可能性があるだろう。つまり集団は否定されていない。鶴見俊輔は大衆をポジティブに捉えているところがある。これは博士論文から研究しているところで

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