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This time is different なのか?

先週(4月17日〜21日)の各国の経済・金融状況を簡潔に述べると、
・米国では景気関連データが強弱まちまち
・英国ではCPI(消費者物価指数)が2桁台にとどまるなどインフレ高止まり
・中国の1−3月期のGDPは前年同月比4.5%と良好
・日本は次回の金融政策会合でイールドカーブ・コントロールの修正がなさそう

そして、米国の金融当局者は今後の利上げに関して、
・概ねあと1回で様子見(一部のタカ派はさらなる利上げを主張)
・米地銀問題後も銀行システムは健全で強靭との見方だが、家計や企業に対する与信環境への影響を気にしている面もある

という状況でした。

個人的には、米地銀問題が金融引き締めと同じ効果を与える中で実施された3月追加利上げは、6〜9ヵ月後あたりにその影響が出てくるのではないかと見ていますが、今のところは、米国は景気後退に陥ると言われながらも、なかなかそうならない展開が続いています。

米経済の予想外の粘り強さについては、少し前にWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙で報じられていたように、①コロナの衝撃を和らげるために取られた措置によって家計や企業の財務が良好、②材料や労働力の不足によって金利に敏感な住宅・自動車市場が持ちこたえている、③コロナへの警戒が解かれて消費者が外食や旅行など多くの労働者を必要とするサービスへの支出を増やした、といった要因が挙げられています。

そのため、市場の一部では、今回は労働市場が強い、サービス業が強い、といった理由から景気後退にならないとの見方が台頭してきています。今回は今までと違うというThis time is differentです。ただし、こう言っても、結局は今までと同じだったという結果になることが多いです。

今回、もしも景気後退に陥らないとすると、過去に経済指標や金融動向が示唆してきた景気後退のサインが役に立たなくなったことを表すものであり、結構大きな話になってきます。

私が見ているもので、気になっているのは、
a)米国の2年−10年金利の逆転
b)大幅低下している景気先行指数
c)大幅厳格化している貸出態度
でして、いずれも過去においては景気後退をほぼ的確に予想していました。

私はこれらのサインは今なお重要だと考えていますが、ここ最近は上記の①②③などの要因から、今までのサインとの間にずれが生じているとの見方が台頭してきています。つまり、今回は違う、This time is differentです。

米国株もそれに合わせて、底堅い値動きとなっています。確かに、上記a、b、cのサインが関係なければ、S&P500などの米主要株価指数は上昇しそうなチャートにも見えます(ただし、PER(株価収益率)などのバリュエーション分析では割安感はなく、やや割高水準ですが)。

しかし、もしも景気後退のサインがまだ有効で、それが現実のものとなるのであれば、株価はここから下落する可能性を見ておく必要があります。

金融当局もエコノミストもアナリストも経済・金融の予想が難しい環境が続いています。このような時に私たちができることは、日々の動向を追いながら、先行きのシナリオを何通りか用意し、その軽重を調整しながら、目線は長期において、自分に合った資産形成を継続していくことです(ちなみに私が主催している「資産形成プログラム」ではこういったことをより分かりやすく、自分のものにしていただけるようにお話を差し上げています☺️)。

引き続き楽しく増やす資産形成をしていきましょう〜😊

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