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Polimi Design PhD festival 2020 Day3

Buonasera. 今日は最終日でした。とても刺激的で勉強になった一日でした。

PhDディフェンスセッション

学生2人の公聴会に参加しました。初めての参加。30分発表で、15分質問会という流れ。

最初に聞いた学生は、中国人の学生の発表。リサーチの構造が非常にわかりやすく、聞いていて安心感がありました。なるほど、こうやってリサーチを組み立てて実践すればいいのか、というまさに模範解答のよう。のちにこの学生は、最優秀賞を受賞してました。やはり、良い研究を見ることは大切。長い博士課程の道のりのゴールがイメージできて、非常に有意義でした。そして僕にとっては、博士課程の論文は、スコープをしっかり区切れば、必ずしも超絶長いプロジェクトを実施せずともOKということ。これは非常に学びがありました。そりゃそうですよね。3年で卒業できなくなっちゃう。

一方、二人目。この学生は、正直あかんレベルでしたね。コミッティーの教授陣からも柔らかいようでいて、かなり辛辣なコメントが飛び交っていました。

What is the piece of knowledge that you have contributed to the scientific community?

これ、非常に大事ですね。デザイン学の「知の体系(GAS)」に対して、どのような知的貢献をするのか。これが博士課程、ひいてはその後の研究者として、学者として、最も求められる営みです。それができないと、博士ではありません。修士ですよ、と。なかなか辛辣なコメントが飛び交い、一時場は凍りつきました。(´;ω;`)

我々一年生も、ひぇぇぇ、という感じ。

3年後ああならないように、頑張ろう、とお互いに誓い合ったのでした。

DESIS PHILOSOPHY TALKS **#7**.1

昨日に引き続き、各大学教授陣による、『ソーシャルデザインを巡る哲学』のトークセッション。

これを聞いて、一番思ったのは、これだけ「哲学的な」議論を、国際的にできるこの場が、アカデミアとしてとても刺激的だ、ということ。

これ、本当に刺激的なんです。ソクラテスとプラトンの議論から連綿と続くヨーロッパの哲学議論とはこういう文化なのか、そんなふうに感じさせてくれます。

私たちは、地球レベルで哲学をしなければならない。そのためのAtrractorを作ることが、デザインの営みなのだ。

デザインは色形ではない、それはもう20世紀のデザインですね。21世紀のデザイン、というか、2020年から先のデザインとは何なんでしょうか。そこには『哲学』がなくてはいけない。それは、もはや何かを形作るとかそういう次元ではないのです。

人類が直面している課題の大きさを考えれば、消費社会のために貢献するデザインをアカデミズムは考えている場合ではない。大学は、率先して次世代の『哲学』を持ったデザイナーを育てなければならない、そういうメッセージが隅々まで散りばめられた濃厚なセッションでした。

これだけ「地球規模の」話をしているのに、欧米諸国の大学だけで成り立っていたことが、少し残念な思いもありました。こういったアカデミックな場に、どんどん欧米だけでなく、アジアやオセアニア、南米の研究者が発言できるようにならなければならない、そう思うきっかけにもなりました。

Ciao Grazie!

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