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ボジョレーヌーボー

お手伝いを始めてから今年の収穫で三期目、ということで色々と任せてもらえる内容も増えてきましたが、オーナーの方から小さなバッチを任せてもらえることになりました。

オーナーのアドバイスをもらいながら、自分の興味のあった全房発酵で実験的なワイン造りを試みます。本来はフランスでガメイという品種を用いられますが、僕のワインはオーナーが今年にロゼを作っているZinfandelという品種です。

通常の赤ワインでは除梗/破砕を行い葡萄ジュースに皮や種が浸っている状態で発酵させますが、全房発酵の場合、本来は葡萄の重みで自然に果実がつぶれたところから発酵が進みます。一方で、僕は少量のため最初の方は葡萄がほぼ丸々残る形でジュースはほとんどありません。そのため、発酵に至るまで時間を要しました。

結果的には酵母を入れて暫くしてから少し果実を潰すことにします。
1週間もするとこんな感じです。

既にプレスまで終わり、その後は二次(MRL)発酵も考えましたが、せっかくのフレッシュな感じを残したかったので、そのままの状態で瓶詰しようと思っています。通常の一次発酵では除梗/破砕で果実が潰れているため、発酵の完了時には糖が全てアルコールに変わっていますが、全房発酵の場合は果実がそのままの形で残っているため、プレス時に果実が潰れて糖がさらに絞り出されます。そのため、プレス後のワインでも僅かに一次発酵が続いている状態です。

先日ワイナリーの収穫祭でプレス直後のワインを試飲した時には甘かったですが、瓶詰する際には追加分の糖も全てアルコールに変わっているため、最終的には少しドライな感じになります。また、元々の糖度も少なかったので、アルコールも低めのワインに仕上がりました。

自分にとってはもちろんですが、オーナーにとっても初の試みだったので、一緒に色々と試行錯誤していく過程がとても本当に楽しかったです。こんな貴重な機会をくれたオーナーには本当に感謝しかないです。また一歩ワイン造りに沼ってしまいそうです。

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