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採用はマーケティング⑤ ~カジュアル面談、なんぞ?~

ここ数年でしょうか。
転職活動の現場で、「カジュアル面談」という謎の言葉をよく聞くようになった。
エージェントの方もこの「カジュアル面談」を受けることを薦めてくる。

なんですか、それ? 面接と何が違うんですか? という質問に、上手に答えてくれる人はまだ現れない。

ググってみると、
・企業と候補者が対等に質問し合う場
・お互いの理解を深める場
・選考の要素はない
などなどと出てくるが、まだピンとこないというのが正直なところ。

面接だって、企業と候補者が対等に質問し合い、お互いの理解を深める場のはずでしょう。(違うのかな?)
結局ここに見え隠れするのは、「面接は企業が候補者を選ぶ場」という考え方な気がしてならない。
面接の場では、個人も企業を選んでいるということは忘れられがち。
それがこの「カジュアル面談」の目的の部分にしみ出してくるから、やっぱりな、と、がっかりしてしまう。

カジュアル面談のときは同じステージでお話しして、いざ面接になったら、企業側が一段上から接してくるということでしょう?(違うのかな?)


かくいう私は、このカジュアル面談を3回受けたことがある。
内容は、企業によっていろいろだった。

会社について細かく説明してくれて、「さあ今日の話を前提に応募するかどうか決めてくださいね、ぜひ応募してくださいね」という、企業のアピール型。
も、あれば、
募集ポジションの上司の方が出てきて、経歴や転職を考えている理由などを聞かれる、これって面接ですよね型。
も、あった。

候補者としては、前者だと大変にありがたい。
面接ではどうしても企業から候補者への質問がその時間の大半を占めてしまうので、企業のことをしっかり説明してもらえるのはとても貴重。
後者の場合、面接に進んだらまたこれ同じこと話すんだろうか、と思いながら話をする自分。この話は選考に関係ないって、んなことある? な時間。


企業を売り込むマーケティングで考えるなら、カジュアル面談はお試し施策といったところか。

いきなり申し込むの、ハードル高いですよね、一度お話しましょう。
一度お試しに来てください、みたいなこと?

そうだとしたら、この面談を行うと決めている人(おそらく人事)が思っている目的と、実際の面談の方法や内容がずれてしまっているように感じる。

目的があって、ターゲットがはっきりしていて、そこから手法。
企画と実施の担当者が違うなら、ここはしっかりすり合わせを。
商品を売るマーケティングも、良い人に応募してほしい採用活動も、やっぱり共通している点はいろいろありそうだ。

この面談は、根付いていくのかな。
そうだとしたら、その定義や目的がどう定まっていくのか、とても興味がある。


今日も読んでいただきありがとうございました。

(今日の1枚は、2007年9月、ウズベキスタンにて。)

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