大事なのは“自分らしく”あることなのだと、『クィア・アイ』から学んだ話

Netflixに契約してからというもの、「Netflixで何見てます?おすすめ教えてください!」と、周りの人に聞いてはマイリストに追加する生活になった。

そんなとき、大学の先輩でもある田中伶さんが「クィア・アイ」というドキュメンタリー番組をnoteで紹介していて、面白そうだったし、ちょうど契約したこともあり、ふらっと見てみてすぐに圧倒された。あまりに素晴らしすぎたのだ。

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この番組は、インテリア担当のBobby、フード・ワイン担当のAntoni、グルーミング担当のJonathan、カルチャー担当のKaramo、ファッション担当のTan、全員合わせた「Fab5」(= 最高にイケてる5人のゲイたち)が、登場する素人たちをどんどん改造させていくリアリティーショー。

何がすごいって、見た目の改造だけにとどまらず、カルチャ—から家の中までも大改造してしまうところ。その改造の規模が日本と全然ちがっていて、見ていて気持ちが良い。特にインテリアなんて、毎回登場人物の求めるテーマに合わせて変えていく。1回45分間のうちに何度も驚く場面に出くわすので、見逃せないシーンが多すぎる。

長年伸ばしてきたひげを剃ったり、ぼろぼろのスニーカーを上品な革靴に変えたり。外見を変えるのは簡単だけれど、彼らの大改造は本人だけにとどまらない。インテリア担当がやってきて本人が住む家の中まで大改造し、家具も雑貨もクローゼットの中身もまるごと変えてしまう。

- 人が自信を取り戻す瞬間

登場人物の話を深掘りしていくと同時に、Fab5たちも少しずつ身の上話をしていくところも、この番組の見どころ。登場人物の心身の変化だけでなく、Fab5の過去話にも勇気づけられる。今の彼らはこんなに元気を与える側の人間なのに、過去には辛い経験をたくさんしていたことも知った。

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「君が変身できたのは君自信の実力」「これ以上、あなたの顔を見てたら私が好きになっちゃいそう」「君の学ぶ姿勢がなかったらこんなふうには変われなかった」「ちょっと待ってよ、こんなハンサムどこにいたの?」 and more...

他にも「なんてゴージャスなの!」とか、存在すべてを肯定するような褒め言葉を相手にどんどん伝えていく。さらに、髪や髭をさっぱりさせたり、バンジージャンプやボクシングをして身体を動かしたりしていくうちに、登場人物がどんどん自信を取り戻していく様子が、表情から見てもわかる。そんな瞬間を垣間見ては感動したし、何度も涙がぽろぽろとこぼれた(だから見る時間は、毎回深夜)。

そして、相手の目を見て真剣に伝える彼らの真っ直ぐな褒め言葉に「自分もこんな風に誰かを褒めてみたい……」と思って、誰かを無性に褒めたい衝動に駆られる。

特に好きなのは、シーズン2の1話目「ゲイに神のご加護を」。その回の登場人物は、ゲイの息子を持つ母・タミー。彼がゲイだからという理由で教会を去ってから悲しんでいた彼女が大改造を遂げ、最後に教会でスピーチをするシーンは、涙無くしては見られない。

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そして3月15日。『クィア・アイ』のシーズン3がはじまった。テーマは「Love Yourself」。ありのままの自分自身を愛そう。

配信されるまで、このインスタの予告ムービーを何度も見た。Carly Rae Jepsenの新曲「Now That I Found You」を何度も聞いた。

今回登場する人たちは、狩猟をしている女性、BBQショップを経営する姉妹など、これまでとは違った人たちが多く登場する。そこでFab5が何度も語るのは、「君らしさを大事にしてほしい」ということ。

「自分には良いところがたくさんあるはず。それは、誰かと比べたり性別で判断したりする必要はなく、自分らしいかどうかを大事にするべき」という強い意志を、シーズン3を通して何度も感じた。

Fab5は登場人物の原石を磨くことができるパワーを持っていて、それを僕ら視聴者にまで伝えることができる。劇的な変化が毎回素晴らしくて(時にはクスリと笑えて)最高で、自分らしさを大事にしようと思える。

このドキュメンタリーを知れて本当に良かった。誰かにおすすめを聞くと同時に話すことは、決まって「『クィア・アイ』って知ってます?」だ。

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ここまで読んで『クィア・アイ』を見てみたくなった人は、まずは半井さんのnoteを読んでみるのがおすすめです。彼ら5人についての詳細な情報をまとめてくれています↓

次シーズンは、ついに日本かな? 次もめちゃくちゃたのしみ。

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