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育休について僕が勘違いしていたこと

「急にびっくりさせてごめんね。実は私、子どもができたの」
「えー!おめでとうございます!!」
「ありがとう」
「赤ちゃん、今は何ヶ月目です? ちなみに性別は?」

・・・

昔、仲良くさせてもらっていた尊敬している先輩が、子どもを産むのだそうだ。新しい命が誕生するという喜びと、“お母さん”になるという覚悟、初めてのことばかりの不安、そして、仕事を一旦退かなくてはならないという悩み。

仕事をしている女性が子どもを産むということは、本当に難しいのだと思う。そんな風に考えるようになったきっかけは、「コウノドリ」というドラマ。最近、続編が放映されている。

コウノドリ(2015) - Amazon Prime ビデオ
コウノドリ(2017) - TBS

1話ごとに、さまざまな家族の形があって、それぞれがたぶんよくある事例のひとつで、そういうことがもしあったとき、自分はどう対処すればいいんだろう…と考えるようになった。そして、出した回答に、正解はない。

「妊娠」「出産」で生まれる人と人との結びつき、夫婦、そして親子のあり方、「命」が誕生するまで、誕生した後の葛藤、倫理、医療関係者と患者の関係など、命が誕生する「奇跡」がテーマとして描かれた前作。原作の世界観を忠実に再現し、かつ実際の病院で取材したことによるリアルな描写が好評を博し、多くの共感と感動の連続を生み、毎話、視聴者の涙を誘いました。 - TBS「コウノドリ」より引用

特に、続編の1話で、キャリアウーマンが自分で取ってきたプロジェクトを出産で泣く泣く一旦抜けなくてはならず、同僚に少し愚痴のようなことを言われてしまうシーンがある。正直自分も、その同僚のような気持ちになってしまうだろうなぁ、と思った。だって、5名でやっていたことを4名でやらなければいけなくなるのだから。仕事を最少人数で進めているプロジェクトでは、育休ってすごく難しいんじゃないか。と、そのときは思っていた。

でも、そういう考え方は間違っていたのだと気づいた。

きっかけは、サイボウズ式の「子育てはキャリアの中断ではなく、キャリアアップだ」という記事。その記事では、こんなふうに書かれている。

なぜ肩身が狭いかというと、その人のせいじゃなくて、職場のせいですよね? 何も考えていない職場だと、休む人の仕事をそのまま残りのメンバーにプラスオンしてしまうから、休む人の肩身が狭くなってしまう。職場は、産休・育休をとる社員がいたら、それを機に全体の仕事を見直して無駄な仕事をどんどん削ったり、もっと効率的にできる方法を考えたりしなければならない。育休は、生産性を上げるためのいい機会なんです。 (※太字は自分でつけました)

そうか!!と思った。久しぶりに、目から鱗が落ちた。

「育休」がうまくいかない理由って、仕事量を変えずに“育休を取る人がいなくなる”という事実しか変わらないからなんじゃないのか、と。

育休を取る人がいる会社のメンバーが本当にしなければいけないのは、いるはずの人がいなくなるという事実を受け止めて、全体の仕事を見直して無駄な仕事をどんどん削ったり、もっと効率的にできる方法を考えたりすることなんじゃないか。

仕事の優先順位を見直して、その人が一定期間いなくても回る仕組みを考え直し、生産性を上げられれば、「育休」がうまく活用できる可能性は高まるはず。

そのためには、これまでとは違った頭の使い方をしなければいけない。だけど、そういう機会でもないとなかなか人は変われない。むしろ、いい機会を与えられたと考えると、ちょっとポジティブなイベントではないか?と思った。

なんとなく「育休」に対して難しいというイメージを持っていたけど、この記事をきっかけに、積極的に取ってもいいんだなというイメージに変わった。

子どもが産まれるということは、奇跡であり喜ばしいことだ。

その様子を丁寧に描く「コウノドリ」は、毎回毎回感動してしまう。新しい命が産まれてくることを諸手を挙げて喜べるように、然るべきタイミングが来たら準備をしなければならないのだと感じた。

・・・

そういえば最近、周りで結婚する人たちの話をよく聞くようになった。つまり、子どもが産まれるというビックイベントが待ち構えているわけだ。

もし僕が誰かに「私の子どもが産まれるんです」という話を聞いたら、最初に言う言葉は、もう決めている。

(Photo by Picsea on Unsplash)

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