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短歌「上履きと宇宙」

南瓜には南瓜の世間があるという南瓜族の幼な児に会いに行く


ラッキーと呼ばれる犬が新聞をビリビリにしている日曜日


失くなった上履き探す放課後に 笑われている 笑われている


この世界すこしでも好きになりたくて醤油を垂らす卵かけごはん


狂ってたあの子の描く絵が好きだったペンローズの階段を踏み抜く


瀬戸内のレモンを摘みにゆく旅の終点 朽ちた流木に蟹


風邪ひいて寝込んだ翌朝見る空は宇宙の壁のようにつめたい

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