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東海林さだおの本。

いつも分厚い辞書を持って来られる
男性のお客様。

あの厚さの辞書は
私の人生ではきっと
触れる事はないだろうなと、

いつも感心しているのですが。

辞書を持って
黙々と勉強される時もあれば、

息抜きの為か、
私や隣に座られた方と
おしゃべりをする時もあります。

大抵、
話をするときは、
映画の話や読んだ本、

時々ですか
人間関係について
少し真面目な話もします。

その日は何だか疲れている様子。

お客様から
考え込まずにスカッと
気楽に読める本はないかと
尋ねてこられました。

おお!
今まさにお薦めの本を持っていますよと私。

それが東海林さだおさんの本でした。

漫画家でありエッセイストである
東海林さだおさん。

丸かじりシリーズは30作を越え、
ご存じの方も多いかと…。

何冊か平行して本を読む時に
東海林さだおさんの本は
文章の長さや軽快さが
私にとってとても良いのです。

身近な食べ物について
熱く熱く語り、

見た目、さわり心地、食感等々について
心の声が面白すぎる。

蒸しパンが好きすぎて、
語り尽くして、
最後には
身内なんだと豪語する。

茹で玉子は
4口で食べる終えるのが正しいらしい。

ラーメンに海苔は必要かなんて話は
ずっと混乱しっぱなし…。

私はあの海苔の
しめっとした感じも好きなんだけれど。

東海林さんは、
エリマキトカゲみたいに丼のまわりに
海苔が差し込んであると
半狂乱になるそう。

そうなりながらも
ラーメン店主の気持ちも
推し量る。

食事に対する熱量が半端ないので、
読んでいる間、
こちらもついつい参戦してしまいます。

1つずつののテーマは
電車に乗っていれば
1駅分か2駅分ほど。

現実から少し目を逸らしたいとき、
本の中は安全な逃げ場所。

ちょっとした合間に
東海林ワールドに入って
その世界を楽しむ。

どうかな~と思いながら
本をお渡ししたら
早速読み始めて下さったお客様。

ついクスッと
笑った事、
私は聞き逃しませんでしたよ( ´ー`)

少しでも気持ちが軽くなれば良いなと思いながら、

その日はそのまま
本をお貸ししました。

さて、
気に入ってくれたかどうか…
また来店されたときに
うかがってみます。

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